「いびきは、中年の太った男性特有のもの」と思ってはいませんか? 実は、小顔な女性も意外といびきをかきやすいのです。
理学療法士の筆者が、いびきの注意点についてお伝えします。
■「いびき」は、どうしておこるの?
いびきの主な原因として、「空気の通り道が狭くなる」ことが挙げられます。
狭い所を空気が通ろうとすると、空気の抵抗が強くなり、粘膜が振動して音が生じます。これが、いびきの正体です。笛が鳴る仕組みと同じ原理なのです。
いびきをかく人は、口を開けて寝ている人が多いのです。口呼吸をすると、鼻呼吸に比べて「軟口蓋」という口と喉の周辺が落ち込みやすくなり、より空気抵抗が大きくなって、いびきをかきます。
■いびきをかきやすい人とは
「いびきをかく人=中年の太った男性」と思いがちですが、いびきのメカニズムは笛の原理と一緒なので、口や鼻、喉などの空気の通り道が狭い人や下顎が小さい人は軟口蓋が落ち込みやすく、いびきをかきやすい傾向にあります。
さらに、最近太ってきたと感じる人も要注意です。脂肪が首周りにつくと、気道を狭める原因につながります。ストレスや疲れがたまっていたり、アルコールを習慣的に摂取したりする人も注意してください。
■いびきに注意しなくてはならない理由
「いびきはぐっすり眠っている証拠」なんてよく聞く時代もありました。しかし今は、いびきの背景には何らかの不調が隠れているかもしれないということが知られるようになりました。
特に睡眠時無呼吸症候群の場合は、寝ている間に呼吸が止まり、朝起きても頭がスッキリしないと訴えます。また、口呼吸をしている人は、空気中の細菌が容易に体内に侵入しやすくなります。
■いびきの適切な検査・治療を受けることが重要
いびきを指摘され、朝起きても疲れがとれないと感じたら、一度、耳鼻科か睡眠時無呼吸症候群の治療を専門に行っている病院で診断を受けることをおすすめします。
あわせて生活習慣の改善も必要になる場合があります。まずは、自分にあった病院を選び、いびきの適切な検査・治療を受けることが重要です。
自己判断は事故のもと。重症になってから相談するのではなく、「なんか変だな!?」と感じた時に手を打つことが改善への近道です。
(著者/講師/理学療法士 矢間 あや)
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