ふと鏡の中の自分を見ると、首やこめかみに、ポツポツやザラザラとしたものを発見…。ということが、30代も半ば以降になると多くなってきていませんか? それはひょっとしたら加齢に伴う「大人イボ」かもしれません。原因は、遺伝的要因や紫外線だと言われています。また加齢など老化現象の一つで、お肌のターンオーバーがスムーズに行われなかった場合もあります。お肌の表面の角質層が盛り上がってイボになるのです。気になる方は皮膚科などの専門医に診ていただきましょう。
■漢方の生薬でターンオーバーを促す
この「大人イボ」のイボ取りによいとされる民間薬があるのをご存じでしょうか。「ヨクイニン」というハト麦の種皮を取り除いた天然の成熟種子で、漢方生薬の一種です。ヨクイニンの成分である「コイクセノリド」が肌の角質細胞の代謝を活発にするほか腫瘍抑制作用があると言われています。また、代謝アップをサポートするビタミンB群や良質のアミノ酸、余分な水分を排出するカリウムなどの栄養素も多く含まれており、体の新陳代謝や肌のターンオーバーにも期待ができるのです。
■ヨクイニンの効果
ヨクイニンは、イボ取りだけでなく、カラダにこもった熱を冷ます作用があります。また、湿気によるむくみやカラダの重だるさ、神経痛やリウマチにも働きかけるそう。美容の面では、美白作用が高く、中国では「シミを取り除くために煎じてから汁を飲む」といわれるほど、効果が期待される生薬です。ただデトックス効果が高いので、妊娠中の方は控えた方がいいでしょう。
■焙煎ハトムギ茶で代用はできる?
ヨクイニンは、ハト麦の種皮を取り除いたもので、そもそもが「ハト麦」。なので、気軽に飲める「焙煎ハトムギ茶」で代用できないの? と、思われる方も多いと思います。焙煎されたハト麦茶の主な効果は、胃腸の働きを高めて下痢をとめると言われています。また、熱を加えることでヨクイニン成分の効果が減少し、「イボ取り」や美白、美肌効果には、あまり大きな期待できないかもしれません。ただ、焙煎ハトムギ茶を飲むことによって、胃腸の働きが高まり、食べ物から得られる栄養の吸収、排出がうまく機能します。その結果、美肌効果などを感じることができるでしょう。
■「ヨクイニン」の取り入れ方
ヨクイニン自体は、漢方独特のクセがあります。お米と一緒に炊きあげたり、スープなどに入れることでたいへん美味しく食べることができますよ。是非、皆さんの食卓に気軽にとりいれてみてくださいね。「ヨクイニン」は通販などで身近に購入できたり、漢方薬としても取り扱われています。
(美巡セラピスト&国際薬膳師、漢方養生指導士 余慶尚子)
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【参考】
※阪口珠未著『毎日使える薬膳&漢方の食材辞典』(ナツメ社)