寒い時期は、スープや鍋を食べる方も多いのではないでしょうか。せっかく食べるのであれば、お悩み解決に導くために薬膳スープを作ってみませんか? 薬膳スープと聞くとハードルが高そうと思われがちですが、安心してください。スーパーで手に入る食材のみ作ることができます。
国際薬膳調理師の筆者が、冬の乾燥をケアする食材とおすすめの組み合わせをご紹介します。
■なぜ乾燥するのか?
薬膳のベースになっている中医学(中国伝統医学)の世界では、肌の乾燥は「肺(はい)」という肌にうるおいを与える役割の臓腑が弱ってしまうためと考えます。肺は寒さや乾燥がとても苦手です。この季節、自然界は寒く乾燥しやすいので自然と肺が弱りやすいのです。
乾燥すると水分をたくさんとろうと考えてしまいがちですが、実はそうではありません。大切なのは、食材自体からうるおいをチャージすることです。
また、肌に栄養を与える「血(けつ)」が不足すると、乾燥だけではなくくすみ肌の原因にもつながりますので血を補うことも重要です。
■乾燥をケアする食材
乾燥ケアには、白い食材がおすすめです。山芋、白ごま、松の実、落花生、れんこん、梨、りんごなどの白い食材は、肺をうるおす力があります。
血を補う食材は、野菜ですと人参、ほうれん草。肉なら豚肉、牛肉、鶏肉、魚なら鯖、鮭。皆さんがよく食べる、卵も良いですね。
■3つの食材でうるおいチャージ!おすすめの薬膳スープ
薬膳は、組み合わせがとても大切です。乾燥した肌をうるおし、美肌に導く食材の組み合わせをご紹介します。
山芋+鮭+たまねぎ
うるおいを与える「山芋」に血を補う「鮭」を組み合わせることで、うるおいとハリ・ツヤ感アップを狙う組み合わせになります。身体を温めながら巡らせる「たまねぎ」をプラスすると、くすみ肌のケアにつながります。
豆乳ベースのスープにコンソメや塩・コショウで軽く味付けをすると良いでしょう。豆乳ベースにすることで、さらにうるおいアップが狙えます。彩りに「人参」を入れても良いですね。人参も美肌に導く食材です。
れんこん+豚肉+白菜
肌をうるおすコンビの「れんこん」と「豚肉」に、今が旬の「白菜」をプラスしました。白菜は胃腸を健やかにする働きがあり、むくみ改善にもおすすめの食材です。胃腸が健やかでないと栄養をしっかりと吸収できませんので、胃腸を労わることは大切です。
生姜ベースのスープのなかにそれぞれの食材を順番にのせていく”ミルフィーユ鍋”がおすすめです。この3つの食材は身体を温める性質ではないので、ピリッと生姜をきかせて温まりましょう。
卵+ほうれん草+白ごま
「卵」+「ほうれん草」+「白ごま」は、”肌にうるおいも欲しいし、ハリ・ツヤ感も欲しい”というお悩み改善にピッタリの組み合わせです。卵は血色感がアップする血を補う働きと肌にうるおいを与える食材です。ほうれん草も血を補いますので、組み合わせることでさらにパワーアップを狙えます。
白ごまは、乾燥肌の味方となる食材です。すりごまタイプの方が吸収率がアップしますので、すり白ごまを使うようにしましょう。
これらの食材は、中華スープをイメージした味付けが美味しいと思います。温まりたい時は、「たまねぎ」や「ネギ」をプラスすると良いでしょう。
身近な食材も組み合わせを意識することで薬膳スープに早変わりします。スープは手軽なうえ、お腹を温めて栄養がたっぷり摂れるでの嬉しいですよね。寒い冬にご紹介したスープを作って、身体の芯から温まってくださいね。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)
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