※2018年3月9日更新
健康法の1つである「断食」。ファスティングとも呼ばれています。どんな方法と効果があるのかご存知ですか?
今回は、初心者にもおすすめしたい、週末にできるプチ断食についてご紹介します。
■目次
1.プチ断食とは
2.プチ断食のうれしい効果4つ
(1)便秘改善
(2)美肌効果
(3)脂肪燃焼効果
(4)脳の疲労回復
3.プチ断食のやり方と注意点4つ
(1)前準備
(2)プチ断食当日
(3)回復期
4.りんごでプチ断食
5.スパッとむくみを解消する「半日ファスティング」の方法
6.プチ断食の注意点
7.プチ断食を成功させるポイント
■1.プチ断食とは
プチ断食とは、半日から1日だけ断食を行う方法のことです。「ファスティング」ともいわれています。
プチ断食を行うことで、普段使い続けている胃腸を休ませることができます。すると、本来の消化吸収機能をとり戻すことができます。
■2.プチ断食のうれしい効果4つ
プチ断食を行うと、うれしい効果が4つ期待できます。
(1)便秘改善
食べ物が体内に入ってこないことにより、胃腸の機能を回復させることができます。
これまで消化吸収のために使われていたエネルギーを、代謝や血液循環にも使うことができます。機能回復や代謝改善により、便通がよくなることが期待できるでしょう。
また、腸内が空っぽになることで、たまっていた宿便が排出されやすくなります。
(2)美肌効果
腸内環境がよくないと老廃物が腸から再吸収されてしまい、肌荒れの原因となります。プチ断食で腸内環境をリセットすることで、老廃物が排出され、美肌をつくることができます。
また、腸内環境が整うと、栄養素も効率よく吸収されるので美肌効果につながるでしょう。
(3)脂肪燃焼効果
体内のエネルギーが不足すると、蓄えていた脂肪をエネルギーとして利用します。
また、内蔵を休ませることで代謝や排出能力が改善され、脂肪燃焼しやすい身体となるのです。
(4)脳の疲労回復
腸内環境が改善し、消化吸収のためにエネルギーが使われないことにより、脳の疲労が回復するといわれています。
リラックス効果があるホルモン「セロトニン」は腸内でつくられているので、腸内環境が改善するとセロトニンを生産しやすくなるようです。
■3.プチ断食のやり方と注意点3つ
プチ断食は、3日間に渡って行うことが理想的です。
以下では3日間のプロセスで行う簡単なプチ断食のやり方と注意点をご紹介します。
(1)前準備
プチ断食を行う前の準備として、前日は食事を軽めに済ませておきましょう。直前まで満腹状態でいると、プチ断食が苦しくなってしまうことも。
この時の食事で避けた方がよいものは、菓子類、揚げ物、ファーストフードなどです。
脂肪は、消化吸収に時間を要するため、プチ断食前の食事としておすすめできません。特に、夜ご飯は脂肪分を控えた軽めの和食にしましょう。
(2)プチ断食当日
プチ断食当日(24時間)は、固形分を口にしないようにします。摂るのは水分のみにしましょう。水やノンカフェインのお茶で済ませるのが理想的です。
脱水にならないように、2リットル程度摂るようにしましょう。
しかし、どうしても辛い場合は、野菜ジュースや酵素ドリンクを飲んでもかまいません。飲み過ぎると糖分の取り過ぎになるので好ましくありませんが、コップ1杯程度ならOKです。
(3)回復期
プチ断食が明けたからといって、急に普段通りの食事に戻すことは厳禁です。1日食べ物を摂っていない身体に負担をかけてしまうからです。
おかゆや豆腐、卵、煮た芋などの消化吸収がよいものをおすすめします。味付けは出汁を使い、薄味に仕上げましょう。味覚もリセットされているため、普段より味を感じやすくなったという方もいます。
普段食べていた量よりも控えめにした方がよさそうです。
■4.りんごでプチ断食
プチ断食初心者には、「りんご」を使うこともおすすめです。急に断食するのはハードルが高いと思う方でも、りんごだけは食べられると思うと挑戦しやすくなるのではないでしょうか。
りんごを使ったプチ断食も、3日間かけて行いましょう。
(1)プチ断食にりんごがいいのはなぜ?
りんごには、「食物繊維」や「カリウム」、「ポリフェノール」などが含まれています。中サイズのりんご1個で約150kcalなので、低カロリーです。
また、りんごは硬いので咀嚼回数も自然と増えることから、満腹中枢を刺激します。
りんごプチ断食の方法
りんごプチ断食を行う3日間は、りんごと飲み物のみを口にしましょう。りんごは皮にも栄養が含まれているので、丸ごと食べるのがおすすめです。
すりおろしやグリルなど飽きないように工夫してみてください。加工するのはOKですが、砂糖やバターなどを加えるのはやめましょう。
注意点
プチ断食と同様に、前日の食事は低脂肪の食事を軽めに摂るようにしましょう。
また、りんごプチ断食後も胃腸が弱っています。消化吸収がよい食べ物から始めて、徐々に普段の食事に戻すようにしましょう。
痩せるからといって、長期間続けるのも厳禁です。身体に必要な栄養素が不足し、体調を崩す原因になりかねません。
■5.スパッとむくみを解消する「半日ファスティング」の方法
1日プチ断食をする時間がとれないという方や、断食入門編として「半日ファスティング」に挑戦してみませんか?
