「最近デリケートゾーンがかゆくて仕方ない」「デリケートゾーンがかゆいのは私だけ？」と悩んでいませんか。
実は、更年期は陰部が乾燥しやすく、ヒリヒリするような症状を感じている方が多いといわれています。
今回は、横倉クリニック・健康外来サロン（港区芝）院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師／臨床検査技師の木村英子さんから、更年期に起こりやすい陰部のヒリヒリについて教えていただきました。
陰部の違和感で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
■更年期に気になる陰部のヒリヒリ。その原因は？
更年期に陰部がヒリヒリする原因としては、女性ホルモンの減少が挙げられます。
女性は年齢を重ねるごとに、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少します。エストロゲンの減少により膣の周りが萎縮すると、膣内の潤いが減少し、乾燥してしまいます。
そして、膣周りが乾燥することによりかゆみやヒリヒリが生じることとなるのです。
■陰部のヒリヒリをケアする方法とは
更年期に悩まされる陰部のヒリヒリをケアする方法について、詳しくご紹介します。
デリケートゾーン専用のソープを使う
今使っているボディソープが肌に合っておらず、デリケートゾーンの乾燥を促進しているという場合もあるでしょう。
デリケートゾーン専用のソープは、肌が乾燥しないように保湿成分が多く含まれているため、かゆみや乾燥に悩んでいる方にはおすすめです。
保湿クリームを塗る
また、デリケートゾーン専用のソープにあわせて、保湿クリームを塗るというのもいいでしょう。
ここで注意すべきなのは、クリームは実際にかゆみが生じている外陰部やその周辺にのみ塗るようにすることです。
膣内などの粘膜に使用すると作用が強くあらわれてしまい、さらなる肌トラブルにつながる原因となります。
天然素材の下着を選ぶ
常にデリケートゾーンに触れていることになる下着も重要なポイントです。下着が肌に合っていないと、より乾燥を促進させてしまう原因となるでしょう。
シルクやオーガニックコットンなど天然素材の下着を選び、少しでもデリケートゾーンを守れるようにしましょう。
漢方薬を飲む
また、内側からの改善を目指す場合は、漢方薬を服用するのもおすすめです。漢方薬のなかには「陰部のかゆみ」に効果が認められているものもあり、婦人科や皮膚科でも使われています。
陰部のかゆみや乾燥は、ストレスやホルモンバランスの乱れ、陰部への血流不足などが原因と考えられています。
陰部のかゆみやヒリヒリ感には、「ホルモンバランスを整える」「泌尿・生殖器の炎症を鎮めかゆみを軽減する」「血流をよくして栄養をいきわたらせ、陰部の皮膚の新陳代謝を上げる」「免疫力を上げてかぶれにくくする」といった作用の生薬を含む漢方薬を選びます。
さらに、全身にも栄養が届けられることで、顔や手の皮膚に潤いやハリを与えることもできます。
また、漢方薬は自然由来の成分でできており、一般的に副作用が少ないとされているのが特徴です。ひとつの症状に対し強い効果を発揮する西洋薬とは異なり、症状の根本改善や体質改善を目的としているという特徴もあります。
更年期に繰り返す陰部のヒリヒリが気になっているという方にはおすすめです。
陰部のヒリヒリに悩んでいる方におすすめの漢方薬
当帰飲子（とうきいんし）
当帰飲子は、肌に栄養分や潤いを与えるので、乾燥からくるかゆみにおすすめの漢方薬です。
竜胆瀉肝湯（りゅうたんしゃかんとう）
竜胆瀉肝湯は、炎症を鎮め、陰部のかゆみや湿疹、違和感などにおすすめの漢方薬です。
慢性的に陰部のヒリヒリが気になる場合には、中長期的な服用で体質からの改善を目指しましょう。
しかし、漢方薬と一言でいってもさまざまな種類があるため、「どの種類を選べばいいのかわからない」と思っている方もいるのではないでしょうか。自分に合った漢方薬を選ばなければ、思ったような効果が得られないどころか、副作用が生じてしまう恐れもあります。
AIや薬剤師が自分に合った漢方薬を選んでくれるようなオンラインサービスもあるため、気になる方は試してみるのもいいでしょう。
■陰部に違和感を感じたら、婦人科受診も◎
かゆみが長く続く場合は、カンジダ膣炎・外陰部炎を起こしている可能性もあります。さらに、ヒリヒリしたり排尿時に強い痛みがあったりする場合は、性器ヘルペスも考えられます。
そのような場合は早めに婦人科を受診しましょう。
■陰部のヒリヒリは放置せずしっかり対策！
乾燥が原因であることが多い陰部のヒリヒリやかゆみ。デリケートゾーン専用のソープを使って乾燥を防ぐなど、しっかり対策をするようにしましょう。
また、内側からの改善を目指す場合は、漢方薬の服用も検討してみましょう。
【監修医：横倉恒雄（よこくらつねお）先生 プロフィール】
医学博士/医師（婦人科、心療内科、内科など）。横倉クリニック・健康外来サロン（港区芝）院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『病気が治る「脳」の健康法』『脳疲労に克つ』他。
【漢方部分監修者：木村英子（きむらえいこ）さん プロフィール】
薬剤師／臨床検査技師／Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。
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