長らく、サウナは男性が行く場所というイメージでしたが、最近ではスパやジム、スーパー銭湯でも女性用サウナが増えています。また、“サウナ女子”と呼ばれる愛好家もおり、雑誌などで特集されていることもあります。
実は、サウナには40・50代の更年期を迎えた女性にこそ、おすすめしたい理由があります。筆者は、美容目的で利用するうちに他にもメリットを発見しました。
肌育美容家の筆者が、サウナの期待できる効果とサウナに入るときの注意点をご紹介します。
■40・50代にサウナをおすすめする理由
サウナ好きの人がよく使う「整う」という言葉。これは、「身体をサウナで温め冷水で冷やし、休憩する」を繰り返すことで、自律神経が落ち着くことをさします。
更年期を迎えて不定愁訴が起こりやすい40・50代の自律神経を整えるためにもサウナはおすすめです。サウナで期待できる効果は、次の4つが挙げられます。
(1)血流がよくなる
湯船に浸かる時に比べ水圧を受けないため、身体の温まりが早く血流がよくなる効果が期待できます。
(2)リラックス
サウナの高温と水風呂の冷水によって交感神経が高まり、その後の休憩で一気に副交感神経へとスイッチが切り替えやすくなります。
(3)快眠
サウナに入ると、運動した時と同程度の負荷が心臓にかかるそう。
身体が疲れるのと同時に脳も疲労感を覚えるため、睡眠の質改善効果が期待できます。
(4)疲労回復
高温のサウナと冷水の水風呂に入ることを繰り返すと、疲労物質と呼ばれる「乳酸」が多く分泌されます。
サラサラとした汗をたくさん出すことで乳酸の排出を促し、疲労回復効果が期待できます。
40・50代の身体を労わる
原因不明の不調で病院に行っても「自律神経の乱れ」「更年期の不定愁訴」といわれることが多い更年期世代。筆者もめまい、倦怠感、手足の痺れ、動悸、ホットフラッシュなど、ひと通りの症状が現在進行形で続いています。
そんな不調を抱えている時こそ、サウナで「整う」感覚を味わってみてはいかがでしょうか。
■どれから始める?サウナの種類
サウナには、さまざまな種類があります。施設によって室内や水風呂の温度、休憩スペースの確保などの違いがあるので、公式サイトで調べてから行くと安心です。
ドライサウナ
オーソドックスなものは、「ドライサウナ」と呼ばれます。サウナ発祥の国ともいわれるフィンランドの方式です。
80〜100度に保たれた室内に熱したサウナストーンがあり、水をかけて水蒸気を発生させ発汗を促す入浴方法を「ロウリュ」と呼びます。
ミストサウナ
温水を細かい霧状にして室内に噴霧します。浴室内は40〜45度に保たれ、息苦しさが感じにくいです。
家庭用の機器が多く、自宅でも楽しめるサウナです。
スチームサウナ
水を沸騰させ蒸気で室内を温めます。温度は40〜50度が主流。
湿度が100%になり身体の内側から温まるので、初心者はスチームサウナから始めるのもよいでしょう。
■サウナの入り方
水分補給
サウナに入る前に、コップ1杯の水を飲んで水分補給をしましょう。サウナではたくさん汗が出るので、ミネラルタブレットや岩塩を舐めておく人もいるようです。
身体を洗う
身体を洗い、シャンプーで髪も洗いましょう。
サウナ室へ
室内では、呼吸を止めないことがポイントです。長くゆっくりとした呼吸で、リラックスすることを心がけてください。
ドライサウナなどで顔が乾く場合は、ぬれタオルを顔に巻いてみてください。短めの時間から始めることがおすすめです。
水風呂へ
温めた身体を、一気に冷やします。まずはシャワーで汗を流してから、水風呂へ向かいましょう。
休憩
サウナ→水風呂→休憩の3ステップを繰り返します。自分が気持ち良いと思える程度に行ってください。
また、途中でホットフラッシュや動悸など不調を感じたら、すぐに休憩をとりましょう。
■あると便利!サウナの持ち物
サウナ初心者の場合、スパやスーパー銭湯に置いてあるアイテムから使ってみるのもよいでしょう。中級者になってくると、マイアイテムを持参する人もいます。
サウナマット
折りたたみサイズのマット。サウナ内の座面に敷いて使います。素材は、タオル地やポリエステルなどさまざまです。
サウナハット
フィンランドなど、サウナ発祥国で使われているチューリップ型の帽子。熱風から頭を守ってくれます。
サウナメガネ
通常のメガネは金属部分が熱くなってしまうため、サウナ用のメガネも発売されています。
スキンケアアイテム
サウナから出たら、必ずスキンケアをしましょう。オールインワンジェルや、化粧品の小分けサンプルを持って行くことをおすすめします。
目薬も持って行くと、ドライサウナで乾いた目にすぐ使えるので便利です。
■全身に美容効果を実感
筆者はドライサウナの熱風に慣れず、スチームサウナから始めました。今では全身に美容効果を実感しています。帰宅後にはリラックスして、そのまま自然な眠りに誘われる快適さがたまりません。
筆者は、更年期の不調にアプローチする感覚を覚えました。温泉旅行などに行けないご時世に、仕事帰りや休日にサウナを利用してみてはいかがでしょうか。
(肌育美容家 今泉 まいこ)
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