方法
前日の夕食から、18時間以上固形物を口にしないという方法です。朝食を抜くメリットとして、睡眠時間を含むため、昼食や夕食よりも楽に断食できるということが挙げられます。
プチ断食と同じように、半日ファスティング中は固形物ではなく、水やお茶のみを摂取しましょう。半日ファスティングが終わったら、昼食はおかゆなど軽めのものにし、夕食も普段よりも控えめにしましょう。
効果
たった半日のプチ断食ですが、朝食の消化に費やしていたエネルギーを老廃物の排出や代謝にあてることができます。胃腸を休めたり、便秘改善が期待できます。老廃物を排出することで、むくみの解消にも効果的です。
手軽に行えることから毎週決まった日に行ってみたり、慣れてきたら毎日行ったりしてみてはいかがでしょうか。
(1)炭酸水でファスティングダイエット
水やお茶だけしか飲めないプチ断食を厳しいと思う方におすすめなのが、炭酸水を使った方法です。炭酸水は満腹感をもたらすので、水やお茶よりもプチ断食が続けやすいようです。
注意点
炭酸水はノンシュガーのものを選びましょう。酵素ドリンクを飲む場合も、炭酸水で割ると満足感が得られます。
■6.プチ断食の注意点
プチ断食は、正しく行わないとかえって逆効果です。プチ断食をするときの注意点を4つご紹介します。
(1)プチ断食中の過ごし方
プチ断食中は、食欲とのたたかいです。しかし、食べ物のことばかりを考えていると、ストレスが溜まってしまいます。色々と考えすぎないためには、外出するとよいかもしれませんね。
温泉に行ったり、散歩やヨガなどをして過ごすしてみてはいかがでしょうか。ただし、水分補給は忘れずに行いましょう。
また、プチ断食中にどのような自分になりたいかイメージをすることもおすすめです。目標ができるので続けやすくなります。
(2)水分のとり方
水分を1日2リットルは摂るようにしましょう。脱水症状になってしまっては危険です。
また、老廃物の排出にも水分は必要です。水筒を持ち歩き、定期的に摂取することを心がけましょう。
(3)無理をしない
プチ断食は、無理をして行うものではありません。少しでも体調が悪いと感じる場合や生理中は、プチ断食を避けた方がよさそうです。
自分の体調と相談し、コンディションを整えてから行うようにしましょう。低血糖になる場合もあるので、少しでも異変を感じたら中断することをおすすめします。
(4)頻度
プチ断食を1度行えば、劇的な効果が得られるというものではありません。まずは、週末に1度試してみることから始めます。「プチ断食ができそうだな」と思ったら、1カ月間毎週末にプチ断食を行いましょう。その後は、2〜3カ月プチ断食はお休みし、また1カ月間継続するという方法がおすすめです。
体調によってプチ断食を継続できる期間は異なるので、無理はせず自分のペースで進めてください。プチ断食は短い期間なので家でもできますが、本格的な断食を独断で行うのは危険です。
(5)プチ断食に向いていない人
プチ断食は、体力がある健康な方を対象としています。疾患がある方や虚弱体質の方は、プチ断食に向いていません。
自分の体調を確認してから行うようにしましょう。妊娠中の女性もプチ断食は厳禁です。
■7.プチ断食を成功させるポイント
プチ断食は、続けることが大切です。挫折しないためのポイントをご紹介します。
(1)食べ物を見えるところに置かない
食べ物が目についてしまうと、プチ断食の意志がくじけやすく、ストレスの原因にもなります。家でプチ断食中の方は、食べ物を見えない位置にしまっておきましょう。
(2)環境を変える
家で過ごす時間が長いと、食べ物のことを考えてしまう人も多いようです。そんな時は、外に出かけてみましょう。時間を忘れて楽しめる場所があれば、プチ断食中も苦ではなくなるかもしれません。
ただし、プチ断食中に激しいスポーツを行うことは控えましょう。ウォーキングやヨガ、ピラティスなどのゆったりと全身を使う運動がおすすめです。
(3)くじけそうになったら「酵素ドリンク」を
酵素ドリンクは、身体に必要な栄養素がたっぷり含まれています。味も飲みやすく工夫されているものが多いので、「水やお茶だけで過ごすのが辛くなってきた」という時に適しています。
また、お腹に溜まりやすいよう食物繊維を配合しているものも多いので、他の飲み物よりも満足感が得られるようです。
ただし、水分全てを酵素ドリンクに置き換えるのはやめましょう。エネルギーのとり過ぎとなってしまいます。
プチ断食はお手軽に身体の中をリセットできる方法です。普段使いすぎている胃腸を休め、消化機能を改善してみましょう。また、自分の身体を見つめ直すいい機会にもなるので、さっそく挑戦してみてはいかがでしょうか。
(管理栄養士 橋場愛
管理栄養士の資格を持つ、2歳の男の子のママ。管理栄養士の観点から、ためになる記事を発信。)
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【参考】
※“週末プチ断食”に挑戦!! – 養命酒製造
※酵素ダイエットを成功させるファスティング(断食)のやり方・効果とは – ベルタ
※脳の機能に関与する 腸内フローラと「脳腸相関」 – 九州大学大学院医学研究院心身医学教授/九州大学病院心療内科 須藤 信行
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