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冷えの原因は●●だった!?意外な原因&対策


つやプラ編集部

40~50代になると、若いころに比べて「冷え」がきつく感じられるケースがあります。

入浴や厚着などで対策をしても一向に改善しなかったり、以前と違う冷え症状を感じたりすることもあります。一体どうしてなのでしょうか?

冷えの原因は●●だった!?意外な原因&対策

今回は横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師/臨床検査技師の木村英子さんに、40~50代女性の冷えがきつくなる理由と冷え対策について教えていただきました。

■40~50代の冷えがきつくなる理由

更年期を迎えると女性ホルモンが低下して、自律神経が乱れやすくなります。それが原因で、若いころよりも冷えを感じやすくなることがあります。

自律神経が乱れると、血管が広がったり縮んだりする働きがうまくいかなくなり、血行が悪くなる傾向にあるのです。

血液には体内で作られた熱を全身に供給する働きがあるため、血行不良が冷えにつながると考えられます。

■更年期の冷えを放置するとどうなる?

更年期の冷えを放置すると、免疫の低下や不調、基礎代謝の低下などにつながります。

(1)免疫が低下する

更年期になりからだが冷えると、免疫が低下して風邪をひきやすくなります。

免疫は体温が高くなると活性化する一方で、体温低下で抑制される性質があるのです。

また、免疫のなかには、リンパ球と呼ばれる風邪のウイルスを排除する働きをもつものがあります。

冷えにより免疫が低下するとともにリンパ球の働きが弱くなり、風邪をひきやすくなります。

(2)さまざまな不調に悩まされる

冷房や冷たい飲み物でからだを内部から冷やすと、内臓が冷えてしまい便秘下痢になることがあります。

また、内臓の冷えによりエネルギーを作る働きが弱くなると、疲れだるさを感じるようになるのです。

内臓から冷やされて、さまざまな不調に悩まされる状態を「内臓型冷え症」と呼ぶこともあります。

(3)基礎代謝が落ちる

冷えにより体温が低下すると基礎代謝が落ちて、体重が増えやすくなります。

基礎代謝とは、生命活動を維持するために必要な最小限のエネルギーをさします。

基礎代謝が落ちるとカロリーも消費されづらくなり、脂肪をため込みやすくなるのです。

ダイエットが成功しにくい体質になり、太りやすくなります。

■更年期の冷えを予防する方法

冷えの原因は●●だった?意外な原因&対策

更年期の冷えを予防するためには、運動をしたり、からだを温める食材を摂ったりすることがおすすめです。

半身浴でからだを温めることや十分な睡眠をとることも大切なので、毎日の生活で意識しましょう。

(1)運動をする

運動をすると筋肉量の減少を抑えられます。

更年期は筋肉量が落ちやすい時期でもあるため、積極的にからだを動かして運動するように心がけましょう。

休日に散歩したり、日ごろから階段の昇り降りをしたりして運動するように心がけると、冷えの予防が期待できます。

(2)からだを温める食材を摂る

次のようなからだを温める食材を摂ると、冷えの予防につながります。

納豆味噌などの発酵食品

ネギショウガなどの薬味

赤身肉

一方で、きゅうりやトマトなどのからだを冷やす食べ物は避けることをおすすめします。

からだを冷やす食べ物を摂る際は、生ではなくスープにしたり、炒めたりして温めて食べるといいでしょう。

(3)半身浴をする

更年期の冷え対策には、みぞおちから下を温める半身浴もおすすめです。

下半身、とくに骨盤が冷えるとからだの血液の状態が悪くなります。

足の先から冷えると、冷え切った血液が骨盤を通って全身に回り、代謝が悪くなって、筋肉や内臓を冷やしてしまうのです。

下半身をしっかり温めるには、38~40℃のお湯に20~30分浸かりましょう。

就寝する1~2時間前に半身浴をすると睡眠の質も高まるので一石二鳥です。

(4)十分な睡眠をとる

十分な睡眠をとると体内時計が整い、自律神経が乱れにくくなります。

自律神経の乱れによる冷えを予防するためにも、適切な睡眠時間の確保を心がけましょう。

適切な睡眠時間には個人差がありますが、成人の場合は6~8時間が適切と考えられています。

■更年期におこる冷え対策には漢方薬もおすすめ

冷えの原因は●●だった?意外な原因&対策

更年期の冷えには、運動習慣やからだを温める食材の摂取などに加えて、漢方薬を服用するのもおすすめです。

冷え対策には、十分な睡眠をとることも心がけながら、以下のような働きのある生薬を含む漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。

・ホルモンバランスの乱れを整える

・血流をよくして熱を巡らせる

・胃腸の働きをよくして熱を作りだす

・水分の偏りを調整して冷えを解消する

冷えにおすすめの漢方薬

温経湯(うんけいとう)

エネルギーと栄養を補い、からだを温めることで、とくに下半身の冷えに働きかけます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

栄養を補いからだを温めるとともに、水分代謝を促してむくみを取り去ることで冷えに働きかけます。

慢性的に更年期の冷えが気になる場合には、中長期的な服用で体質からの改善を目指しましょう。

また、漢方薬は自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合わない場合、十分な効果を得られなかったり、副作用が生じたりすることもあります。初めて飲むときは、漢方に精通した医師、薬剤師などにご相談ください。

最近はオンラインで漢方薬の専門家に、自分に合った漢方薬を気軽に無料相談できるサービスもありますので、試してみるのもいいでしょう。

■更年期の冷えを予防しよう

更年期の冷えを予防するためには日ごろから運動を心がけたり、からだを温める食材で献立を考えたりすることが大切です。

また、1日6~8時間の十分な睡眠を心がけ、自律神経の乱れによる冷えを予防しましょう。

 

【監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生 プロフィール】

監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生

医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。新刊本『今朝の院長の独り言』(青春出版社)は10万人の患者が癒されたポジティブなメッセージに溢れていると話題に。

【漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん プロフィール】

漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん

薬剤師/臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。

 

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【参考】
第2回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会 睡眠に係る参考情報(案)(PDF) – 厚生労働省

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