名前の通り、「胃や腸で消化されにくいたんぱく質」である、レジスタントプロテイン。
近年、さまざまな研究によって、ダイエット効果をはじめとして、体に良い影響を与えることが分かってきました。
管理栄養士の筆者が、40・50代のダイエットにぜひ取り入れたい「レジスタントプロテインの魅力」についてご紹介します。
■レジステインプロテインとは?
通常、たんぱく質は胃で分解された後、小腸でアミノ酸の形で吸収されます。
レジスタントプロテインは、胃で分解されずに小腸まで届き、以下のような効果を体にもたらします。
食べ物に含まれる脂質を包み込み、体外へと排出する
血液中のコレステロールを低下させます。また、肥満の予防に効果的です。
食物繊維と同様の働きをもたらす
腸内に届いたレジスタントプロテインは、水溶性食物繊維と同じように働き、腸内環境を整えます。
その結果、体内の老廃物がスムーズに体外に出されるため、肌のコンディションを保つことにも役立ちます。
食後の血糖値上昇を緩やかに
また、分解・吸収されにくいため、食後の血糖値上昇を緩やかにする働きもあります。
血糖値が急激に上昇すると、正常値に戻すためにインスリンが分泌されます。インスリンは、過剰に摂取された糖を脂肪として体に取り込む働きもあるため、血糖値の上昇を緩やかにすることは、ダイエットにも効果的です。
■レジスタントプロテインを含む食品
以下の食品に、レジスタントプロテインが含まれています。
・大豆
・高野豆腐
・酒粕
・味噌
・甘酒
・そばの実
「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」、どっちがいい?
甘酒には「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類があり、これまでレジスタントプロテインは酒粕甘酒に含まれるといわれてきました。
しかし、金沢工業大学の尾関教授らの研究によると、米麹甘酒にもレジスタントプロテインの一種「プロラミン」が含まれるのだそう。
レジスタントプロテインの含有量は酒粕甘酒のほうが多いため、効率よく摂取したい場合は、酒粕甘酒を利用しましょう。
■ダイエット効果を高める、レジスタントプロテインの摂り方
朝食に甘酒を
朝食を抜いたり、極端に食べる量が少ないと、次の食事をした際に急激に血糖値が上がるため、太る要因になります。
甘酒には甘みがあるため、一日の始まりである朝食に取り入れるとエネルギーとして利用され、快適に過ごすことができますよ。
また、朝食にたんぱく質を摂取すると、筋肉量増加に役立つことが報告されています。
そのため、たんぱく質が多い「牛乳」や「豆乳」で割って飲むのがおすすめです。
甘酒とヨーグルトを組み合わせる
甘酒によってヨーグルトの善玉菌が増えるため、組み合わせて腸活に役立てましょう。
1:1の割合で混ぜて、いただきましょう。
高野豆腐を主食に置き換える
ダイエット中、ご飯の量を減らしたい時にも、高野豆腐が役立ちます。
高野豆腐を水で戻して電子レンジで加熱し(高野豆腐1枚の場合、500W・1分~1分半)、フードプロセッサー等でそぼろ状にして、ご飯に混ぜましょう。
レジスタントプロテインも摂取でき、満腹感もあるため、ダイエット中におすすめですよ。
レジスタントプロテインは、身近にある食品に多く含まれています。食事に取り入れて、ダイエットをはじめ美容や健康に役立ててくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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・実はNGな「納豆の食べ方」3つ
【参考】
※コレステロール低下や抗腫瘍作用に期待 味噌に含まれる”消化されないタンパク質 – マルコメ
※糀甘酒にも含まれるレジスタントプロテインとは?尾関健二教授が解説 – マルコメ
※こうや豆腐にレジスタントプロテインが多く含まれる理由 – 旭松食品
※「甘酒」を飲んでコレステロールを低減、便通を改善、プロラミンが作用 – 日本医療・健康情報研究所/創新社
※タンパク質摂取時間と筋量増加の関係 – 早稲田大学