世界には、トレンドとは別にその土地の人にしか知られていないような美容法が数多くあります。そんな美に関するトピックを定期的に世界の国々を訪ね歩いているスタイリスト・池田あゆみさん(ROSSO hair)に、旅の記憶と現地の写真を添えて語っていただきます。第1回目は、アフリカ大陸の国・モロッコ。近年、インテリアやアルガンオイルでも知られるようになったこの国の美容事情とは?
■都市と砂漠、それぞれに宿る魅力
「アフリカ大陸にあるけれど、ヨーロッパの文化が色濃く、そこに中東のエッセンスも加わった絶妙なバランスがとにかくたまらないモロッコの風景。滞在したマラケシュは、日本でいう京都のような観光都市で、お土産屋さんや屋台が充実しています。また、モロッコでは表札がない代わりにドアのデザインで家を判別するため同じドアがひとつとしてないそうです。人のおうちを見ているだけで楽しめるステキな街でした。そこに暮らす人々は、すごくフレンドリー! また、少し足を伸ばしてサハラ砂漠ツアーにも参加してみました。ベルベル人のガイドさんにアテンドしていただき、音のない砂の世界で2泊3日。なにもない空間からは、本来の人の在り方のようなものを考えさせられました。すごくデトックスされたような気分!」
本場のタジン料理、実は……
「モロッコの食べ物といえば、タジン料理やクスクス。日本だと蒸して食べるヘルシーなイメージのタジン料理ですが、現地のタジン料理はすごくオイリー。そのせいか、ふくよかな人が多くいたように思います。もうひとつ驚いたのは、ひつじの肉がすごくおいしかったこと。くさいイメージがあるけど、さっぱりと食べられました。あんなに乾いた土地なのに、ちゃんとその土地で採れたものを食べていたのが印象的でした」
大地の恵みで美を育む
「美容大国ともいわれるモロッコ。現地の女性たちは、ハマムというサウナのような公衆浴場でさまざまな情報交換をしているみたいです。紫外線が強く乾燥している美容にはすごく厳しい環境で、現地の女性たちは自然由来のものを使ってケアしています。その代表が、日本でも親しまれているアルガンオイル。ちなみに現地では、塗る用と食用とが分けて売られています。もうひとつ一般的なのが、ガスールという泥パック。日本でも販売されていますが、モロッコでは日常的に使うもので、大きな壷に入った量り売りの泥を買って行く女性をたびたび見かけました。あんなに紫外線の強い国なのに、肌にシミが目立たなかったのは、アルガンオイルの抗酸化作用と泥パックのおかげなのかも。自然と共生しながら美に繋がるものを取り入れているなんて、素敵ですよね」
植物が育ちにくい乾いた環境で、貴重な大地の恵みを使い美を育む様子は、人間も自然の一部であるということを改めて感じさせてくれるようです。街並みや文化の違いにも楽しみを見つけられる国・モロッコ。ぜひ、旅のリストに入れてみてはいかがでしょうか? 次回は、日本からのアクセス◎な台湾編をお届けします!
(野中ミサキ)
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《plofile》池田あゆみさん
東京都出身。美容師歴10年の現役スタイリスト。
趣味は、年に2回の海外一人旅。
http://www.rosso-hair.com/nishiogikubo/staff/ikeda/