美容家・石井美保さんのスペシャルインタビュー3回目は、40代以降が実践するべき鏡の見方や、毎日のスキンケアへの向き合い方などについてお伺いします。素敵に年齢を重ねるヒントが満載です!(つやプラ編集部)
人からの意見を前向きに聞いて、自分を磨くきっかけに
ーーインタビュー1回目のクレンジングのお話に、スキンケアを考えることは自分を見つめ直すことでもあるとありましたが、石井さんは常にご自身を客観的に捉えて、その時々に必要なケアを的確に選んでいる印象があります。自分のエイジングサインからは、つい目をそらしたくなってしまいますが、自分を客観的に見るにはどうしたらいいのでしょうか?
私が自分自身を客観視できるのは、サロンで多くのお客様に接して肌を見て、膨大なデータが頭の中にあるからかもしれません。
それ以外で言えることとすれば、結構、他の人の意見を聞きますね。
SNSをやっているので、「石井さん、口角が下がってて残念な顔ですね」というようなコメントを頂いたりもするんです。
でも、それに傷つくのではなくて、「ああ、パッと見た時に皆さんが気になるのはそこなんだ」と思って、「じゃあ、それを改善していこう! 改善するにはどうしたらいいんだろう?」と考えるんです。
ーーすごい! 嫌な気持ちになりそうなコメントも前向きに捉えるんですね。
人の意見をネガティブに捉えて傷ついて、自分の負の財産にするのではなくて、せっかく言ってもらえたから、そこを磨いて、一段階さらに良くなろう! としか思わないんです。
もしかしたら、ちょっと嫌がらせでコメントされていることもあるかもしれないのですが、「教えてくれてありがとう」と思って、そこに向き合うというメンタルなんです。
ーー自分ではなかなか気づけないことを教えてもらったと思えばいいんですね!
そうなんです。例えば、「ここのシミが〜!」と自分が気にしていることばかりに目が行きがちですが、実はそのシミは誰も見ていなかったりしますよね。
人はパッと見た全身の膨大な情報から、相手のことを判断するので、そんなに細かいところまで見ていないし、印象に残らないんですよね。
他人のシミの数を数えて覚えている人なんて絶対にいないんですが、本人はすごく気にしていて。
でも、もしそれを改善したとしても、誰からも気づかれないかもしれないんですよね。そのシミを取ったとしても、「そんなところにシミあったっけ?」って言われたり。
ーー実際にありますね、そういうこと。
であれば、それよりももっと、自分の印象を左右するようなことに目を向けた方がいいかなと思いますね。
私の場合は、カメラマンさんから「もっと口角を上げてください」「思いっきり笑ってください」と言われたことがあって、仕上がった写真を見ても口角が下がって不幸そうに見えたことがあったので、上げる努力をしようと思ったんです。
それで、以前「つやプラサプリ」でもご紹介した「にっこり固め」を考えて、毎日2分欠かさず行うようになりました。
40代以降は「拡大鏡」より「合わせ鏡」で自分をチェックして!
ーー「にっこり固め」の誕生秘話ですね! ところで、石井さんが鏡を見る時に意識してチェックしていることはありますか?
鏡を見る時に気をつけていること、というか鏡そのものの話なのですが、2倍や3倍、10倍で見える鏡がありますよね。あれは一生見なくていいとお客様などにはお話しています。
ーー一生ですか!?
そうです、一生! あの鏡で見えるような距離で人から肌を見られることは、一生ないじゃないですか。
その見え方を気にする必要って1ミリもないから、あの鏡を持っているなら、もう封印してください! 私は見なくていいと思います。
ーー鏡を見る場所でも、見え方が違いますよね。肌がきれいに見える場所とすごくアラが目立つ場所と。
私は、自分のアラ探しをするための鏡を持つ必要はないと思っています。なぜなら、そのアラまで見えるほど、誰もそこまで凝視しないと思うので。
鏡もクオリティによって映りが違うので、なるべく自分がキレイに映る鏡で見るといいと思います。
あと、つやプラ世代にぜひやってもらいたいのが「合わせ鏡」!
合わせ鏡で見てみると、笑った時のフェイスラインのもたつきや、こめかみのザラつきなど、自分が全然気にしていなかったことに気づくんです。
いつもは正面からしか鏡を見ていない上、2倍3倍に見える拡大鏡で見ているとシミやシワ、毛穴ばかりが気になりますが、それよりも、人から見られるのは、ふとした瞬間の横顔や斜め後ろからの顔がほとんど。
どの角度から見てもキレイでいたいなら、合わせ鏡をぜひとも取り入れてもらいたいですね。
ーー石井さんは横顔も美しいですが、その秘訣は合わせ鏡だったのですね!
1日1回は合わせ鏡で確認をしますね。そうすると、眉尻の角度がおかしいとか、気づきがあるんですよね。
正面からだけ見ていると、眉尻の角度はチェックできないから、眉尻がおかしい人がすごく多いなと思います。
私も、いつもの感じでチャチャッと描いて済ませて、あとで合わせ鏡で見てみると、眉尻がおかしいぞっていう時があります。
そういう時は、いったん合わせ鏡で眉尻をしっかり作ってから、正面で見て、色々な角度からも見て、「いつも描いているより、もう少しこういう角度なんだな」って確認するということを、たまにやっていますね。
毎日のこつこつケアは肌の落ち込みストレスを回避する最善策
ーー石井さんはとてもきちんとしていて、ストイックなイメージがあるのですが、「もう何もしたくない!」みたいになる事はありますか?
