中華料理の調味料のひとつ「豆鼓(トウチ)」をご存じですか? 大豆を発酵させ、1年熟成した発酵調味料で、日本の浜納豆にも似ています。
発酵によるうま味が凝縮した豆鼓は、お味噌とはまた違ったうま味があります。また、発酵過程で変化するイソフラボンには、大豆そのものよりも強い抗酸化力があるのだとか。
美容と健康に役立つ食スタイルを提案して15年、美養フードクリエイターである筆者が、豆鼓を使った作り置きレシピを2つご紹介します。
■「豆鼓(トウチ)」って何?
豆鼓は、黒豆を蒸して柔らかくしたものに麹菌をつけて発酵させ、塩漬けにして1年熟成させたのち、乾燥させた調味料です。日本の浜納豆の原形と言われています。
そのまま、粒のまま調味料として使うほか、ニンニクなどとペーストにした豆鼓醤(トウチジャン)という調味料もあります。
抗酸化力が高く、うま味もある
豆鼓は発酵過程で、大豆に含まれるイソフラボンが変化し、より抗酸化力の高い成分へと変化しているのだそうです。
また、うま味成分であるグルタミン酸が豊富で、発酵過程で塩味もまろやかになります。お料理に抗酸化力とうま味をプラスしてくれる便利な調味料です。
■豆鼓を使った作り置きレシピ2つ
日持ちはいずれも、冷蔵庫で1週間程度が目安です。
(1)豆鼓で作るベジ肉みそ
材料(作りやすい分量)
ソイミート(挽肉タイプ) 50g
豆鼓 30g
オリーブオイル 大さじ1+1/2
玉ねぎ 1個
ニンニク 1/2片
七味 山椒など お好みで
作り方
(1)ソイミートは、熱湯で戻し水気をきっておきます。
(2)豆鼓は、50cc程度のお湯に漬けて柔らかくしておきます。
(3)みじん切りにした玉ねぎをオリーブオイル(大さじ1)で炒めます。透明感が出て、全体の量が1/3程度になるまで、じっくり炒めます。
(4)(3)にソイミートを加えて、炒めます。
(5)お湯で戻した豆鼓は、ミキサーで砕くか、包丁で叩いてペースト状にし、(4)に加えます。
(6)仕上げに、すりおろしたニンニク、オリーブオイル(大さじ1/2)と、お好みで七味や山椒を加えてできあがり。
食べ方
野菜スティックに添える、麺類やご飯とあえる、お豆腐の薬味とする、などがおすすめです。
(2)豆鼓ドレッシング
材料(作りやすい分量)
豆鼓 20g
オリーブオイル 大さじ3
レモン果汁 1/2個分
プチトマト 3個
作り方
(1)プチトマトは、半分に切ってトースターで10分焼き、皮をとります。
(2)全ての材料をミキサーで撹拌してできあがり。
食べ方
野菜サラダだけでなく、冷奴や冷しゃぶ、お魚のカルパッチョのソースとしても使えます。
一般的なお味噌とは違った風味のある豆鼓。お料理のレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。
(美養フードクリエイター・中医薬膳師 岩田まなみ
料理教室Manami’s Kitchen主宰。パリのEcole Ritz Escoffierにてフランス料理を学びDiploma取得、本草薬膳学院にて薬膳を学び、中医薬膳師の資格を取得。健康リズムカウンセラー、味覚カウンセラー(スタンダード)。自著「ヤセ菌が増えて太らない食べ方」(2016年・自由国民社)。コラム執筆、雑誌、TVなど多数のメディア出演実績がある。)
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【参考】
※豆鼓の諸成分(PDF) – 日本調理科学会
※豆味噌と豆鼓に含まれる抗酸化ポリヒドロキシイソフラボン(PDF) – 日本醸造協会