当たり前のように口腔内にあると思いがちな「唾液」は、実は、健康に役立つ作用がたくさんあります。ところが、食事の仕方や口の動かし方によっては、うまく分泌されないこともあるのだそう。
日本美口協会会長で歯科医師の坂本紗有見先生に、唾液が十分に分泌されにくい「NGお口習慣」3つと、口内環境を健やかに保つ秘訣をお聞きしました。
■“美口”に欠かせない唾液の働きとは?
「健やかな口内環境を保つために、重要な役割を果たしているのが唾液です。その役割としては、『潤滑作用』『粘膜保護作用』『咀嚼の補助作用』『洗浄作用』『消化作用』『溶解作用』『緩衝作用』『抗菌作用』『排泄作用』『歯の再石灰化作用』など、数多くの働きがあります」
唾液の分泌を促すためにも、まずは、ついやりがちな「NGお口習慣」を見直してみましょう。
■唾液がうまく分泌できなくなる「NGお口習慣」3つ
(1)食べ物をよく噛まずに流し込んでいる
「柔らかい食べ物をよく噛まずにお茶やジュースで流し込むようにして食べていると、唾液をうまく出せずに口内環境が悪化します」
「いい唾液を出すには、よく噛むことが大切です。口の中で餅つきをするように食べ物をこねるように動かしたり、すりつぶしたり、しっかり噛んでください」
(2)舌を正しく使って飲み込めていない
「食事の際に食べ物をよく噛むだけではなく、舌を動かすことも、唾液腺を刺激することになり唾液の分泌が促されます」
「唾液の分泌を促すためにも、食事前のエクササイズとして、左の奥歯から右の奥歯までなぞるように往復させます。これを歯列の上下左右表裏でゆっくり数回繰り返し、『あ』『い』『う』と口を大きく使い発音しながら動かし、『べー』と舌を動かす『あいうべ体操』を30回行うことで左右均等に噛む力が鍛えられます」
(3)歯を左右アンバランスに使っている
「左右均等に噛んでいるつもりでも、知らず知らずのうちに“噛みやすい側”ができてしまいます。偏った噛み方では、唾液が十分に分泌されず口腔内環境の悪化やあごの歪みにつながります」
「舌を十分に動かし、左右均等にしっかり噛んで、唾液の分泌を促しましょう」
ほかにも、口腔内環境を健やかに保つためには、定期的な歯科検診と、L-ロイテリ菌やヒアルロン酸など歯に良いサプリを取ることも大切なのだそう。歯や舌をきちんと動かして唾液の分泌を促し、トラブルのない“美口”を目指してみては。(つやプラ編集部)
【坂本紗有見先生 プロフィール】
日本美口協会会長、銀座並木通りさゆみ矯正歯科クリニック院長。
矯正歯科の専門医として、歯並びだけでなくその先にある健康や予防を見据え、多くの患者の口腔内美化に尽力。最新検査機器やサプリメントをいち早く取り入れ、常に新しい医療情報を提供している。
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