寒くなってくると、身体を温める「生姜」を調理で活用する機会が増えてくると思います。生姜は、その時の体調によって使い方を変えた方が効果的ということをご存知ですか?
薬膳のプロである筆者が、効果的な生姜の使い方をご紹介します。
■薬膳的「生姜の効能」3つ
(1)身体を温める
身体を温めることで有名な生姜ですが、特にお腹を温める働きにすぐれています。お腹が冷えることで、胃腸の働きが弱くなり疲れやすい、体調を崩しやすいなどのエネルギー不足による不調が起こりやすくなります。
お腹を温める作用にすぐれた生姜で、胃腸を温めてあげましょう。
(2)胃腸の働きを高める
前述したように、お腹が冷えることは胃腸の調子を崩してしまう大きな原因の1つです。お酒、冷たいお水、フルーツ、生野菜サラダなど、温度が冷たいものや加熱をしていないものを口にすると胃の調子を崩しやすくなります。
このような食習慣が思いあたる方や普段からお腹をくだしやすい、胃が痛くなりやすいという方は、お腹を温める生姜をプラスして胃腸の働きを高めましょう。
(3)発汗作用
生の生姜は身体を即座に温め、発汗を促す作用が期待できます。これからの季節、グッと冷え込んで「寒さの邪気(じゃき)」によりさまざまな不調を招くことがあります。なので、寒気がした時には生の生姜をいただきましょう。
また、汗をかくことで身体にある余分な水分を外に追い出すことができるので、むくみ改善にも効果が期待できるといわれています。
■生姜の使い方
すぐに身体を温めたい場合
外から帰ってきた時に「寒かったー!」と感じたら、生の生姜の出番です。
おすすめは、温かい紅茶にすりおろした生姜を入れて飲むことです。紅茶には身体を温める作用がありますし、生姜には温めながら寒さの邪気を追い出す作用が期待できます。この2つの食材をあわせることで寒さの邪気を追い出し、身体を芯からポカポカと温めてくれます。
冷えを改善したい場合
冷え改善には、生の生姜より加熱した生姜の方がおすすめです。特に、乾燥した生姜は身体をじんわりと温め持続時間も長いため、冷え改善にはもってこいです。
乾燥した生姜は購入するのも良いですが、自宅でも簡単に作ることができます。80度くらいの低温にしたオーブンを設定し、薄く切った生姜を1時間ほどパリパリになるまで加熱します。
生姜を切ってオーブンで焼くだけなので、とても簡単です。これをスープやほうじ茶と組み合わせると美味しいですよ。
■生姜が合わない体質や食べない方がいい時もある
生姜は身体に良いというイメージがあると思いますが、薬膳の世界では「この食材は身体に良い」という考えはしません。「今の自分の状態に合わせて食材を食べる」「こういう体質だからこの食材を選ぶ」というように、食材と自分の体質をマッチングさせることが薬膳です。
ですから、生姜に関しても体質的に合わない方もいますし、普段は食べて平気でもその日の体調によっては摂り入れない方がいい場合もあります。普段から暑がる体質の場合や火照りを感じる、イライラするといったように身体に熱がある場合はあまり向いていませんので、その時は食べないようにしましょう。
生姜をなんとなく食べるのではなく、その時の体調に合わせて意識的に使い方を変えてより効果的に生姜をいただきましょう。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)
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