最近では雑貨店やセレクトショップなどにも置かれている「民芸」の品々。「民芸」とは1925年に思想家の柳宗哲らが作った言葉ですが、ご飯茶わんや湯飲み、竹細工など、伝統や風土が育て、かつ日々使われている製品のことを言います。ここでは、そうした民芸から3つをご紹介します。
■シンプルな美と手になじむ感触 岩手の「小久慈焼」
昨年の連続ドラマ『あまちゃん』の舞台にもなった、岩手県久慈市。ここには、「小久慈焼」という焼き物があります。ドラマで宮本信子が演じた「夏ばっぱ」の家でこの小久慈焼が使われていました。 小久慈焼の起源は約200年前。福島・相馬の陶工から技術を学び、地元・久慈の粘土と釉薬を使って独自の焼き物を作ったのが始まりとされています。時代の流れの中で商品も変化してきましたが、今でも急須や湯呑み茶碗、銘々皿など、シンプルで使う人の手になじむ民芸であることは変わりません。オーダーメイドを扱うところもあるので、記念品や結婚式の引き出物として使うのもお勧めです。
■ソーサー付きカップや菓子器でおもてなし「大館曲げわっぱ」
秋田県北部にある大館市で有名な民芸と言えば、「大館曲げわっぱ」です。弁当箱やおひつなどに代表される曲げわっぱの材料となるのは、樹齢200年の秋田杉。節のない、真ん中の部分だけを使います。 曲げわっぱの始まりは弁当箱でしたが、今はさまざまな製品があります。お客様を招いたちょっとしたお茶会には、ソーサー付きカップや菓子器などを使うと、いつもと違う雰囲気で、話も弾むことでしょう。また、こちらも銘々皿がありますが、うちわ型や横長のものがあり、これにいろいろなお菓子やお惣菜を並べて出すと、目にも楽しそうです。
■お礼状には国の重要無形文化財「小川和紙」
最後に、埼玉県の「小川和紙」をご紹介。小川和紙は小川町と秩父村で作られている和紙の総称。この小川和紙のひとつに「細川紙」があります。細川紙は独特の技術と丈夫で素朴な紙質により、国の重要無形文化財に指定され、さらに先日は、島根の石州半紙、岐阜の本美濃市と合わせて、「和紙:日本の手漉和紙技術」がユネスコの事前審査を行う補助機関から登録勧告も受けました。 細川紙は便せんやハガキのほか、これを加工したブックカバーなどもあります。誰かに招かれた時、メールではなく細川紙でお礼状を出せば、大人の女性としてあなたを見る目も変わるかもしれません。
伝統と風土の中に今も息づく「民芸」。こうした世界にも興味を広げ、内面も豊かなワンランク上の女性を目指してみませんか。
(つやプラ編集部)