ヨガやピラティス、マラソンなどの全身運動や局所の筋肉運動に欠かせないのが必須ミネラル。
運動によって、筋肉が収縮と弛緩を繰り返すときに、このミネラルが少ないと発生するのが、筋肉の痙攣と乳酸の蓄積です。
全身運動の際に不足すると、心臓の筋肉である心筋の細胞内にカルシウムが溜まり、緩むことができず緊張状態になります。運動での緊張状態は、身体に負担が強くかかります。
このミネラルですが、日々の生活習慣でとても不足しやすく、厚生労働省発表のマグネシウム摂取推奨量によると、つやプラ世代の女性は明らかに摂取量が不足している現状です。
■肌の質感や筋肉を動かす際に欠かせないミネラル
必須ミネラルのひとつであるマグネシウム。マグネシウムと言われてもピンとこない方は、豆腐に含まれる「にがり」をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。
長い間続くマグネシウム不足は、将来的に骨粗鬆症、心疾患、糖尿病のような生活習慣病のリスク上昇につながります。
マグネシウムは、325種類もの生体内反応に関係する酵素反応の触媒として重要な役割を担っています。
つまり心臓が脈をうち、身体を動かすこととは切っても切り離せない関係なのです。
これは一例ですが、マグネシウム不足は、唾液中のリンとカルシウムのバランスを狂わせ、虫歯や歯周病の発症にも大きな影響を及ぼします。
■日々の生活のマグネシウム不足をチェック
□カフェイン(コーヒー・紅茶・チョコレート)を毎日3回以上、飲んでいたり食べている。
□緑黄色野菜・種子・新鮮果実の不足。
□高タンパク食品(肉や調理食品や加工食品)を好んで食べている。
□ジャンクフード(ファストフード)をよく食べている。
□月経痛や月経前症候群(PMS)の悩みがある。
□ストレスの多い生活や環境。
□片頭痛に悩んでいる。
□歯科治療歴がある。歯科充填材の種類によってマグネシウム欠乏を招く。
□フッ素や塩素、カルシウムを含む水をよく飲んでいる。
これらにひとつでもチェックがつくと注意が必要になります。
■含有量豊富で摂りやすいマグネシウムを多く含む食品
食品からマグネシウムの摂取をすることが、ミネラル欠乏にならない予防策の1つです。
ただし、農耕地の土壌中、肥料などにより、マグネシウムの含有量が低下していることも理解した上で、摂る必要があります。
水からもマグネシウムを摂取することができますが、その含有量は、水源によってかなり異なります。
夏におすすめの食材
・冷えた玄米おにぎりや雑穀、蕎麦などの穀類
・茹でたトウモロコシや枝豆、お浸しなどでもとれるおくらなどの野菜類
・煮びたしなどに使える椎茸、きくらげ、えのき、エリンギなどのきのこ類
・味噌汁に煮干しを取り入れることや、いわし、しらす干し、ししゃも、あさりなどの魚介類
・間食に取り入れやすいバナナ、プルーン、干しぶどうなどの果物類や松の実、らっかせい、くるみなどの種子類
・冷奴として食べやすい豆腐などの大豆食品
・温めた抹茶やココア
マグネシウムにより体内の酵素のスイッチが押されると、細胞の新陳代謝が正常に保たれます。また、肌のメリハリや炎症予防にも関係します。
現代の生活習慣が、マグネシウム不足を加速させています。気持ちのよい運動習慣に、マグネシウムを意識した生活習慣をプラスしてみてはいかがでしょうか。
(歯科医師 抗加齢医学会専門医 ヨガインストラクター KIKU)
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