寒い日が続いていますが、雪や凍結した道で足元を滑らせてヒヤッとしたという人もいるのでは? 実は冬は1年で最も骨折する人が多い季節です。
冬に増える骨折の原因と、丈夫な骨を作るために欠かせない栄養素について、骨粗鬆症学会認定医でもある、そしがや大蔵クリニック院長の中山久徳先生にお聞きしました。
■冬の日照不足が骨折にも影響している?
「冬場は特に骨折に気をつけましょう。雪の日や路面凍結によって足元が滑りやすくなり、転倒のリスクが高まります。
さらに家に閉じこもりがちになって運動量が減って、骨や筋肉が衰えることで骨折しやすくなるのではないでしょうか」
日本整形外科学会骨粗鬆症委員会の調査(平成23年大腿骨付近部骨折の治療状況調査)によると、4〜9月と比べて10〜3月は骨折数は約1.2倍となっており、冬が最も骨折が多い季節となっています。
■丈夫な骨を作るためにはカルシウム+○○が重要!
「骨を作るためには、よく知られているカルシウムだけでなく、ビタミンD、K、マグネシウムも大切な栄養素になります。中でもカルシウムの吸収を促すビタミンDは、日光を浴びることで体内で生成される栄養素なので、日照時間が短い冬場は夏に比べると摂取しにくくなります」
「近年の研究では、ビタミンDは身体中を巡って脳と筋肉を繋げる働きから、転倒のリスクを減らすこともわかっています」
「日本人女性は血中ビタミンDが不足していることも研究で明らかになっているので、特に冬場は栄養素の中でもビタミンDの摂取に気をつけましょう」
■日照時間の短い冬場は食事でビタミンD不足をカバー!
「ビタミンDは食事からも摂ることができます。魚やキノコに多く含まれています。魚では特に鮭やイワシに多く含まれています。キノコの中では、まいたけの含有量が多く、100g食べると1日の必要量の約90%を摂取することができます」
「食事に加えて、運動も大切。かかとを上げて床に落とすなど、重力の負荷が骨にかかる運動を行うと骨を強化できます。
ウォーキングや太極拳などのゆるやかな運動でも骨密度の低下を防げるという研究報告もあります」
■“骨のトライアングル”たっぷり鍋で手軽に骨を強化!
骨を丈夫にするために大切な栄養素・カルシウムの働きをサポートするのがビタミンDとクエン酸。
管理栄養士の柴田真希さん考案の、カルシウム、ビタミンD、クエン酸の「骨のトライアングル」をしっかり摂取できる鍋レシピをご紹介します。
冬の骨活ミルク鍋
・材料(2人分)
<スープ>水400ml、塩小さじ1/4、白だし大1、ポッカレモン100大2、牛乳400ml
<具材>鮭2切れ、子大豆もやし1袋、キャベツ1/8個(150g)、玉ねぎ1/2個(100g)、まいたけ1/2袋(50g)、春菊1/4袋(50g)、にんじん1/5本(30g)、コーン50g、レモン1個、バター10〜20g、粉チーズ大2
・つくり方
(1)鮭を4等分に切る。キャベツ、春菊をざく切りに、玉ねぎを1cm幅に切る。
まいたけは手でほぐす。にんじんは輪切りにし、型で抜く。レモンを2〜3mm厚の輪切りにする。
(2)鍋に牛乳以外のスープの材料と、バター、粉チーズ以外の具材を入れ、ふたをして火にかける。
(3)全体が温まったら、牛乳とバターを加えて沸騰直前まで加熱し、粉チーズをかけて火を止める。
美しいボディラインを支える骨。将来、骨粗鬆症にならないためにも、骨を丈夫にする栄養素を毎日の食事に積極的に取り入れましょう!
(つやプラ編集部)
【中山久徳(なかやまひさのり)先生 プロフィール】
骨粗鬆症学会認定医。そしがや大蔵クリニック院長。山形大学医学部卒業後、東京大学医学部アレルギーリウマチ内科に入局。2012年に東京都世田谷区に「そしがや大蔵クリニック」を開院。関節リウマチ、膠原病、骨粗鬆症の治療に従事。全身疾患の臨床経験を生かし、身体全般についても診察している。
【関連記事】
・腸活に役立つ「チョコレート」の選び方&食べ方って?
・納豆にちょい足しで効果倍増!?「納豆に加えたい食材」3選
・“冬便秘”対策に◎身体を芯から温める「腸活鍋」3つ
・冬太りストップ!野菜の「効果的な食べ方」3つ