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身近な食材で不眠対策!大人が安眠のために食べるべき食材

国際薬膳調理師
倉口ゆうみ

薬膳のベースになっている中医学(中国伝統医学)では、不眠にもタイプがあると考えます。もし、「なかなか眠りにつけない」「眠りが浅くて途中で目が覚めてしまう」という方は“血(けつ)不足”になっているかもしれません。

不眠 女性

ずぼらだけど国際薬膳調理師の筆者が、安眠のために食べたい食材を5つご紹介します。

■中医学的「眠りの質が落ちてしまう理由」

以下の項目にあてはまる人は、血が不足して眠りの質が落ちているかもしれません。

□爪に縦線が入っていたり、割れやすい

□肌がくすみやすい

□髪が抜けやすく、パサつく

□目が疲れやすい

□気持ちが不安定になりやすい

血は全身を巡る血液のことで、臓器や組織にうるおいや栄養を与えます。その他にも、精神の安定も図っています。なので、血が減りストレスや不安感があると精神が休まらず、途中で起きたり眠りが浅くなったりします。

また、血液と精神活動を司る「心(しん)」という臓腑の働きが弱まることも、眠りの質を低下させる原因として考えられます。

血は心を通して必要なところに送られているため、心の働きが弱ることで血をうまく巡らせることができず眠りの質が低下してしまうのです。

■アンチエイジングの臓腑「腎」の働き低下も不眠の原因に

「腎(じん)」という臓腑の働きが落ちることも、40・50代が安眠できない理由のひとつかもしれません。心と腎はつながっているため、どちらか一方の働きが弱ると共に弱る傾向にあります。

中医学では、女性の場合7の倍数でからだが変化するといわれており、腎の働きも28歳をピークに35歳、42歳、49歳とどんどん低下していくと考えられています。40・50代は腎の働きが低下しているために心も弱りやすく、血が巡らず安眠できていない可能性が高いです。

少しむずかしく感じたかもしれませんが、安眠のためにまずは食事を変えていきましょう。意識したいキーワードは以下の3つです。

(1)血を補う

(2)心の働きを高める

(3)腎の働きを高める

この3つを意識できるおすすめ食材を5つご紹介しますので、毎日の生活にとり入れてみてください。

■睡眠の質をアップさせる食材5つ

(1)山芋

腎の働きを高める効果にすぐれている他、胃腸系システムである「脾(ひ)」の働きも高めます。また、寝汗改善にも山芋はおすすめです。

脾は食べ物を栄養に変えて全身に届ける臓腑。脾が弱るとせっかく食べ物に気をつかっていても栄養に変えることがむずかしくなってしまいます。日々、山芋を食べて脾と腎の働きを高めましょう。

生でも炒めても、煮ても焼いても美味しいですので、味噌汁や煮物に入れたり炒め物に活用してみてください。

(2)アーモンド

おやつには、アーモンドを食べましょう。アーモンドには血を補う作用の他に、心身の不安を解消する「安神(あんじん)作用」が期待できますので、悩みごとが多い時は特に食べてほしい食材です。

1日に手のひらサイズくらいの量を目安にするといいでしょう。そのまま食べてもいいですし、砕いてサラダのトッピングにしてもいいですね。

にんじんをピーラーで剥いて電子レンジで加熱し、砕いたアーモンドをトッピングした「にんじんサラダ」は、安眠と美容にいいのでお試しください。

(3)黒ゴマ

黒ごま

黒ゴマは血を補い、腎の働きを高める食材です。黒い食材はエイジングケアに欠かせないと昔から親しまれてきましたが、血が少ない不眠の方にもおすすめの食材です。エイジングケアも睡眠の質も高めてくれるなんて嬉しい限りですね。

ゴマはそのまま食べるとほとんど栄養に変えられないので、すり黒ごまを選ぶように心がけてください。炒め物のトッピングにしたり、和え物に入れたりと、さまざまな料理にちょい足ししてみてください。

(4)しじみ

普段の味噌汁をしじみの味噌汁に変えてみましょう。しじみには血を補い気持ちを落ち着ける働きがあるので、心の働きを高めることが期待できます

しじみは少し身体を冷やす性質があるので、温める食材もプラスするといいでしょう。定番である「しじみ×ネギ」の組み合わせは理にかなっています。

(5)イワシ

魚を食べるなら、イワシをチョイスしましょう。イワシは心の働きを高め、血を補う働きが期待できます

生のイワシを買うのが手間な場合は、缶詰に頼りましょう。炊き込みご飯や味噌汁、炒め物、煮物などと、調理のバリエーションが豊富です。イワシ缶をストックして食べる習慣をつけましょう。

薬膳と聞くと手に入りにくい食材のイメージがあるかもしれませんが、こんな身近な食材も不眠のお悩みをサポートしてくれます。ぜひご紹介した食材をストックして、毎日の食事にとり入れてみてください。

(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)

 

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【参考】
※日本中医食養学会/著(2006年)『現代の食卓に生かす食物性味表 改訂2版』燎原書店※栗原毅・中山貴弘・陳志清・菅沼栄・楊暁波/監修(2016年)『漢方・中医学がわかる本』宝島社※坂口珠未/著(2018年)『老いない体をつくる中医学入門』幻冬舎※池田陽子/著(2020年)『1日1つで今より良くなるゆる薬膳。365日』JTBパブリッシング

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