40・50代女性は、10・20代の頃に比べてダイエットに苦労するという方も多いかと思います。
管理栄養士の筆者が、なかなか痩せない時に見直すべきポイントについて、ご紹介します。
■40・50代がなかなか痩せない理由とは?
10代後半や20代に比べると、40・50代は基礎代謝が落ちているため、痩せにくくなります。
さらに、脂肪を燃やす働きがある女性ホルモンの分泌が減ることでも、脂肪が体につきやすくなります。
生活習慣などの関係もありますが、ストレスなく体型をきれいに保つために、まずは毎日の食事を見直してみましょう。
■見直すべき食事のポイント4つ
(1)食事の時間
食事の間隔が空きすぎると、次の食事でインスリンや消化液が急に分泌されるため、体に脂肪をため込みやすくなったり、体の不調の原因にもなったりします。
食事後、胃の中は長くても3~5時間程で消化が終わるため、5時間以上食事の間隔が空く場合は、間食をはさむようにしましょう。
間食には、血糖値を上げにくく腹持ちが良いチーズ、ヨーグルトなどのたんぱく質食品や、適度な脂質やビタミンEが補給できるアーモンドやカシューナッツ等がおすすめです。
糖質が多いものでも、カステラやプリンはたんぱく質も含まれるため、利用しやすいお菓子といえますね。
(2)朝食にたんぱく質を
朝食時にたんぱく質を摂取すると、筋肉量が増加しやすいということが分かっています。
筋肉は年齢を重ねるにつれ減っていきますが、基礎代謝は筋肉量に比例しているため、筋肉量を維持することも体型維持やダイエットには欠かせません。
ゆで卵やギリシャヨーグルト、枝豆、ちくわ、モッツアレラチーズやプロセスチーズはたんぱく質が多く、忙しい朝でも手軽に利用できるのでおすすめです。
あわせて、ウォーキングやランニングなどの運動をおこなうと、より筋肉量UPに効果的でしょう。
(3)糖質を減らしすぎない
糖質はダイエット中に摂取を減らしがちですが、あまりに摂取量が少ないと、脂質やたんぱく質など他の栄養素の摂取割合が多くなってしまい、健康的に痩せるには向いていません。
また、糖質は脳のエネルギー源なので、減らしすぎるとフラフラしたり、力が出なかったりと、不調の原因にもなります。
そのため、最低でも朝食・昼食では、何か一品は糖質を含む食品を摂るようにして、完全に糖質オフにしないようにしましょう。
ライ麦パンや全粒粉パン、全粒粉パスタ、オーツ麦、キヌア、蕎麦、雑穀米などは、糖質を摂りながらも食物繊維やミネラル類も補給できるので、ヘルシーに罪悪感なくいただけますよ。
日中は代謝が良く太りにくい時間帯
昼間は、交感神経も活発ですし、活動量も多いため、代謝が良くなる時間帯です。
特に12時から15時頃までは、「BMAL1」という脂肪合成を活発にするタンパク質が減るため、体に脂肪がつきにくいことが分かっています。
反対に、夜遅い食事は、DIT(食事誘発性熱産生)が低くなるため、太りやすいといわれています。
したがって、12時から15時のランチタイムにしっかりと栄養素を補給することが勧められます。
(4)老廃物を体の外に「出す」ことを意識する
食べたものを消化・吸収し、その後はしっかりと排泄することで体の代謝が良くなり、痩せやすい体になります。
また、体の中の老廃物を排泄することで、吹き出物や肌荒れなどの予防にもつながります。
とろろ昆布やわかめなどの海藻類は、水溶性食物繊維が多く、便の量をカサ増しして便通を良くします。
他にも、きなこやバナナに含まれるオリゴ糖や、キムチや甘酒などに多い乳酸菌も、排便には効果的なので意識して取り入れましょう。
また、じゃがいもやさつまいも、かぼちゃ、栗などは、腸の中でガスを発生させて便通を良くする働きがあり、いずれも食物繊維が多いため、排便にはおすすめの食材です。
痩せにくい時は気分も落ち込みがちですが、食べる時間や、取り入れると良い食材を意識することで、食の楽しみを増やすことができます。
健康的にダイエットや体づくりを楽しむために、ぜひ食生活を見直すヒントにしてみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※胃について – 中外製薬
※体内時計に合わせた朝のタンパク質摂取タイミングが筋量増加に効果的 - 早稲田大学
※体内時計調節のタンパク質がメタボ発症と関係していることを究明 - 日本大学薬学部※佐藤和人、本間健、小松龍史 編『エッセンシャル臨床栄養学 第5版』(2009年)医歯薬出版