筆者はYOGAスタジオやスポーツクラブなどで指導をしておりますが、「股関節が硬いことが悩みです」と生徒さんからよく質問をいただきます。
YOGAエクササイズディレクターの筆者が、股関節が硬くなる原因と改善のポーズをご紹介します。
■股関節の柔軟性は「ハムストリングス」がポイント
そもそも股関節が硬いというのは、「骨盤(寛骨)」と「大腿骨(太ももの骨)」をつなぐ関節周りが硬い状態をいいます。主な原因に、運動不足や加齢などによる筋力低下と柔軟性の低下が考えられます。
また、多くの人があぐらをかいた時にひざが床につかないことをとても気にしますが、必ずしも床にひざがつく必要はありません。ですが、「ひざを床につけたい」と思う人は、あぐらの状態から足の裏を合わせ、ひざをパタパタと上下に動かして臀部とハムストリングスをほぐすことがおすすめです。
「足裏を合わせることさえつらい」という人もいると思いますが、ハムストリングスの柔軟性をとり戻すことが大切です。
「ハムストリングス」とは
ハムストリングスとは1つの部位を指すのではなく、太ももの裏にある3つの筋肉の総称のことをいいます。この3つの筋肉は、「大腿二頭筋(だいたいにとうきん 短頭・長頭)」「半腱様筋(はんけんようきん)」「半膜様筋(はんまくようきん)」です。
骨盤ともつながっているハムストリングスの柔軟性が失われると、股関節の動き(足を前後・左右に動かすなど)も小さくなってしまいます。ですから、ハムストリングスが硬い人は、前屈が苦手な人が多いでしょう。
ストレッチやヨガの実践中は、常にハムストリングスの3つの筋肉をほぐしている意識を持つと格段に効果があがります。ハムストリングスがほぐれて臀部のこりが改善されると、腰痛改善にもつながります。
ぜひ、筋肉のつながりをイメージしながら実践してみてください。
■「ベイビークレイドル」で股関節を柔軟に
ご紹介するポーズは、お尻から太腿裏などをほぐす効果が絶大です。
動作中に背中が丸くならないよう注意しながら、骨盤を立たせて臀部の筋肉をゆっくり伸ばすように意識してください。股関節は球体の関節なので、大げさなくらい大きな円を描くように動かしましょう。
期待できる効果
お尻をほぐし、股関節周辺の可動域を広げます。ハムストリングスやふくらはぎのストレッチによる腰痛・疲労の改善効果が期待できます。
実践回数&期間
3週間トライしてみてください。必ず変化を感じられるようになります。
注意する点
ひざを痛めている人や股関節に痛みを感じる人は、無理のない範囲で動作してください。
「ベイビークレイドル」のやり方
(1)左ひざを床につけ、右ひざを立てます。両手で右足裏に手をそえます。30秒ほど呼吸を繰り返しながら、徐々に背骨を伸ばして骨盤を立てます。
(2)そのまま右足を床からはなし、ひざの高さを目安に引き上げます。その状態で、10呼吸ほど繰り返しましょう。この時、背中が丸まって腰が後ろに倒れないように注意してください。
(3)さらに、ひざ(股関節からひざまで)を大きく左右前後にゆする、回すなどをして、ハムストリングスからお尻周りをほぐします。
(4)スネを胸の前に引き寄せ、股関節を広げます。一度大きく息を吸いながら背骨を伸ばし、息を吐きながらスネと胸を近づけて10呼吸キープしましょう。反対側も同様に動作してください。
初めてこのポーズを行うと「全然できない!」と思うかもしれませんが、継続することで筋肉の柔軟性をとり戻していきます。ぜひ、時間のある今だからこそ、習慣にしてみてください。
(株式会社ボディクエスト YOGAエクササイズディレクター 森和世)
【関連記事】
・テレワークの合間に座ってできる!下腹引き締めトレーニング
・年齢不詳ボディに!痩せ体質に導く「腸腰筋エクササイズ」
・おこもり中にトライ!全身の筋力をアップして引き締めるヨガ
・20分歩くだけで美ボディに!効果アップのポイント4つ