つやプラ読者の皆さんの中には、便秘で悩んでいる方も少なくないのでは? 慢性的なもの、環境変化によるもの、様々な便秘がありますがその中でも夏特有の「夏便秘」というものがあるのをご存じですか。
夏便秘の原因の1つとして挙げられる「大腸の砂漠化」の対策方法を、30年にわたり4万人の腸を診てきた松生クリニック院長 松生恒夫(まついけ つねお)先生に訊きました。
■夏便秘の原因の1つ「大腸の砂漠化」とは?
「暑さのせいで本来は水分が多くあるべき大腸が、まるで砂漠のように乾燥してしまっているような状態のこと」と松生先生は解説します。
「大腸の砂漠化」の主な原因は「食事量の低下」と「発汗量の増加」のようです。
原因1:食事量の低下
「暑さのせいで食欲が減退し、食物の摂取量が減少。結果的に食物繊維の摂取量も減少してしまいます」
原因2:発汗量の増加
「さらに夏は発汗量が多くなることもあり、さらに大腸内の水分量が減少。便は水分が少ないと固形化しやすくなり、排出しにくくなり腸内に蓄積していきます。この状態を放置すると、大腸内の便の水分量が減少し、硬便となってしまいます」
「そうなると腸の働きが低下、腹部にガスが溜まりやすくなって、お腹の張り、排便障害、便秘などが起こりやすくなってきます」と夏便秘について松生先生は指摘します。
■「大腸の砂漠化」対策に必要なのは?
水を飲んでも大腸にほとんど届かない!?
松生先生は食事の重要性についてこのように説明します。
「夏は水や飲料を意識的に飲んでいるかと思いますが、食事をあまり取らなければ水分の90%は小腸に吸収されてしまうので大腸にはほとんど届きません。
食事摂取量の減少により食物繊維の摂取量が減少することは明らかなため、水分を保持できる食物繊維を豊富に含んだ食べ物を摂取するなど、水分を多く含む消化物を大腸にまで届けることが大切です」
このように大腸の砂漠化に陥ると、水分の少ない、干からびたような薄っぺらい便が一つに固まらずに腸内に貯留するような状況になり、夏便秘を引き起こすことになるようです。
水溶性食物繊維をとることが重要
食物繊維の中でも水分を保持できる水溶性食物繊維が重要。その中でも松生先生がおすすめしている食べ物の1つが「キウイフルーツ」です。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスが良く、保水力のある食物繊維が豊富だそう。
「食物繊維を含む他の食材では、不溶性食物繊維の割合が多いことがほとんどです。ところがキウイフルーツの場合、不溶性食物繊維2に対して、水溶性食物繊維1の割合(※ゴールドキウイフルーツ「ゼスプリサンゴールドキウイ」)の食物繊維が含まれています。水溶性食物繊維が比較的多く含まれています」
さらにキウイフルーツ特有の食物繊維の働きにも先生は注目しています。
「キウイフルーツの食物繊維は、便の膨張と『保水力』をアップされる働きがあることを示す研究もあります。意識的にキウイフルーツを摂ることで、『大腸の砂漠化』を改善し、便通改善効果が期待できます」
■食物繊維だけじゃない。キウイフルーツは栄養素がギュッと詰まった果物
松生先生はキウイフルーツについて、
「食物繊維が豊富に含まれているだけではありません。主要な17種類の栄養素がどれだけ含まれているかを比較した栄養素充足率スコアでも、キウイフルーツはトップクラスです。ビタミンはもちろん、カリウムやアクチニジンなども含む高栄養素でバランスのいい果物です。食欲が落ちがちな夏場でも手軽に食べられ、栄養豊富なキウイフルーツを意識的に摂ると良いでしょう」と説明。
キウイフルーツは栄養素も豊富であることを補足しています。
どこでも買えて、手軽に食べられるのに栄養・食物繊維が豊富なキウイフルーツ。夏にピッタリで爽やかな、キウイフルーツを毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?
(つやプラ編集部)
【松生恒夫(まついけ つねお)先生 プロフィール】
松生クリニック院長、医学博士
東京慈恵医科大学卒業、同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長を経て、2004年現職/日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器病学会認定専門医/『寿命の9割は腸で決まる』『日本一の長寿県と世界一長寿村に学ぶ腸にいい食事』他、著書多数。
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