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老化の加速を防ぐために食べたい身近な食材&食べ方

インナービューティー料理研究家
國塩亜矢子

プロフィール画像(國塩さん)

冬の寒さと春先の温かさが混在するこれからの時期は、気温差や湿度の変化で無意識の間に肌や身体にストレスがかかりやすく、身体のリズムも乱れがち。ストレスや疲労は老化の原因にもつながってしまいます。

老けない食材

インナービューティー料理研究家の筆者が、老化の加速を防ぐためにも毎日食べたい「身近なアンチエイジング食材」と、更年期対策やうるおい作りにも欠かせない「良質なオイル」のとり入れ方をご紹介します。

■更年期世代に「抗酸化力」が必要な理由

細胞老化の原因につながる活性酸素の働きを抑え細胞を守る力を「抗酸化力」といいます。人間の身体に本来備わっている力ですが、残念ながら加齢や日々のストレス、栄養や睡眠不足などのさまざまな要因によって低下していきます。

なので、抗酸化力の高い食材を日々の食事にとり入れることは老化対策のために欠かせません

■更年期世代に「良質なオイル」が必要な理由

オイルや脂質と聞くと「高カロリー」「太る」といったイメージをもつ方もいらっしゃると思います。揚げ物の残り油などの酸化した油は美容と健康にNGですが、「良質な脂質」は身体にとって必要です。

良質な脂質は、私たちの肌のうるおいや髪のツヤなどを生み出す材料となるほか、女性ホルモンをサポートする栄養素です。日中の活動力になる重要なエネルギー源でもあります。

更年期世代は、ホルモンバランスの変化から髪のツヤが気になりはじめるお年頃です。オイル抜きよりも、「良質なオイルを味方につけた食生活」を意識して身体の内側からキレイを磨く工夫をしましょう。お気に入りのオリーブオイルやごま油などを探すことも楽しいものです。

■抗酸化力を効率よく上げるためのポイント

抗酸化トリオ「ビタミンエース(ACE)」のマリアージュ

「ビタミンA」「ビタミンC」「ビタミンE」は”抗酸化トリオ”と呼ばれるくらい、高い抗酸化力をもつビタミンです。これらを単体で摂るよりも、組み合わせることにより相乗効果で抗酸化力が高まると期待されています。

それぞれの主な働きは下記の通りです。

ビタミンA

粘膜や肌細胞を乾燥から守り、強くする働きが期待されています。

ビタミンC

コラーゲン生成やシミ対策など、美肌作りに欠かせない栄養素です。免疫力アップも期待できます。

ビタミンE

血流をサポートし、冷えを防いだり肌の血色をよくする働きが期待されています。「アンチエイジングビタミン」と呼ばれるほど抗酸化力が高いことで注目されています。

ビタミンの性質を知って無駄なく摂取

同じビタミン群でも特性がそれぞれ異なります。ビタミンAやビタミンEは脂溶性なので、油と合わさることで身体への吸収率が高まります。熱にも強いため、良質なオリーブオイルでさっと炒めるなどの調理に向いています。

逆に、ビタミンCは加熱に弱く水溶性で水に溶けだしやすいため、サラダやジュースなど生食の方が無駄なく摂取することができます

■抗酸化力の高いアンチエイジング食材とおすすめの食べ方

通年手に入りやすく抗酸化力が高い身近な食材をご紹介します。美容と健康のために常備しておきたい食材です。

トマト

抗酸化成分の「リコピン」が豊富です。油脂類と合わせることで身体への吸収率が上がります。スライスしたトマトにお好みの葉野菜やチーズなどを合わせ、オリーブオイルを回しかけると美味しく手軽にいただくことができます。

赤パプリカ

抗酸化作用の高いビタミンACE(エース)を全て含んでいます

乾燥が気になる時はオリーブオイルでさっとソテーにし、美肌対策や免疫力アップを狙いたい時はスティック状に切って生のままサラダ感覚でいただきましょう。その時々のお悩みに合わせた食べ方を楽しんでください。

ブロッコリー

食物繊維が豊富で満腹感を得やすいブロッコリーは、抗酸化作用の高いビタミンACE(エース)も全て含んでいる優秀食材です。特に、ビタミンCが非常に豊富に含まれています。茹でる際に多少流出するものの、それでもかなり多くのビタミンCが残るのであまり気にしなくてもOKです。

ブロッコリーをゆでる際は、小分けに切って塩を加えた熱湯でさっと2分ほど茹で、ざるにあげましょう。水はかけずに湯切りしてください。水をかけてしまうとビタミンCが損失されるだけではなく、食感も悪くなりやすいので注意してください。

サーモン

抗酸化成分「アスタキサンチン」や、不足しがちな良質なたんぱく質を豊富に含んでいます

先ほどご紹介した赤パプリカやスライスしたトマト、茹でたブロッコリーと一緒にホイル焼きにすると、手軽に抗酸化力の高い一皿が完成します。仕上げに良質なオリーブオイルを回しかければ完璧ですね。

オリーブオイル

オリーブの実から作られるオリーブオイルは、ビタミンEが非常に豊富です。近年さまざまなオイルが話題になっていますが、やはり普段ご家庭での料理に合わせやすく入手しやすいオリーブオイルがおすすめです。

香り高いEXV(エクストラヴァージン)オリーブオイルは、ドレッシングのかわりやパンにつけるなどの生食に向いています。その他種類のオリーブオイルは加熱調理にと、使い分けてみましょう。

これからの時期は菜の花やいちごなども「ビタミンACE」が豊富なのでおすすめです。香り高いごま油もごま独特の抗酸化成分が豊富です。ご紹介した抗酸化食材を他の食材と合わせ、良質なオイルで野菜を素揚げにしたりアヒージョや炒め物などにするだけでも十分美味しいですよ。ぜひお試しください。

(インナービューティー料理研究家 フードコーディネーター 國塩 亜矢子)

 

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【参考】
※吉田企世子・松田早苗/監修(2016年)『あたらしい栄養学』高橋書店
※上西一弘/著(2016年)『栄養素の通になる』女子栄養大学出版部
※板木利隆/監修(2008年)『からだにおいしい 野菜の便利帳』高橋書店
※吉田企世子/監修(2016年)『旬の野菜の栄養辞典』エクスナレッジ
※蒲池桂子/監修(2010年)『美肌美人栄養学』エクスナレッジ
※三輪正幸/監修(2012年)『からだにおいしい フルーツの便利帳』高橋書店
※伊達友美/著(2010年)『食べる美女肌セラピー』エクスナレッジ
※田中敬一・原田都夫・ 間苧谷徹/著(2016年)『科学的データでわかる 果物の新常識:ガン・心臓病・脳卒中・認知症を寄せつけない 知られざる果物の機能性』誠文堂新光社
※斎藤糧三/監修(2016年)『スーパーフード事典 BEST50』主婦の友社
※白澤卓二/監修(2018年)『医者が教える最強の食事術』宝島社
※平田 雅子/監修(2010)『不調をなおしてキレイになる 女性ホルモン基本事典』成美堂出版

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