秋は朝晩と昼の寒暖差が激しくなる季節です。この季節に体調を崩す方が多くなるのはご存知ですか?
実は寒暖差により「自律神経」が乱れやすくなり、疲れや不調を感じやすくなるのです。
理学療法士の筆者が、日常生活の中で“寒暖差疲労”を溜めず、老化を加速させない生活を行う3つのコツをご紹介します。
■気温差が大きいと自律神経が乱れやすくなる
自律神経とは、私たちの意思とは関係なく、内臓や代謝、体温など体の機能を24時間無意識にコントロールしている神経のことです。
心と体を活発にする交感神経と、休ませる副交感神経がお互いにバランスをとりながら、私たちの体を支えています。生命維持には欠かせない機能のひとつです。
気温の変化と自律神経の関係
気温の変化に伴い、体は体温を一定に保つため自律神経を働かせ、血液量を調整したり、熱を生み出したり、発汗して体温を下げたりを自動でおこないます。
気温差が大きいと自律神経が過剰に働き、大きなエネルギーを消耗して疲労を感じたり、自律神経の乱れから、肩こりや頭痛、めまい、倦怠感(けんたいかん)、便秘、下痢(げり)、不眠などの様々な心身の不調を感じやすくなります。
これを「寒暖差疲労」といいます。
寒暖差疲労を放置すると
寒暖差疲労を放置して不調や睡眠の質の低下に繋がると、老化が加速し、高価な美容液を使うなどの老化対策を行っても無駄になってしまいます。
寒暖差疲労を予防するためには、自律神経の乱れを防いで、体調不良を起こさないように毎日を過ごすのが重要です。
■寒暖差疲労を予防するために日常生活でできる3つのコツ
(1)体を温める
最近は「温活」という言葉が一般的になりましたが、体を温めることは非常に重要です。
特に入浴は手軽に行える「温める」行為。
ポイントはややぬるめのお湯(38〜40度程度といわれる)に10〜15分程度つかること。
ぬるめのお湯につかることで、末梢神経が拡張され、血行が促進され疲労回復に効果的と考えられています。
また、温かい飲み物を飲み鍋などを食べることで、体の中から温めるのも効果的です。
家事や在宅ワークが増え、エアコンを使用していても足元が寒いという時は、保温効果の高い室内ばきを履くなど、生活の中でも冷やさないことを心がけましょう。
(2)運動をする
運動というと、キツイ・ツライと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、キツイ・ツライ運動より、心地よい、ややキツイと感じる程度の軽い運動が効果的。
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、血液の循環を改善し、疲労回復にも効果的です。
ジムに通うなど、特別に時間を割くのではなく、まずはちょっとそこまでを歩く、エレベーターやエスカレータを階段に変えるなど、日常生活の中に軽い運動を取り込んでいくことが効果的です。
さらに筋肉量を増やすと、筋肉からも熱を作り出す作用があるので、冷え性の人は積極的に筋トレもおすすめです。どこの筋肉に効いているのかを意識しながら、お尻や脚など大きな筋肉がたくさんある下肢の筋肉からトレーニングすることがおすすめです。
まずは日常生活の中でできることからはじめてみましょう。
(3)朝、太陽の光を浴びる
生活習慣を整えることは、寒暖差疲労の予防だけでなく、美容でも大切な要素です。
朝、いつも同じ時間に起きて太陽の光を浴びることで、体内時計をリセットしたり、脳内伝達物質である「セロトニン」の分泌を促しメンタルが安定したりして、睡眠にも大きく影響します。
良い眠りをとることは疲労回復だけでなく、美容でも必須事項。生活習慣を整えることは、良い睡眠にもつながります。
睡眠中に出る「成長ホルモン」は傷ついた細胞の修復を行ってくれます。また、天然の睡眠剤といわれる「メラトニン」は、強力な抗酸化力があるといわれ、抗酸化ビタミンと言われるビタミンCやビタミンEを上回るともいわれています。
規則正しい生活は自律神経にも大きな影響を与えます。朝、いつもの時間に起きて太陽の光を浴びることを一日のスタートの習慣にしていきましょう。
ご紹介した生活習慣を意識して自律神経を整え、寒暖差に負けずに元気に毎日をすごしましょう。
(著者/講師/理学療法士 矢間 あや)
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