食物繊維が豊富な雑穀として注目度が高まっている「大麦」。大麦は食物繊維がただ多く含まれているのではなく、糖や脂肪の吸収を和らげ、食欲を抑える「水溶性食物繊維」にあたる「β-グルカン」が大半を占めているのです。「大麦ご飯」で、お腹周りのたっぷりお肉も撃退できるかもしれませんよ!
■「大麦ごはん」でお腹からキレイになれる理由
(1)「痩せホルモン」を分泌
β-グルカンと一緒に小腸に運ばれたデンプンが分解されることでできる糖の刺激には「GLP-1」や「PYY」という、「痩せホルモン」と呼ばれる、脳に満腹信号を送るホルモンの分泌を促す働きがあるそう。このホルモンには、次に摂る食事の血糖値の上昇を抑える働きもあり、余分な糖が脂肪として蓄積されるのを防ぐ効果も期待できます。
(2)低GIで脂肪の蓄積をブロック
食後の血糖値の上がりやすさを示すGI値(グリセミックインデックス)で比べると、大麦は白米の1/3も下回る、低GI値な食品です。食後に血糖値が急上昇してしまうと、糖がエネルギーとして使い切れず、余った糖が脂肪細胞にまわされてしまいます。大麦ご飯なら、同じ量を食べても血糖値が上昇されにくく、脂肪の蓄積ををブロックできます。
(3)糖や脂肪の吸収を穏やかに
水溶性食物繊維は水に溶けてネバネバとした状態になり、食べ物から摂った糖や脂肪に絡みついて、吸収を穏やかにする働きがあります。
(4)スムーズなお通じをサポート
大麦に含まれるもう1種類の食物繊維「不溶性食物繊維」は、腸内で数十倍に膨らんで腸壁を刺激し、腸内細菌によって発酵して発生する短鎖脂肪酸の刺激によって、腸の働きを促しスムーズなお通じをサポートします。
■「大麦ご飯ダイエット」のルール
●「朝」に食べる
大麦ご飯はいつ食べても構いませんが、朝食に摂ることで1日中血糖値を安定させて満腹感を持続させる効果があるそうです。
●「毎日」食べる
大麦のダイエット効果を期待するなら、やはり続けることが大切。1日2回3割大麦ご飯を12週間食べた実験では、内蔵脂肪もウエストも細くなったそうですから、まずは12週間ほどは続けてみましょう!
大麦は白米に混ぜてそのまま炊くことができます。お腹周りが気になり始めたら、大麦ご飯を毎日の習慣にしてみてはいかがでしょうか。
(美養フードクリエイター 岩田 麻奈未)
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【参考】
※大麦で生活習慣病を予防しよう! – 大麦食品推進協議会
※インスリンはどのような役割? – サノフィ
※日経ヘルス2015年6月号「腸から全身を守る大麦の食物繊維」(日経BP社)