冬の悩みといえば「冷え」ですが、寒くなると増えるもうひとつの悩みに「便秘」があります。腸の専門家として有名な松生クリニックの松生院長によれば、外気温と室内気温の差が10℃以上になると腸の不調を訴える人が約3倍になるそう。冬になると便秘がちになるという方は、冷えが原因かも知れません。
■冷えと腸の関係
冬は、寒さの影響で血行が悪くなってしまいます。手足などの末端の血流が滞るだけならまだ良いのですが、身体が芯から冷えてしまうと、身体深部の温度も低下気味に。人間の身体は、深部体温が37℃台で正常に機能するようにできているため、深部体温が下がると腸の働きも緩慢になり、便秘や下痢といった腸トラブルを引き起こすそう。
また、便秘や下痢が続くと腸内細菌のバランスが崩れ、さらに腸トラブルを引き起こす悪循環に陥ってしまうのです。
■「冷え便秘」におすすめ!腸を労わる食べ物
(1)オートミール
オートミールは水溶性食物繊維が豊富。水溶性食物繊維は、腸内で善玉菌のエサとなり腸内環境美化をサポート。腸の調子が悪い時は、不溶性食物繊維を含むゴボウやセロリなどを食べると、かえって消化が悪く、負担になる場合もありますから、水溶性食物繊維の豊富な食べ物を摂るように心がけましょう。
(2)ホットスムージー
スムージーは不溶性食物繊維も細かく砕かれているため、胃腸への負担が少なく食物繊維やビタミン・ミネラルが摂れておすすめ。ただ冷たいスムージーは胃腸を冷やしてしまうので、冬はひと肌程度に温めるか、ジンジャーパウダーやココア、シナモンなど身体を温めるスパイスを加えた“ホットスムージー”がおすすめ。
(3)ホットフルーツ
水溶性食物繊維やオリゴ糖などが含まれるフルーツは、善玉菌の大好物の宝庫。加熱することで甘味が強くなり食べやすくなるだけでなく、リンゴや柿は抗酸化力もUPするそう。冷え便秘の方には、フルーツを温めて食べることをおすすめします。リンゴや柿、バナナを薄く切って、トースターで焼いてシナモンをかけるだけでも美味しいですよ。
内蔵の冷えは、手足の冷えとは比例しません。手足が温かくても内臓が冷えている場合もあるんです。寒くなるとお腹の調子が悪くなる方は。冷え便秘の可能性が……。冬は、腸を温める食事を意識して、お腹から健康を保ちたいですね。
(美養フードクリエイター 岩田 麻奈未)
【関連記事】
※腸のアンチエイジングに◎!「夜ホットスムージー」レシピ3つ
【参考】
※なぜ体温は37℃なのか? − テルモ体温研究所
※寿命をのばすワザ百科 − 日本テレビ
※柿は加熱調理すると健康成分が増加する − 慶応義塾大学(PDF)
※松生恒夫著『長生きしたけりゃ、腸は冷やすな』(主婦の友社)