見た目や年齢を越えた内面からの美しさを手に入れるべく、 “メンタル美人”へのヒントを教えてもらうインタビューコラム。対話を通して数多くの方々の心の整理をお手伝いしてきたプロコーチの越智孝之さんに「メンタル美人への第一歩は感情とうまく付き合うこと」をテーマに、すぐに試せる感情コントロール術も交えてお話いただいた前編に続き、後編では心理学の要素も織り交ぜながら「自分に自信が持てる意外な方法」をお伝えします。
■ヨガや禅にも必要な“客体”
「前編では、心に余裕を生むために、まず自分の感情をコントロールすることが必要だというお話をしました。このことを心理学では「主体・客体理論」といったりします。感情の渦中にいる状態のことを“主体”、感情的な自分を冷静に見ることができている状態を“客体”といいます。ヨガや瞑想でも、感情の中から抜け出す状態を目指すことが基本になっています。“無”やリラックスを求めてヨガや瞑想を始めたものの「無心にならなくちゃ…」と意識するばかりで苦しいだけだった…という方は、“客体化”を意識して取り組むといいかもしれませんね。表現は難しいんですけど簡単に言えば、焦っているときに「私、すごく焦ってるんだなぁ」とか思うだけでいいんです」
■自分に自信をつける一番の方法は…
「メンタル美人への次のステップは、自信をつけること。自分に自信を持つことができれば、振る舞いや表情の作り方にも変化が表れます。自信をつける、というと努力を重ねたりストイックに何かに取り組むことに目がいきがちです。が、一番効果的なのは、人から褒められること。そして、存在を肯定してもらうこと。「私はありのままでも十分美しいんだ」と感じさせてもらえることが、自信につながります。ただ、そこまで人から褒めてもらうことは、なかなか難しいですよね。そこで、ぜひ実践していただきたいのが、積極的に人を褒めるという方法。真逆のアプローチで意外かもしれませんが、人のいいところを見つけることで、自分の好きなものや価値観に気づけるんです。そして、人を褒めることで得た気づきは、取り入れることはあっても比較する必要はありません。褒めるというポジティブな言動は、相手だけでなく自分の気分もプラスにしてくれます。まさに良いことづくし!」
『美しい花がある。花の美しさというようなものはない』
「個人的に、美しい人には信念があると感じています。自分を知ることは、信念=自分らしさを持つための第一歩。そこが見えてくれば、きっと余裕を感じさせる内面からの美しさにもつながってくるのではないでしょうか。最後に、小林秀雄さんの『美しい花がある。花の美しさというようなものはない』いう言葉を紹介します。花自身は、自分を美しく見せようと咲いているわけではなく目的があって咲いた結果、美しいかたちになっている。美しさというのは、結果としてついてくるものなのかもしれません」
歳を重ねても失われることのない、内側に宿る見えない「美」を身につけるためには、日々のささいな出来事による感情の変化や気づきから少しずつ自分を知っていくことが大事なようです。今回お届けしたメソッドをうまく取り入れられれば、どんなエイジングケアより効果的かもしれませんよ! ぜひ参考にしてみてください。
(野中ミサキ)
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《plofile》越智孝之(おちたかゆき)
プロコーチ、インタビュアー。
大手通信企業勤務後、プロコーチとして独立。
話を聴くプロフェッショナルとして、悩みの解決から意識の成長のお手伝いをしている。
HPはこちら。https://ochi.me