まだまだ寒い日が続いていますね。「下腹部を触ると冷たい」「手足が冷たくてぐっすり眠れない」「手足は冷たいのに頭がほてる」といったことで悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
薬剤師の筆者が、40代~50代に多い冷えの原因と冷え対策におすすめの漢方を3つご紹介します。
■40代~50代に多い冷えの原因
冷えは「全身型」「四肢末端型」「内蔵型」「下半身型」などのタイプがあります。原因は人それぞれ異なりますが、40代~50代に多い冷えの主な原因は「内臓型」が挙げられます。
腰やおなか等の身体の深部が冷えると身体全体の血流が悪くなりやすく、代謝や免疫力の低下を引き起こす場合があります。また、40代~50代は更年期を迎える時期でもあるので、ホルモン量の低下も関係して「手足は冷たいのに頭がほてる」といった”冷えのぼせ”の症状が出る場合もあります。
■冷え対策におすすめの漢方3選
漢方は、ひとりひとりの体質や症状に合わせて選ぶ必要があります。実際に服用する場合は医師や薬剤師に相談することをおすすめしますが、一例として冷え対策に向く漢方を3つご紹介します。
(1)当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
足腰の冷えやむくみ、生理不順があるタイプにおすすめなのが「当帰芍薬散」です。女性によく処方される漢方のひとつで、更年期症状にも適した漢方です。
痩せていて体力のない人に向いています。
配合生薬
当帰(トウキ)・川芎(センキュウ)・芍薬(シャクヤク)・茯苓(ブクリョウ)・蒼朮(ソウジュツ)・沢瀉(タクシャ)
(2)温経湯(ウンケイトウ)
ほてりに加え、腰から下の冷えを強く感じる人におすすめなのが「温経湯」です。更年期症状や生理不順などの婦人科系の不調に用いられる漢方です。
足腰の冷えとほてり、唇の乾燥が気になる人に向いています。
配合生薬
麦門冬(バクモンドウ)・半夏(ハンゲ)・当帰(トウキ)・甘草(カンゾウ)・桂皮(ケイヒ)・芍薬(シャクヤク)・川芎(センキュウ)・人参(ニンジン)・牡丹皮(ボタンピ)・呉茱萸(ゴシュユ)・生姜(ショウキョウ)・阿膠(アキョウ)
(3)人参湯(ニンジントウ)
お腹が冷えるタイプで、胃腸が弱く下痢をしやすい人におすすめなのが「人参湯」です。胃腸の働きをよくして身体を温める漢方です。
虚弱体質の人に向いています。
配合生薬
人参(ニンジン)・甘草(カンゾウ)・蒼朮(ソウジュツ)・乾姜(カンキョウ)
漢方はドラッグストアや漢方専門店などで購入することができます。体質によりご自身に合う漢方が異なりますので、薬剤師に相談してから服用するかを決めてくださいね。
(薬剤師/抗糖化美容研究家 花田 真理)
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