和食や中華はもちろん薬味や彩りにも使用され、毎日の食卓に欠かせないネギ。料理に合わせて、切り方や使い方をきちんと変えていますか? 実は少しの工夫で、ネギの長所をもっと引き出すことができるのです。今回は料理研究家の筆者が、「知っているようで知らない、ネギの切り方と使い方」についてご説明いたします。
■まずは切る前に下ごしらえ
(1)青い部分、根の部分は切り落とす
(2)外側が乾いているようであれば、1枚むく
下ごしらえを施してから、それぞれの調理にあった8つの切り方を、その特性を知って実践しましょう。
■使い分けたいネギの切り方8つ
1:ぶつ切り
丸太のように同じ長さに切りそろえることをいいます。焼き物、ねぎま鍋などに最適です。使用する料理によって幅を変えましょう。焼き物では、他の具材とのバランスもよく見て切るといいですね。
2:斜め切り
好みの厚さで斜めに切ります。鍋料理に最もよく使われる切り方です。斜めに切り込むことで表面積が広くなるため、味がよく染み込み、繊維が柔らかくなるという特性があります。
3:斜め薄切り
斜め切りを薄くした切り方です。好みにもよりますが、1〜2ミリ程度の幅で切るのが一般的。味が染みやすく、柔らかくなりやすいため、炒め物、味噌汁の具に適しています。
4:小口切り
繊維と垂直に、1〜2ミリ程度に薄く切ります。水にさらして、ぬめりがなくなるまで揉み、きちんと辛味を取り除きましょう。そばやうどんの薬味として使用するのがオススメです。
5:斜め千切り
縦に切れ目を入れて芯を抜いてから、斜めに千切りを行います。2〜3ミリほどの幅で切ることにより、シャキシャキとした食感を残すことができるため、トッピング用のネギに適した切り方です。白髪ネギのような見た目なので、時間がない時はこちらで代用すると手軽です。
6:みじん切り
繊維と並行に水平に切れ目を入れた後、垂直にも切れ目を入れ、最後に小口切りを行います。まな板の上で、さらに細くすることで、より風味を際立たせることができます。1〜2ミリ角に刻みましょう。タレなどに使用したい場合に最も適しています。
7:白髪ねぎ
5センチにぶつ切りにしたものを、縦に半分にしてから芯を取ります。外側を開いて重ねてから、少しずつ繊維と同じ方向に、幅が2~3ミリ程度になるように切っていきましょう。水にさらしてザルに取り、水気を拭き取って使います。トッピングやサラダに最適です。
8:青ネギの小口切り
数本まとめて小口切りにします。かなり細かいため、水にさらすと風味が飛んでしまうので注意してください。薬味や、料理の彩りに使用するのに適しています。
いかがでしたか? 香りが強く、少しの切り方の差や使い方によって良し悪しが決定してしまうネギ。今回の記事を、ネギのよさをもっと引き出す調理に役立てていただければ幸いです。
(料理研究家 オガワチエコ)