春の肌は花粉だけでなく、ホコリや紫外線、新生活のストレスなどからもダメージをうけてしまいます。
「いつものスキンケアが急に合わなくなった」「カサカサする」といった肌不調を感じる人は、肌のスキンケアを見直してみてはいかがでしょうか。
今回は皮膚科医の吉木伸子先生に、春の肌が荒れてしまう原因と、スキンケアでの対策法を教えてもらいました。
■0.02mmの角層が皮膚を守る!
肌の表面にあるわずか0.02mmの角層は、皮膚のバリア機能の役割を担っており、角層の内側にある水分や細胞間脂質が逃げるのを防いでくれています。
この皮膚のバリア機能が保たれていれば、花粉などのアレルゲンや細菌、ホコリなどの侵入を防いで、肌を守ってくれます。
ところが、「冬は乾燥した空気によって肌のうるおいが奪われて乾燥し、皮膚のバリア機能が低下した状態になっています」と吉木先生。
「そこに春特有の花粉や紫外線などの刺激が加わると、肌がピリピリ敏感になり、ニキビができる、赤くなるなどの肌トラブルが起こる」とのことです。
■春の肌不調を招く要因
花粉は肌荒れも引き起こす!?
吉木先生によると、春は花粉などのアレルゲンが多く飛散しており、冬の乾燥でバリア機能の低下した肌に付着すると、アレルギー反応により肌荒れを起こすことがあるとのこと。
こうした症状を“花粉皮膚炎”といい、鼻水や目のかゆみといった花粉症の症状だけでなく、肌荒れも引き起こすことがわかっているのだそうです。
また、花粉防止のためにマスクをする人も多いかと思いますが、製薬会社「ユースキン」が行った実験によると、実はマスクの隙間から花粉が侵入し、目の下あたりに密集することがわかっているのだとか。
隙間から侵入した花粉は、他の箇所より高い密度で、目の下あたりに付着し、影響を及ぼしてしまうそうです。
紫外線やストレス、ホルモンバランスの乱れも要因に!
皮膚のバリア機能低下は、紫外線による乾燥も原因のひとつ。
吉木先生によると、「紫外線は肌のハリや弾力のもととなるコラーゲンを破壊したり、メラニンを増やしてシミの原因を作ったりもします」とのこと。
また、春は進学や就職、職場内異動、引越しなどの環境の変化も重なり、心身ともにストレスが多く、それによってホルモンバランスが乱れ、肌荒れにつながることもあるそうです。
■春の肌不調を整えるスキンケア選びとポイント
これらの要因による肌不調を防ぐには、早めの対策が大切です。日ごろのスキンケアで気をつけておきたいことを、吉木先生に教えてもらいました。
「皮膚のバリア機能が低下した肌には、いつも使っているスキンケア用品が刺激となることがあります。そのため、スキンケア用品は肌への刺激が少ない敏感肌向けのものを選びましょう。
目や口の周りなど皮膚が薄くデリケートな部分に使う場合は、低刺激のものを選んでみてください。ただし、顔に初めて使用するときは、必ず試し塗りをするよう心がけてください。
また、肌が乾燥すると皮膚のバリア機能が低下するため、洗顔後はすぐに化粧水や乳液、クリームなどでしっかり保湿ケアを行いましょう。肌に必要な水分と油分を補給することで、バリア機能をサポートできます」
肌が敏感になっているときは、なるべく肌への負担が少ない最低限のスキンケアにとどめたり、「洗いすぎない」「擦りすぎない」などお手入れの仕方も心がけるといいですね。
赤みやかゆみが続くなど、症状がなかなか改善しない場合は、セルフケアで解決しないこともありますので、早めに医師に相談してください。
画像提供:ユースキン製薬株式会社
監修者:吉木伸子先生 よしき皮膚科クリニック銀座 院長
(ビューティー&ヘルスライター 町山町子)
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