海外セレブもカミングアウトしている「オルトレキシア」をご存じですか? スーパーフードや発酵食品など、美と健康に関わる食品がブームですが、美と健康にストイックになりすぎると、かえって腸内フローラやお肌の状態を悪化させてしまうことにもなりかねないようです。
■オルトレキシアってなに?
「オルトレキシア」とは「健康にいいものだけ」を食べ続け、結果として栄養バランスが崩れ、体調に悪い影響を及ぼす現象のこと。スムージーもジュースクレンズも1日程度ならば、身体に蓄えられた栄養が不足分を補うので栄養不足になることはありませんが、数日行えば、栄養バランスが崩れる可能性も。またスーパーフードなども栄養価が高いとはいえ、それだけ食べていては、やはり栄養が偏ってしまいます。「身体にいいものだけを食べたい!」という意識もいいのですが、いきすぎるとかえって体に毒になるということです。
■オルトレキシアが引き起こす不調3つ
(1)ストレスで汚腸に
「身体にいいものだけ食べなきゃ」というストレスは、腸内フローラに影響します。脳と腸は神経を通じて情報を共有しているため、脳が感じたストレスはなんと腸に伝わり、腸内フローラを悪化させる原因となるそう! また腸の動きは、リラックスした状態に強く働く副交感神経が司っていますから、ストレスを感じている交感神経優位な状態では、腸の動きも悪くなります。
(2)汚腸で肌荒れに
腸内環境が悪化すれば本来排出されるべき毒素や老廃物が血液に取り込まれ、皮膚からも排出しようとして、肌荒れを引き起こす原因となります。
(3)疲れやすい身体に
どんなに身体にいいものであっても、そればかりを食べていては栄養が偏ります。栄養が不足すれば、身体を動かすエネルギーが充分に作られず、おのずと疲れやすい身体に。
そのほか、腸内環境の悪化は、プチうつやアレルギー、肩凝りや腰痛の原因にもなるといわれています。過ぎたるは及ばざるがごとし。栄養バランスに気をつけて、上手に健康食品を取り入れたいですね。
(美養フードクリエイター 岩田 麻奈未)
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【参考】
※腸内細菌と脳腸相関(福岡医学雑誌 100(9):298-304,2009) – 九州大学大学院医学研究院心身医学分野 須藤信行(PDF)
※「腸内環境」を本気で見直す(MyAge 2016年春号) – 集英社