いよいよ本格的な夏を迎えるとともに、あせもができる子どもが増える時期。あせもそのものは命に関わるようなものではありませんが、強いかゆみは子どもにとって辛いものですし、掻いて炎症を起こしてしまうことも。今回はあせもの原因や対処法、そして塗り薬を塗るときのポイントをお伝えします。
■生まれたときから汗腺の数は大人と同じ!
あせもは汗疹(かんしん)と言われ、汗をたくさんかいたときに汗の出口が詰まってしまい、皮膚の外に出られなくなってしまった汗が皮膚の中にたまり、小さな水泡になることが原因です。子どもと大人の汗腺の数は同じですが、子どもの場合、皮膚の面積に対して汗腺の密度が高いのです。また、乳幼児期は体温調整機能が未熟なことも、子どもにあせもができやすい理由のひとつです。
■あせもになる前に!予防法2つ
皮膚を清潔にする
あせもの予防は、とにかくこまめに汗を拭くことが大切です。首や背中、腋や脚の付け根など特に汗をかきやすい部位は要注意です。汗を拭くときは擦らないように濡れタオルなどでポンポンと優しく拭いてあげましょう。ウェットティッシュは子どもの皮膚に使えるものを選び、アルコールの強いものは避けましょう。
汗をかかないように環境を調整する
服は汗を吸収しやすい素材のものや、速乾性のものを選ぶようにしましょう。また室内ではエアコンなどで温度や湿度を調整し汗をかきすぎないように環境を整えてあげて下さい。
■子どもの肌を守るための注意点3つ
爪は短く切ってあげて
あせもは悪化させないことが大切です。注意したいのは搔くことによる悪化です。痒みを我慢するのはとても辛いことです。寝ているときに無意識に掻いてしまうこともありますので、そうなっても最小限のダメージで済むよう、爪は短く切っておきましょう。
意外?「あせもにベビーパウダー」はNG
ベビーパウダーは固まって汗の出口を塞いでしまうことがあるので、あせもができてしまったところはつけない方がいいでしょう。予防としてつけるときは、清潔にしてしっかり水分を拭き取り、ママの手でこすり合わせてから薄くつけてあげて下さい。
薬を塗るときのポイント
1. 塗る部位を清潔にしてから、水分を拭き取ります。
2. 忘れがちですが、薬を塗るママの手もよく洗って清潔にしましょう。
3. 一度塗り薬をママの手の甲に適量出します。
4. 患部へ均等にポンポンと少量ずつのせます。
5. 優しく広げるように薄く塗ります。
薬の種類によって塗り方や塗る回数などが違うので、医師や薬剤師に相談して下さいね。
■よくならないときは受診を
軽いあせもは、皮膚を清潔にしていれば数日で改善が期待できます。なかなか改善しない、または悪化していると感じるときは他の皮膚病の可能性もありますので、たかがあせもと思わず、皮膚科や小児科で診てもらうことをお勧めします。
いかがでしたか? 大人にとっても、子どもにとってもかゆみは辛いもの。とくに子どもは、まだ自分でうまく対処することができませんし、赤ちゃんは自分の辛さを伝えることができません。ママの知恵と愛情でしっかり守ってあげて下さいね。
(看護師/ホリスティックビューティインストラクター 山本幸美)
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【参考】
※ニッセイ子育てPLUSプロジェクト- 日本生命保険相互会社
※あせも 症状・疾患ナビ タケダ健康サイト – 武田薬品工業