アマランサス、キヌア、きび、あわ、ひえ、黒米、赤米、押し麦、はと麦……などなど、今話題の雑穀は、ここ10年で一気に、気軽に取り入れられる身体にやさしい食品として浸透しています。

さらに昨今では、シリアルやグラノーラ、クッキー、ケーキなど、様々なスイーツが販売されていますが、中にはそのパワーや栄養が充分でないものも多いよう。

雑穀マイスターである筆者が、雑穀スイーツの選び方を紹介します。

■雑穀とは？

雑穀とは、主要穀物の米、小麦、トウモロコシ以外の小粒穀物の総称で、代表的なものには、ひえ、あわ、きび、そばなどがあります。昨今は、古代米と呼ばれる黒米や赤米なども雑穀に含む場合も。雑穀は、米と異なり、厳しい気候風土の環境下でも育ち、その生きる力に大きな栄養価が含んでいるとされています。

低カロリーで高い栄養価を誇る雑穀

実際、雑穀は、エネルギー面では主要穀物に比べて低カロリーであるにも関わらず、ミネラル分や食物繊維、ビタミン、アミノ酸数値など様々な面で 良質で高い栄養価を誇っています。栄養価が偏りがちだった昔の方や、南米などの栄養分が摂りづらい地域では現在でも主食として栄養豊富な雑穀が食べられています。それほど優秀な穀物であると言えます。

■今話題の「トレンド雑穀」3つ

(1)アマランサス

美の秘訣として女優やモデルも食していると話題の雑穀。他の雑穀に比べてもたんぱく質やミネラル分が非常に多く、特にカルシウムは白米の30倍以上と、大変良質なスーパーフードとして人気です。アンチエイジング、美肌・美髪、様々な面で女性にうれしい雑穀と言えます。国内では、岩手で多く栽培されています。

(2)キヌア

中南米原産の雑穀で、アマランサスと二分するほどの高い栄養価を誇る雑穀。NASAが21世紀の主食となりうるスーパーフードと発表したほど、世界中でその栄養価が認められています。鉄分や食物繊維を多く含み、貧血気味やダイエッターの方にオススメ。特に、血圧が高めの方には摂ってほしい雑穀です。国内では栽培されていません。

(3)豆

青大豆、気大豆、黒豆、小豆など様々な種類の大豆がありますが、大豆も実は雑穀の一種。昔から畑の肉と言われるほど、非常に質が高いたんぱく質に富んでおり、食物繊維も豊富です。アミノ酸バランスも良質で消化吸収力も抜群なので、カロリーを抑えながら、しっかりと栄養価を摂ることのできる雑穀であると言えます。さらにイソフラボンというポリフェノールの一種が含まれており、アンチエイジングに効果が期待できます。

■正しい雑穀スイーツの選び方2つ

雑穀の配合量をチェックして！

様々な雑穀スイーツが販売されていますが、選ぶ際のポイントとなるのは、「雑穀が入っている量」。雑穀ケーキやクッキーはとても美味しくて食べやすいのですが、多くは粉末が使用されており、小麦粉や砂糖の割合が多ければ多いほど、雑穀の栄養価は充分でなくなってしまうことも。購入する際は、成分表示をチェックして、雑穀の配合量が多い商品を選ぶことをオススメします。

雑穀を「そのまま加工」しているスイーツを選んでみて！

たとえば、雑穀スイーツで最もオススメなのが、丸ごと雑穀の栄養価を摂ることができるポン菓子やグラノーラ、シリアル。雑穀をそのまま加工しているので、栄養価をすべて摂ることができ、食べながら身体の調子を整えてくれます。中でも、大麦の入ったポン菓子やシリアルを選べば食物繊維も豊富で、お腹の調子を整え代謝を促してくれるので、オススメできます。

市販されている様々な雑穀スイーツ。しっかりと見極めて、より賢く雑穀を選びましょう。

（雑穀エキスパート／雑穀マイスター　澁谷梨絵
日本で唯一の穀物のプロフェッショナル資格（５ツ星お米マイスター、ごはんソムリエ、雑穀エキスパート、薬膳インストラクター、雑穀マイスター、発酵食スペシャリスト)を持つ女性米屋。米・雑穀・麹の専門家。）

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【参考】
※小谷部理加著（2014）『雑穀マイスター資格取得講座テキスト』（キャリアカレッジジャパン）