夏の洗髪後のヘアドライヤーは、熱いし汗はドッと出てくるしで、なるべくなら使いたくないものです。でも、自然乾燥や扇風機の風で適当に乾かすと、髪のパサつきや広がり、ゴワつきなどが現れて、たちまちまとまり感のない毛髪へと劣化してしまいます。
そのため、夏でもきちんとドライヤーで乾かすことが必要です。
ヘアジャーナリストの筆者が、夏の面倒なヘアドライヤーをスピーディに仕上げる「プロ直伝の速乾術」について、美容師に取材しました。
■扇風機ドライはなぜ髪がバサバサになるのか?
暑い夏は、ドライヤーを使うのが面倒な季節。つい扇風機やエアコンの風の前で適当に乾かそうとしがちです。
でも、冷たい風は美髪の天敵! 洗髪後の濡れた髪はキューティクルが開いているため、肌でいうならキメの粗い状態です。これを引き締めてくれるのが温風。逆に冷風だけではキューティクルが閉じないため、見た目がバサバサになる上、髪内部の栄養も外へ流れてしまいます。
そのため、髪を洗ったらすぐに温風で乾かすことが、美髪作りには欠かせません。
■夏におすすめ!人気美容師が教える「時短ドライ法」
少しでもドライヤー時間を短縮したいこの時期、効率的な乾かし方について、ヘアサロンMAGNOLiAのデザイナーSHINさんにうかがいました。
「髪を早く乾かすポイントは大きく3つあります。ひとつはタオルドライ、次に乾かす優先順位、さらにドライヤーの動かし方です。あと、洗面台でドライヤーを使う方がいますが、湿度が高いためオススメしません。夏場なら冷房の効いた部屋など、湿度が低いところで乾かしましょう」
「濡れた髪の上にタオルをのせてドライヤーを当てるというワザを聞きますが、これはタオルによって髪内部に熱がこもることで効果的に温まるからです。理にかなったワザですが、大人の髪の場合、クセや細毛などの悩みを抱えた場合が多く、このやり方ではうねったりボリュームが出なかったりして、スタイルがきれいに決まりにくいのが難点ですね」
SHINさんによると、「ただ早く乾かすことだけにフォーカスせずに、髪のしなやかさやボリュームもキープしながら時短ドライをすることが、大人髪には必要」とのこと。そこで、具体的なポイントをうかがいました。
(1)タオルドライは根元を中心に
「お風呂場でしっかり水気を絞ったら、まずは頭全体の頭皮を乾かす感覚で、タオルドライをします」
「根元側は最も髪が乾きにくく、水分がたまったままではどんどん毛先に流れ落ちてしまいますから、優先的にタオルを当てましょう」
「中間から毛先は髪も細く繊細なので、タオルで毛束を包むようにして、上から優しくポンポンと挟んで行います」
(2)地肌と根元に風を送り込む
「ドライヤーは必ず温風にし、まずは乾きにくい根元を乾かします。単に上から熱を当てても、表面以外は湿った状態のままになり、効率が悪いです。また、内側の水分が残っていると、最終的にペタンとしたりうねりが出たりしてしまいます」
「ポイントは、毛束を指で挟んで根元を引き起こしながら乾かすこと。内側にも温風が入り込んで、速乾力が増しますし、トップのふんわり感も実現します」
(3)ドライヤーは円を描くように
「根元を起こしながら乾かす際、ドライヤーの動かし方にもポイントがあります」
「頭部から20センチほど離し、大きく円や“の”の字を描くようにドライヤーを回すと、風が頭部全体に均等に回るので、乾き残しが防げます」
(4)下を向いた状態で首&耳まわりの毛束をドライ
「次に下を向き、髪も前方に垂らして内側を乾かします。特に耳後ろと襟足の辺りは毛量が多く乾きにくいゾーンですから、手ぐしを入れながら重点的に行いましょう」
「内側をしっかり乾かさないと、いつまでも半乾きの状態が長くなって時間がかかりますから、このプロセスを踏まえるのがおすすめ。ボリュームも出やすくなります」
(5)全体を整えるようにブロー
「最後に全体を整えるように、ブラシを入れながらブローをしましょう。9割程度乾いた段階で冷風を当てると、キューティクルがより引き締まりますし、暑い時期のクールダウンにもなります」
以上、夏の暑い時期に素早く髪を乾かす方法を紹介しました。SHINさんが言うように、ただ早く乾かすだけではナンセンス。シルエットや質感が乱れていては、身だしなみが整っていない印象になってしまいます。髪のツヤやしなやかさ、そして適度なボリューム感をキープするなど、大人髪に適した手順やテクニックを身につけたいですね。
(ヘアライター&ヘアジャーナリスト 小澤 佐知子)
【SHINさん プロフィール】
ヘアサロンMAGNOLiA omotesando 代表。多くの大人女子を顧客に抱える表参道の人気美容師。女性誌や美容系WEBサイトにもヘアデザインを提案、取材依頼も多く、特にパーマスタイルとヘアケアで作るボリュームアップヘアやエイジング毛の改善に定評がある。
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【取材協力】
※MAGNOLiA