夏の洗髪後は、極力ドライヤーを使いたくないものです。バスタイムでさっぱりしても、温風を当てることでまた汗は出てくるし、頭も火照って熱気がぶり返してしまいますね。
そんな理由から「夏のシャンプー後は自然乾燥」という人や「長時間放置してからドライヤーを使う」なんてケースもよくあるでしょう。でも、それはトラブルの元かもしれません。
ヘアジャーナリストの筆者が、大人髪の夏のドライ法についてご紹介します。
■夏の自然乾燥はトラブルがいっぱい!?
洗髪後の髪はキューティクルが開いた状態のため、摩擦や刺激などの影響を受けやすく、放置するとすぐにダメージへ傾いてしまいます。
また、濡れたままでは頭皮に雑菌が繁殖して、これが頭皮臭の原因となるのです。
みなさん、「頭皮の臭いは汗が原因」と思いがちですが、実は頭皮から出る汗は無臭。臭いの原因は頭皮にある皮膚常在菌が増えすぎることで、これがかゆみなどの肌荒れをも起こしているのです。
特に蒸れやすい頭皮は、菌が必要以上に繁殖しやすいゾーンですから注意しましょう。
■扇風機で乾かすのはアリ?ナシ?
夏にやりがちなのが、扇風機による冷風ドライ。自然乾燥より早く乾く感じがするため、つい頼ってしまいますね。
でも、扇風機で乾かすと髪がバサッとすると思いませんか?
実のところ、濡れて開いた髪のキューティクルは、温風で乾かさないときれいに閉じません。
よく「冷風でキューティクルを引き締めましょう」というアドバイスを目にしますが、これはあくまでも仕上げのテクニック。先ずは温風で乾かし、キューティクルを整えることが大切です。
また扇風機で乾かすと、毛先などは乾くものの、頭皮は湿ったままの状態になりやすいものです。
先に述べたように、濡れたままや半乾きの頭皮は、必要以上に皮膚常在菌が増殖し、臭いやかゆみの原因となりますから、扇風機による冷風ドライは避け、きちんとドライヤーの温風で乾かしましょう。
■朝シャンで紫外線を浴びると薄毛になる!?
もうひとつ注意したいのが紫外線です。
暑い夏は、寝ている間の汗が気になって、つい朝にシャンプーをしたくなるものです。でも、ここに落とし穴が。
私たちの頭皮は、寝ている間に時間をかけて皮脂を分泌しています。これが天然の皮脂膜となって、日中の外的刺激などから頭皮や髪を守っています。
ところが朝シャンをすると、この天然の皮脂膜が流されてしまうため、無防備な状態で紫外線を浴びることに……。
これが積み重なると、抜け毛や薄毛、白髪の発生を早めてしまい、結果的に髪のエイジングにつながります。
また、水分を多く含んだ髪は紫外線によるメラニン色素の分解も進みやすいため、濡れ髪で紫外線を浴び続けると、褪色やゴワつき、パサパサとした乾燥毛に直結してしまいます。
洗髪はなるべく夜1回とし、濡れたままの状態で外出しないよう心掛けましょう。
髪老化は、「乾燥が激しい冬に加速しやすい」と思いがちですが、夏場でもヘアダメージの原因はたくさんあります。外的刺激や雑菌から髪を守るためにも、洗髪後は早めにドライヤーで乾かし、クリーンな頭皮と髪を保つことを心がけましょう。
(ヘアライター&ヘアジャーナリスト 小澤 佐知子)
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