にんにく、しょうが、ネギ、大葉など、料理のアクセントとして大切な薬味や素材。ついつい自己流で切ってしまったり、「料理したら見えないし」と適当に刻んだり、という方は多いはず。実は料理によって切り方を変えると、より風味が
豊かになることをご存知ですか? オガワチエコさんによる人気記事から、毎日使える切り方のコツをご紹介します。まずはできそうなことから試してみて!
■絶対役立つ!プロが教えるショウガの使い方
ショウガは基本的に皮を剥いて使用しますが、おろし生姜は例外的に剥かなくても構いません。皮にはショウガ特有の匂いや成分が多分に含まれています。臭み消しなのか否かなど、用途に合わせて使い分けましょう。角煮や煮込み料理に入れたり臭み取りとして使用したりする場合は、より香りの強い皮部分が実は最適!
炒める時は、繊維に対して「垂直」に切る
繊維に対して直角に包丁を入れることで、辛味や香りが出やすくなります。炒め物にショウガを使用する場合は、みじん切りにする前に、一度直角に包丁を入れるのがオススメです。炒め物の基本は強火ですが、ショウガやニンニクなど香りを引き出したいものは、先に弱火で炒めておくのが基本。そこに具材を入れ、後から強火にしましょう。
生で食べるときは繊維に対して平行に切る
辛味をマイルドにしたい生食では、繊維と平行に切るのがオススメです。繊維に対して直角に切ると、辛味や香りが強く引き出されてしまうので注意が必要です。針生姜にして、酢の物や小籠包などと一緒に味わう場合は、平行に細かく切るように心がけましょう。水にさらすとさらにマイルドに仕上がります!
針生姜の切り方
1. 皮をむき、筒状にする(「篠むき」といいます)。
2. 繊維に沿って薄く切る。
3. 数枚重ねて少しずらし、繊維と平行に細く切る。
4. 水にさらして、水気を取り除く。
■臭いのとり方も!にんにくの切り方・使い方
下ごしらえの仕方
にんにくを1粒取り、根の部分を薄く切りましょう。そこからつながっている皮を剥くと、スムーズに下ごしらえができます。手のにおいが気になる方は調理を終えた後、ハンドソープやレモン汁で洗いましょう。指の間や爪の隙間などを念入りに洗い流すことで、にんにく特有のにおいを取りのぞくことができます。
煮込み料理は「つぶす」
最もマイルドな風味を得られる使い方です。包丁の腹を当てて体重をかけたり、叩いたりして潰します。煮込み料理やスープなどに最適です。
炒め料理には「2つ割り」
油ににんにくの香りを移す際に使われる切り方です。潰してから半分に切り、焦げて苦くなりやすい芯を取り除きます。オリーブオイルを注いだフライパンにに入れ、弱火から焦げないようにゆっくりと加熱していきましょう。にんにくは香り付けのために使用しているので、食べずに取り出すのが一般的です。野菜炒め、パスタなどに適しています。
ステーキには「スライス」
肉に香りをつけるのに適した切り方です。竹串で押し出すようにして焦げやすい芯を抜き取り、繊維と垂直にスライスします。冷たい油に入れて弱火で加熱し、きつね色に仕上げましょう。ステーキなどに使用され、にんにくそのものを食べる場合もよくあります。
オイル系パスタに◎「みじん切り」
ソースなどをにんにく風味にするのに向いた切り方です。半分に切って芯を取ったにんにくの切り口を下にし、根を残していくつも切り込みを入れてから、切り込みと垂直に包丁を入れます。最後にまな板の上で、さらに細かく刻みましょう。包丁の刃先の峰に片手を添えて、そこを中心として孤を描くように持ち手を動かしていくのがコツです。焦がすと風味が台無しになるため、注意してください。オイル系のパスタなどに使用します。
アクセントになる「すりおろし」
味にピリッとしたアクセントがほしい場合に適しています。使う分だけおろしましょう。焼肉のタレ、ジェノベーゼソース、肉系のお刺身にアクセントとして加えるのもオススメです。
■料理がおいしくなるネギの切り方・使い方
まずは切る前に下ごしらえ
(1)青い部分、根の部分は切り落とす
(2)外側が乾いているようであれば、1枚むく
