野菜をはじめとした食材を切って冷凍する「下味冷凍」を知っていますか? ジップロックなどの保存袋に下処理をした食材と調味料を入れて冷凍し、食べたい時に加熱する方法です。
冷凍調理に向く野菜の選び方や火の入れ方など、いくつかのポイントを押さえれば、時短かつ料理作りの負担軽減にもなる夢のような調理法です。
ベジ活アドバイザーの筆者が、話題の「下味冷凍」を美味しく作るコツをご紹介します。
■下味冷凍に向いている野菜&向いていない野菜
下味冷凍でむずかしいのが、「野菜選び」です。残念ながら、どの野菜でも美味しく食べられるかというとそうではありません。種類によっては食感が損なわれたり、色味が悪くなってしまうこともあります。
下味冷凍に向いている野菜
おすすめの野菜は、「タマネギ」「キノコ類」「パプリカ」です。
タマネギは解凍の際にドリップして水気がでてしまいますが、甘味が濃縮されるのでタマネギの甘さを楽しめるという利点があります。
キノコ類も同様に調理過程で水分が出てきますが、冷凍してから加熱処理をすることで細胞膜が壊れ、酵素の働きによって旨味が増すといわれています。料理にコクや旨味を加えることに役立ちますね。パプリカは冷凍しても色味を損なわず、比較的良い状態で食べることができます。
下味冷凍に向いていない野菜
「もやし」や「レタス」などの一般的に冷凍に向いていない野菜は下味冷凍にも向いていません。
冷凍すると、食感が損なわれてしまうからです。
■下味冷凍のメリット
冷凍することによって細胞が壊れるので、下味をつけて冷凍すると野菜の中まで味が浸透しやすくなります。
減塩効果も狙うことができ、調理時間の短縮にもなりますよ。
■下味冷凍のデメリット
冷凍することで細胞が壊れてしまうので、野菜特有のシャキシャキとした食感が失われてしまいます。
加熱することでさらに柔らかくなることがデメリットといえるでしょう。
■下味冷凍のレシピ2つ
美味しくできる下味冷凍のレシピを2つご紹介します。誰でも簡単に作ることができます。
肉じゃが
材料(2人分)
・ジャガイモ 2〜3個
・ニンジン 2分の1本
・タマネギ 1個
・豚肉 100g
A
・醤油、みりん、砂糖、酒 各大さじ2ずつ
B
・水 150〜200ml(野菜の量によって加減してください)
作り方
(1)ジャガイモは皮をむいて小さめの一口大に切ったら、水にさらします。ニンジンは皮をむいて小さめの一口大に切ります。タマネギは皮をむいて食べやすい大きさに切り、豚肉は一口大に切ります。
(2)ジップロックなどの保存袋にAの調味料と下処理した(1)を入れてよくもみ込んだら、空気を抜いて冷凍します。※ジャガイモはしっかりと水気を切ってから入れてください。
(3)食べる時は、冷凍のまま鍋にBと一緒に入れて、1度沸騰させます。アクをとって落し蓋をし、汁気がなくなり野菜が柔らかくなるまで煮込んだら完成です(15分〜20分)。
パプリカとピーマン、牛肉のプルコギ
材料(2人分)
・パプリカ 1個
・ピーマン 1個
・ニンジン 3分の1本
・タマネギ 4分の1個
・エノキ 4分の1袋
・牛肉 150g
A
・醤油、酒、ゴマ油 各大さじ1ずつ
・砂糖、コチュジャン 各大さじ2分の1
・すりおろしニンニク 適宜(お好みで加減)
作り方
(1)パプリカ、ピーマンは水洗いをして種をとって薄切りにします。ニンジンは皮をむいて千切りにします。タマネギは皮をむいて薄切りにし、エノキは石づきを切り落とします。牛肉は一口大に切っておきます。
(2)ジップロックなどの保存袋にAの調味料と(1)、水気をしっかりと切った肉を入れてよくもみ込んだら、空気を抜いて冷凍します。
(3)食べる前に冷蔵庫で半解凍させて油(分量外)を敷いたフライパンに入れ、全ての材料に火が通るまで炒めたら完成です。
時短にもなる「下味冷凍」を余裕がある時にぜひ作ってみてください。
(ベジ活アドバイザー 生井 理恵)
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【参考】
※玉ねぎ – 旭化成ホームプロダクツ
※パプリカ – 旭化成ホームプロダクツ
※[きのこの冷凍保存]うまみを堪能!冷凍でおいしく、便利に食す – カゴメ
※家庭での冷凍・解凍の基本を、科学的な観点からまとめました – ベターホーム