落ちにくいコスメが増えて、メイクが崩れやすい季節にも助かりますね! ですが、お気に入りの衣服にコスメがついてしまい、落ちなくて困る場面に遭遇するかもしれません。
今回は、大切な洋服にコスメがうっかりついてしまったときの対処法を、美容ライター・コスメコンシェルジュの筆者がご紹介します。
■コスメが衣類についてしまったら
化粧品は、水に溶ける水溶性成分、油に溶ける油性成分、乳化や洗浄などに使われる界面活性剤、色や質感をつくる粉体などの原料により構成されています。アイテムによって主成分が異なるので、同じカテゴリーのアイテムでも衣服についてしまった時の対処法が異なることがあります。
もちろん、生地の種類によっても異なるので、ラベル表示は必ず確認しましょう。
一般的に、時間が経つほど繊維質に入り込んで汚れは落ちにくくなるので、汚れがついてしまったら、すぐに落とすようにしましょう。
■口紅がついてしまったら
同じリップアイテムでも、グロスのようにツヤ感が高いものは油分が多いので、オイルを落とす作用のあるものが効果的です。
お手持ちのクレンジングオイルでもある程度まで落とすことができます。衣類の下にタオルや布などを置き、歯ブラシや綿棒にクレンジングオイルを十分に含ませて、トントンとたたくように汚れをかき出していきます。そのあとは、通常のおしゃれ着洗いでOKです。
一方、マットな質感で色合いがはっきりしているものは、顔料と揮発油性成分が多いので、クレンジングオイルよりはエタノールやアルコールで汚れをたたき出すことが効果的です。同じ手順で汚れを落としてください。
手順
1)洋服の下に布を置く。
2)歯ブラシや綿棒にクレンジングオイル、またはエタノールやアルコールを染み込ませて、トントンとたたくように汚れをかき出す。布に汚れを移すイメージで。
3)染み抜きの跡がつかないように、ネットに入れて通常のおしゃれ着洗いを。
■ファンデーションがついてしまったら
筆者の経験では、ファンデーションの染み抜きは、かなり手ごわく難易度が高いので、とくに夏場に白いトップスを着る場合は、なるべく首元につかないように着脱時には、フェイスカバーがわりのタオルをかぶるようにしています。
ファンデーションの種類で油分の比率が違う
ファンデーションの種類によって、油分の多さが違います。
油分の多い順に、リキッドファンデーション→クリームファンデーション→スティックファンデーション→パウダーファンデーションとなります。油分の多いものほど、クレンジングオイルで染みが抜けやすいでしょう。
台所用洗剤についても同様です。パウダーの粉体は、乾いたあとに衣服に残ります。指ではたくように落としてください。
きれいに落としたい場合や、顔料の配合の多いウォータープルーフ処方のパウダーファンデーションの場合は、ベンジンとアルコールを使用します。手順は次の通りです。
手順
1)ベンジンをつけた布かコットンで汚れがついた部分を叩く。
2)下に布を置き、アルコールをつけて揉んで、油分の汚れを布に吸い取らせる。
3)乾いてから軽く指ではたくように粉末を落とす。
※ミネラルファンデーションには油分が含まれていないので、おしゃれ着洗い用の洗剤のポイントづけなどで落とす方法が効果的です。
そのほか、日焼け止めはアルコール、アイラインやマスカラはベンジンを含ませたコットンなどでたたき出すとよいでしょう。いずれも手順は口紅と同様です。下に置いた布に油分の汚れを移すようにしましょう。
大切な洋服の生地を万が一でも傷ませないためには、面倒でも折り返しの部分などで試した方がよいでしょう。とくに、アセテートなど繊細な生地は傷みやすいので専門店やクリーニング店に相談することをおすすめします。
かしこく染み抜きして、ファッションもメイクも楽しみながら清潔感をキープしましょう。
(美容ライター/コスメコンシェルジュ 斎藤 明子)
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【参考】
※小西 さやか 日本化粧品検定協会監修「日本化粧品検定 1級対策テキスト コスメの教科書-第二版」 (2016年) 主婦の友社
※ファンデーション、チーク、口紅など、化粧品が衣服についた – 資生堂