実際は全然ストイックじゃないですよ! でも、スキンケアに関しては、「めんどくさい!やりたくない!」と思うことがないんですよ。それがストイックと言われる理由かもしれないですね。
なぜ「やりたくない」と思わないかというと、40代になると若い頃と違って、一旦手を抜いてしまうと立て直すのは難しいけれど、崩れるのは早いじゃないですか。それを立て直すときのストレスの方が圧倒的に大きいなと。
私はすごい効率主義なので、ここでサボって後で苦労してイライラするくらいなら、絶対にいつも通りにケアしておいた方が、精神衛生上良いと思っちゃうんです。だから、ケアをすることに億劫さを感じないんですよ。
ーーしない方が後々が億劫ということですよね?
その時ケアしないで起こることを考えると、すごいストレスだなと思って。そう思うと、全然眠くてもできるし、疲れていてもできるんです。
40代以降は「やらかしがちなこと」に備えたレスキューアイテムを常備して
ーー以前、石井さんが「うっかりメイクをしたまま寝ちゃうことがある」とお話しされていて、石井さんでもそんなことあるんだ思って、すごく衝撃的でした。
メイクしたまま、うっかり寝ちゃうくらいのことは、意外とそんなにマイナスだと思っていなくて。
昔はすごい脅し文句があって、「ファンデを塗って寝てしまったら、5歳は老ける」とか言われていましたよね。
でも、今はそんなに肌に負担になるファンデーションってほとんどないから、塗ったまま寝ちゃっても、ずっと保湿されていたから調子がいい、みたいなことがあるくらいなんです。
もちろん良いことではないから、しない方がいいですが、メイクを落とさずに寝ちゃったからといって落ち込んだり、どうしよう…って焦ったりはしないですね。
でも、例えば、シートパックをしたまま寝ちゃったとか、メイクを落として洗顔をして、何も塗らずに床暖の上で寝ちゃったとか。そういう時はそれなりの肌ダメージが翌日あるので、そういうことはしないように気をつけています。
でも、メイクしたまま寝ちゃうくらいは、翌朝にスペシャルクレンジングをすれば、むしろいつもより調子がいいくらいです。
ーーそうなんですね!
ただし、落とさないで寝ても良いという推奨ではなくて、一晩落とさなかったからって慌ててパニックにならなくても良いよ、ということです。
もちろん肌質にもよるので、ニキビができやすい人はメイクが酸化して、皮脂でベタベタになることによって翌朝ニキビができてしまうことがあると思うので、絶対にメイクしたまま寝ない方がいいと思います。
ーーメイクをしたまま寝てしまって、いちいち落ち込むよりも、ポジティブに考えて、そんなに気にすることじゃないということですね。
たまには、それくらいはいいかなと。うとうと寝ちゃう時ってありますよね。メイクも落とせずに。それで、あー! って明け方に起きるっていう…
ーー確かにありますね…
人間だからそういうこともたまにはあって、でも、翌朝いつもより丁寧にメイクを落として、一旦毛穴をクリアにしてあげれば、それでいいんじゃないかなあと。そういう時用に、スペシャルなクレンジングクリームを持っています。
いつも使うわけではないけれど、メイクしたまま寝てしまった時に「じゃあ、とっておきのもので肌を労ってあげよう」とできるように常備しておけば、「あれがあるし大丈夫」って思えますよね。
そういう、「困った時用のちょっとスペシャル」なもの、デイリーに使うものじゃないけれど、困った時はあれがあるから大丈夫って思える、自分のやりがちなケースバイケースに備えたレスキューアイテムのようなものを持っておくといいと思います。
アラフィフにもなれば、今まで生きてきた経験から、自分なりのケースバイケースがあるはずなので、そこに一番最適なスペシャルなものをひとつ持っておくというのは、精神衛生上とてもいい気がします。
ーーまさに、備えあれば憂いなしですね! 次回は、石井さんが50代に向けて目ざしている理想の肌についてお伺いします。
【『一週間であなたの肌は変わります 大人の美肌学習帳』紹介】
45歳にしてシワなし、たるみなし。透明感あふれる美肌と美貌を保ち続ける美容家・石井美保さんが現在の美肌にたどり着くきっかけとなったのが、徹底してこすらない「摩擦ゼロ洗顔」。その洗顔法を中心に毛穴悩み、シワ・たるみ・ほうれい線悩みを改善するスキンケア法など“石井メソッド”を単純明快に伝えます。いくつからでも美肌は目指せる!誰でもできる、毎日できる、一生モノのスキンケアメソッドです。
【石井美保さん プロフィール】
美容家
1976年生まれ。2005年より麻布十番でまつ毛サロンを経営し、アイリスト育成の傍ら、豊富な美容知識を生かしたメイクレッスンや美容カウンセリング、パーソナルコンサルティングなどを行う。エイジレスな美貌と美容に関する深い知識を生かし、現在は美容家としても多方面で活躍中。著書に『一週間であなたの肌は変わります 大人の美肌学習帳』などがある。Instagram:@miho_ishii
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