料理本などを参考に調理する際、調味料として何気なくみりんを入れている方もいるでしょう。もちろん名前は知っていますが、どんな成分で、どんな効果をもたらすのかなど、把握していない方もいるはずです。みりんへの理解を深めることが、料理の上達にもつながります。今回は、料理研究家である筆者が、「みりんの上手な使い方」についてご紹介します。
■「本みりん」と「みりん風調味料」の違い
本みりんは、もち米や米麹、アルコールを原料に作られています。ですから、酒類になります。これに対して、みりん風調味料にはアルコールが含まれていません。料理の手順としては、本みりんはアルコールがとぶように最初のほうに入れますが、みりん風調味料はその必要がないので最後に入れます。みりん風調味料は便利ではありますが、アルコールの有無による効果の差はかなり大きいです。
■1:自然でまろやかな甘みを加える
料理に甘みを加える際に砂糖を使いますが、砂糖ではちょっと甘みが強すぎると感じることがあると思います。もっと繊細な甘さが欲しいときに使われるのが、みりんです。加えることで、まろやかでコクのある、深い味わいになります。
■2:料理に照りやツヤを出したいときに
ブリなどを料理する際、表面にキレイな照りやツヤがあると、とても美味しそうに見えます。みりんには多くの糖類が含まれていて、加えることで美しい仕上がりを生み出します。魚料理だけでなく、角煮などにも有効です。
■3:臭み消しとしても
みりんには、魚の生臭さを消す効果もあります。火にかけた際にアルコールが蒸発することで、臭みも一緒にとばしてくれるからです。魚以外にも、ニオイの強いお肉などにももちろん使えます。
■4:料理の煮くずれを防ぐ
料理の際に、食材を火にかけると煮崩れするのは、内部で細胞を結びつけているペクチンという物質が溶けるからです。しかし、みりんに含まれるアルコールにはペクチンのつながりを強める働きがあります。加えれば、火にかけても煮崩れしにくくなるのです。
いかがでしたか? みりんが調味料の「さしすせそ」に含まれていないからと、侮ってはいけません。繊細な味わいを出すのには欠かせない調味料です。料理の腕を上げるためには、外せませんね。
(料理研究家 オガワチエコ)
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