まだまだ暑い日がつづいていますね。夏はワクワクするシーズンでもありますが、薬膳の世界においては「汗をかくことでバテやすい」といわれています。
「この時期は、毎年体調がよくない」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、せっかくの夏ですから体調を万全に整えておもいきり楽しみたいですよね。国際薬膳調理師の筆者が、夏の不調をやわらげるおすすめの食材をご紹介します。
■なぜ、夏は体調を崩しやすいの?
薬膳のベースになっている中医学(中国伝統医学)では、私たちの身体は「気・血・水(き・けつ・すい)」の3つでつくられています。この3つがそれぞれ十分な量があり、滞りなく巡っていることで元気な身体を維持することができます。
しかし、この季節は汗をたくさんかくため、3つのなかの「水」の量が減りがちになってしまいます。さらに、この「気・血・水」は連動して動いていると考えられていますので、水が減ることで「気」も一緒に減ってしまいます。
この「気」は、身体にやる気や元気を与える働きをしていますので、汗をかいて水が減ることでだるさや疲労感を感じることが多くなってしまうのです。
■汗をかいた日に食べたい食材
夏の食事に大切なことは、身体にこもった熱を冷ましながらうるおいを与える食材と、気をおぎなう食材をいただくことです。
しかし、どんな食材を食べたらいいのか気になるところですよね。おすすめの食材をカテゴリーごとにご紹介します。
野菜類
・トマト
・ズッキーニ
・オクラ
・きゅうり
・レタス
・茄子
・もやし
・かぼちゃ
・山芋
・アボカド
身体の熱をクールダウンし、うるおいを与える食材と、気をおぎなう食材をピックアップしました。
これらの食材を使って、「ラタトゥイユ」「もやしときゅうりのナムル」「オクラの梅和え」「薬味をそえた茄子の煮びたし」などにしてみてはいかがでしょうか。トマトやきゅうりなどの夏野菜は身体が冷えやすくなるため、葱やみょうがなどの薬味と一緒に食べることをおすすめします。
果実類
・桃
・りんご
・レモン
・メロン
・パイナップル
お腹が冷えてしまいやすい人は、身体を温めてくれる効果が期待できる「桃」がおすすめです。りんごやレモン、パイナップルは冷やしもしないですが温めもしない性質ですので、普段食べやすい食材です。
メロンは身体をとても冷やす性質なので暑い夏にはぴったりですが、お腹の調子がよくない方や普段から冷えやすい人は控えめにしましょう。
豆類
・豆腐
・豆乳
・小豆
胃腸の働きを高めながら身体にうるおいを与えてくれるこれらの食材は、胃腸の調子を崩しやすい夏にぴったりです。これらの食材を使って、「薬味たっぷりの冷ややっこ」「豆乳スープ」「小豆とトマトのサラダ」などはいかがでしょうか。
飲み物
・緑茶
・甘酒
・プーアル茶
夏は、冷たい飲み物が飲みたくなると思います。しかし、冷たいものは胃腸の調子を崩してしまいやすいので、毎日冷たい物ばかり飲むことは考えものです。できることなら、ホットでいただきましょう。
また、甘酒はお砂糖のかわりにも使えますので、調味料として使ってもOKです。
夏はキッチンに立つのがしんどい季節ですが、食事が適当になればなるほどバテやすくなります。しっかりケアをすることで秋冬に不調が出にくくなるともいわれていますので、今回ご紹介した食材を味方につけてみてくださいね。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口ゆうみ
自ら抱えていた不調を、薬膳に出合い克服したことをきっかけに、同じ悩みを抱く女性の助けになりたいと思い、スクール歴代トップ5に入る成績で資格を取得。体質カウンセリング、レッスン、イベント開催の他、薬膳コラムも執筆中。簡単にできる薬膳の知恵をお届けしています。)
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【参考】
※日本中医食養学会 編・国立北京中医薬大学日本校 仙頭正四郎 監修「現代の食卓に生かす『食物性味表』改訂2版 上製」(2014年)燎原書店