カロリーや糖質が高いと思われがちなトウモロコシですが、実はダイエットに活かせる食材です。
管理栄養士の筆者が、トウモロコシの栄養効果や、ダイエットに効果的な食べ方をご紹介します。
■ダイエット効果がある?トウモロコシの栄養効果とは
疲労回復効果
トウモロコシには、糖質の代謝に関わる「ビタミンB1」が多く含まれています。
糖質をエネルギーに変換するのをサポートすることから、体に乳酸が溜まりにくくなり、疲労が溜まりにくいとされています。
そのため、夏バテ予防におすすめです。
また、摂取した糖質を効率良くエネルギーに変えるため、ダイエット効果も期待できますよ。
便通改善
トウモロコシには、不溶性食物繊維の「セルロース」が含まれています。
セルロースは腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあるため、便通を良くする作用が期待できます。
便通が良くなると、栄養素の消化・吸収率が良くなるため、代謝の良い体づくりにも役立ちます。
また、食物繊維が豊富に含まれることから、血糖値の上がり具合を示す指標「GI値」はご飯やパン等に比べて低い「中程度」であるため、ダイエットに向いているといえます。
血行促進効果
トウモロコシには、若返りビタミンとも呼ばれる「ビタミンE」も多く含まれています。
ビタミンEは、血管を広げて血流を良くする働きがあるため、冷え性の改善や新陳代謝を活発にすることが期待できます。
■ダイエットにも◎トウモロコシの効果的な食べ方
カレー粉と組み合わせる
カレー粉には、さまざまなスパイスが含まれていますが、その一つである唐辛子には、辛味成分である「カプサイシン」が含まれています。
カプサイシンは、エネルギー代謝に関わるホルモンの分泌を促して、脂肪を燃やすのをサポートする働きがあるため、ダイエットに役立つ成分です。
また、カレーに多く使われている「フェヌグリーク」というスパイスは、血糖値や血中中性脂肪の上昇を抑える働きがあるのだそう。
そのため、ダイエット効果が高いカレー粉と組み合わせて、「とうもろこしのカレー粉炒め」や「カレー粉風味の焼きとうもろこし」などのメニューでいただきましょう。
汁ものにする
トウモロコシに含まれる「ビタミンB1」は、水溶性の栄養素。
水に長くさらしたり、茹でることで流出しやすいといわれています。
そのため、「汁もの」にすることで、ビタミンB1を無駄なく摂取することができます。
トウモロコシは、味噌汁や中華スープ、ポタージュスープなど、和洋中どんなスープにしても美味しくいただけるのも、嬉しいポイントかと思います。
スープにする際には、血行を良くする働きがある「生姜」や「トマト」をプラスすると、より代謝が良くなり、ダイエット効果を高めることができますよ。
発酵食品と組み合わせる
トウモロコシに含まれる食物繊維は、「プレバイオティクス」といい、腸内で善玉菌のエサとなります。
一方で、納豆菌や乳酸菌は善玉菌そのものであり、「プロバイオティクス」といいます。
プレバイオティクスとプロバイオティクスを同時に摂取すると、「シンバイオティクス」といい、腸内環境を整える効果が最大限に発揮されるのだそう。
腸内環境を整えることは、代謝の良い体づくりにもつながるため、ダイエットにも効果的です。
トウモロコシと納豆を和えて、亜麻仁油またはごま油をひとまわしすれば、シンバイオティクス効果を得られる副菜が簡単に出来上がります。
キムチとトウモロコシを和えるのも、おすすめですよ。
もの足りなさを感じる場合は、豆腐や枝豆など、タンパク質が多い食品を加えると腹持ちが良くなるため、ぜひ試してみてくださいね。
実はダイエット効果が高い、トウモロコシ。そのまま食べても美味しいですが、料理にも取り入れて、夏のダイエットに役立ててみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※とうもろこし – わかさの秘密
※低GI値の食品がおススメ – 東京月島クリニック
※カプサイシン – わかさの秘密
※スパイスによるメタボリックシンドローム予防の可能性(PDF) – ハウス食品
※シンバイオティクスとは – サンスター
※板木利隆 監修『からだにおいしい野菜の便利帳』(2010年)高橋書店