つやプラ世代の方は年齢を重ねるがゆえに、なかなか体重が落ちないとお悩みの方も多いかと思います。
ずぼらだけど国際薬膳調理師である筆者が、スーパーで揃う身近な痩せ体質に導く5つの食材をご紹介します。
■やせ体質のキーワードは「巡りよく」
薬膳のベースになっている中医学(中国伝統医学)では、「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の物質が滞りなくスムーズに巡っていることが、痩せやすい体質に導くと考えます。
気
身体のエネルギー源であり、代謝を促すうえで欠かせないもの。ですから、気が不足して代謝が落ちると体脂肪が燃焼されにくくなり、太りやすくなります。
血
身体の隅々まで栄養とうるおいを届ける物質。血が身体を巡らないと老廃物が溜まりやすく、脂肪がつきやすくなります。
水
身体にうるおいをもたらすもの。ですから、水が足りなくなると火照りやすくなり、余分な水分が溜まることでむくみを招きます。
水は下に流れる性質のため、下半身太りが気になる方は水の巡りが悪い可能性が高いです。
このように、気・血・水の3つの物質がスムーズに身体を巡らないことで太りやすくなってしまうので、滞りなく巡らせることを心がけていきましょう。
■巡りをスムーズにするために欠かせない条件
気・血・水の3つの物質の巡りを良くするためには条件があります。それは、「胃腸が元気であること」です。
気・血・水は胃腸系システムである「脾(ひ)」でつくられますので、脾の働きが弱まると気・血・水が十分に作られません。そうなると気・血・水の量が少ないので、巡りも悪くなります。
川の水も量があることでサラサラと流れますが、少ないと途中で流れが止まってしまいますよね。脾を元気にすることは痩せやすくなるための土台作りですから、日々、脾を労わる食材を食べましょう。
■薬膳のプロが教える!痩せ体質に導く食材5つ
(1)黒豆
アラフィフの方にはぜひとも黒豆を食べていただきたいと常日頃、筆者は思っています。黒豆は、血と水の巡りを良くする働きがあるので老廃物が滞らないように巡りをよくしてくれますし、脾の働きも高めてくれます。痩せ体質を作るために欠かせない食材です。
まずは、お茶を“黒豆茶”にすることからスタートしましょう。
(2)山芋
脾を労わる食材としてよく知られているのが山芋です。脾を健やかにすることは気・血・水の巡りを良くすることに欠かせませんから、日々山芋を食べて脾の働きを高めていきましょう。また、気を補う作用もありますので、代謝アップも期待できます。
煮ても焼いても生でも美味しいですが、まずは“味噌汁”に活用してみてください。山芋、にんじん、白菜の組み合わせは美味しくて効能も◎です。
(3)白菜
むくみを感じる方に特におすすめなのが、白菜です。利尿作用があるので、身体の余計な水分を尿として排出します。梅雨時期はむくみやすいので、積極的に白菜をとり入れましょう。
白菜やとうもろこしを入れた“春雨スープ”がおすすめです。春雨もとうもろこしも利尿作用がありますので、むくみを感じる時はメニューに加えてみてください。
(4)鮭
鮭は気・血を補い、血の巡りを良くする働きがあります。疲れやすい、顔色がくすむという方は、気・血不足の可能性が高いので、魚を食べる時は鮭を選びましょう。
疲れやすい人は痩せるためのエネルギーが不足している可能性が高いので、まずは気・血アップの鮭を普段の食事で食べることを心がけましょう。
おすすめは、野菜やキノコを入れた“ホイル焼き”です。時間がない時は、コンビニで鮭おにぎりを購入してもいいでしょう。
(5)キノコ類
キノコには脾の働きを高める効果が期待できますので、痩せる土台を作るために、常にストックしておいてほしい食材です。特に、しいたけ、まいたけ、えのきだけは脾の働きを高め、気を補う働きがあるのでおすすめです。
筆者は、キノコ、鶏肉、にんじん、油揚げを炒め、めんつゆで味付けをしたものを米と炊いた“炊き込みご飯”をよく食べています。手軽にキノコをたっぷりと食べることができますよ。
薬膳と聞くとハードルが高そうと思われがちですが、意外と身近な食材でとり入れることができます。ご紹介した5つの食材を今日からとり入れて、痩せ体質を目指しましょう!
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)
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【参考】
※日本中医食養学会/著(2019年)『食養生の知恵 薬膳辞典 食物性味表』燎原書店※杏仁美友/著(2012年)『おいしく食べてきれいにやせる!ダイエット薬膳』アスペクト※櫻井大典/著(2018年)『ミドリ薬品漢方堂のまいにち漢方』ナツメ社※池田陽子/著(2020年)『1日1つで今より良くなるゆる薬膳。365日』JTBパブリッシング