年末年始に近づき、いつも以上に飲み食べをしてしまう時期になった、という人も多いのではないでしょうか。この季節になると胃腸疲れ、未消化物が胃に停滞する消化不良によるお腹のハリや痛み、便秘や下痢などの症状がみられます。
そんなときに胃腸の元気を取り戻すツボをご紹介します。まずはツボを刺激する方法や見分け方からご紹介します。
■意外と知らない!?ツボの基本
セルフで行うツボ療法は、親指などで「圧す」のほか、「叩く」「揉む」「つまむ」「つかみあげる」の手技もあり、本格的にできるセルフお灸もあります。週末などゆっくりできるときは、セルフお灸もいいですね!
ツボの見分け方
肌を擦ってみると、少しくぼみがあるように感じることがあります。ほかにも、「圧痛」「しこり」「はり」がある部分がツボという場合もあります。ツボの在りかを探してみてください。
ツボの圧し方
親指などで「圧す」場合は、「痛気持ちいい」圧で行い、1圧しあたり6秒×6~10回を目安に。 また、冷たい手ではなく、手をこするなどして温かい手で行うことが大切です。
■食べ過ぎた翌日に圧したいツボ
足三里(あしさんり)
膝の外側で膝下のくぼみから指4本分下。丁度、すねの前面で脛骨筋上にあります。手の親指と人差し指を伸ばして90度の角度をつくり、椅子に腰掛けて90度にした手を膝にはめ込む形で置いた時に中指の当たる辺りです。
■二日酔いのときに圧したいツボ
期門(きもん)
両乳頭の真下と肋骨が交わるところ。「期門」に中指、薬指をあて、そのまま上体を倒して指を挟みこむようにして刺激します。肝臓の元気を改善するのと同時に消化機能を高めます。
太衝(たいしょう)
足の親指と人差し指の間の線上で親指と人差し指の骨が合うところ。肝の異常な昂りを抑え、胃の機能を改善し、消化機能を高めます。
■飲み会続きで胃腸全般が疲れたときに圧したいツボ
脾愈(ひゆ)・胃愈(いゆ)
背中の胃の裏に当たる背骨の両側辺り、親指幅1~2本分のところで、丁度、仰向けの状態で背中に両腕をまわしてあたるあたりです。仰向けに寝て、硬式用のテニスボールやゴルフボールで脾愈と胃愈を刺激するのも効果的です。
ツボを刺激するのにオススメのタイミングは、飲食・飲酒後1時間以内や発熱など、体調が普段と違うとき。妊娠中の方は、特に安定期に入る前ならば、避けた方が無難です。
美味しいものは美味しく飲食できるように、このシーズンは健やかな胃腸を取り戻すツボ圧しを役立ててみてくださいね。
(美巡セラピスト&漢方美容家 余慶尚美)
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【参考】
※兵頭明監修(2012)『経絡・ツボの教科書』(新星出版社)