下ごしらえを施してから、それぞれの調理にあった8つの切り方を、その特性を知って実践しましょう。
ぶつ切り
丸太のように同じ長さに切りそろえることをいいます。焼き物、ねぎま鍋などに最適です。使用する料理によって幅を変えましょう。焼き物では、他の具材とのバランスもよく見て切るといいですね。
斜め切り
好みの厚さで斜めに切ります。鍋料理に最もよく使われる切り方です。斜めに切り込むことで表面積が広くなるため、味がよく染み込み、繊維が柔らかくなるという特性があります。
斜め薄切り
斜め切りを薄くした切り方です。好みにもよりますが、1〜2ミリ程度の幅で切るのが一般的。味が染みやすく、柔らかくなりやすいため、炒め物、味噌汁の具に適しています。
小口切り
繊維と垂直に、1〜2ミリ程度に薄く切ります。水にさらして、ぬめりがなくなるまで揉み、きちんと辛味を取り除きましょう。そばやうどんの薬味として使用するのがオススメです。
斜め千切り
縦に切れ目を入れて芯を抜いてから、斜めに千切りを行います。2〜3ミリほどの幅で切ることにより、シャキシャキとした食感を残すことができるため、トッピング用のネギに適した切り方です。白髪ネギのような見た目なので、時間がない時はこちらで代用すると手軽です。
みじん切り
繊維と並行に水平に切れ目を入れた後、垂直にも切れ目を入れ、最後に小口切りを行います。まな板の上で、さらに細くすることで、より風味を際立たせることができます。1〜2ミリ角に刻みましょう。タレなどに使用したい場合に最も適しています。
白髪ねぎ
5センチにぶつ切りにしたものを、縦に半分にしてから芯を取ります。外側を開いて重ねてから、少しずつ繊維と同じ方向に、幅が2~3ミリ程度になるように切っていきましょう。水にさらしてザルに取り、水気を拭き取って使います。トッピングやサラダに最適です。
青ネギの小口切り
数本まとめて小口切りにします。かなり細かいため、水にさらすと風味が飛んでしまうので注意してください。薬味や、料理の彩りに使用するのに適しています。
■青じそ・みょうが・わさびの切り方&使い方
青じそ
彩りが鮮やかで、香りもよく、麺類やドレッシングにワンポイントとして使用されることが多い青じそ。肉料理に合わせる場合は切らずに巻くだけで使用されることが多いですが、今回は薬味として切って使用する際の下ごしらえをご紹介いたします。
1. 水にさらして、汚れを取り除く。
2. 茎部分をV字にカットする。
3. 均等な長さにするため、茎部分に沿って切れ目を入れ、それを目安に半分に折る。
4. 厚みが出るように巻いたところで、端から細く切る。
みょうが
「小口切り」と「千切り」の二種類の下ごしらえが代表的です。小口切りは細かく仕上がるため、具材と絡ませたい場合や、汁物に合わせたい場合にオススメです。対して千切りは大きく仕上がるため、バラバラになりにくく、シャキシャキの食感を楽しめます。
小口切り
1. 根の部分にあるヘタ先を薄く切り落とす。
2. そのまま繊維と垂直に薄く輪切りにする。
3. 水でさっと洗い、よく水分をふき取る。
千切り
根の部分にあるヘタ先を薄く切り落とす。
1. 縦半分に切る。
2. 中心部分にある芯をV字に切り取る。
3. 端から繊維に合わせて、縦に細く切っていく。
4. 水にさらした後、よく水分をふき取る。
わさび
茎を手ではがし、中に入っているわさびの根を出します。根の表面である皮部分はむいたりせず、茎の方からすりおろしましょう。陶器や鮫皮のおろし器を使用し、円を描くようにおろすのがコツです。
辛味を引き出すおろし方のポイント
わさびの茎は甘い風味が強いため、より辛味を引き出したい場合は、砂糖やレモンをつけながらすりおろすといいでしょう。浸透圧が働くことにより、わさびの細胞壁から辛味成分を引き出すことができます。
いかがでしたか? 意外と奥深い薬味やアクセント野菜。ぜひ参考にしてくださいね。
(つやプラ編集部)
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