夏はバテて、ビタミンやミネラル類不足になりがちです。ビタミン・ミネラル類は、代謝に関わるものが多いため、不足すると美容や健康に良くありません。
それらが豊富な「漬物」を食べて、夏を快適に過ごしながら、夏太り対策をしてみてはいかがでしょうか?
管理栄養士の筆者が、夏におすすめの漬物と、漬物に向く野菜をご紹介します。
■夏太りには漬物がおすすめの理由
夏バテで食事摂取量が減ると、ビタミンやミネラルが不足しやすくなります。
ビタミンやミネラルは、体内の代謝に関与していますので、不足すると代謝の悪い体になり、痩せにくくなってしまいます。
漬物は、加熱するわけではないため、野菜のもつビタミン・ミネラル類を壊すことなく摂取することができ、代謝の良い体づくりに効果的だといえます。
市販の漬物には添加物が多く含まれているため、ご自身で作られるのが一番おすすめですよ。
■ダイエット効果がある漬物3つ
(1)ぬか漬け
ぬか漬けには、「乳酸菌」や「ビタミンB1」、「カリウム」が多く含まれていることが特徴的です。
乳酸菌は、腸内環境を整える働きがあるため、スムーズな排便を促し、代謝の良い体づくりに役立ちます。
また、ビタミンB1は糖質の代謝に関わる栄養素なので、糖質を効率良くエネルギーに変換して、痩せやすい体へと導くことができます。
カリウムは、体内の余分な塩分の排出を促す働きがあることから、むくみ予防に効果的。
むくみによる部分太りが気になる人にも、おすすめですよ。
美肌&美白、アンチエイジングにも
ダイエット効果が高いぬか漬けですが、他にも美肌&美白作用が期待できます。
米ぬかに含まれている「フェルラ酸」は、シミの原因となるメラニンの生成を抑える働きがあるのだそう。
また、若返りビタミンとも呼ばれる「ビタミンE」も豊富なため、肌の老化対策にも効果的ですよ。
ぬか漬けの作り方
ぬか漬けは、米ぬか1kgに塩100~120gを加えて混ぜ、40度程度の湯冷ましを作って、少しずつ加えながら捏ねます。耳たぶ程度のかたさになったらOKです。
ぬか床に栄養や水分を与えるために、捨て漬け野菜を入れて、4~5日経ったら野菜を入れ替えましょう。
ぬか床は1日に1~2回、底からしっかり混ぜてください。その後、本漬けになるため、漬けたい野菜をぬか床に漬けましょう。
一度ぬか床を作ってしまえば、あとは1日に1回混ぜるだけで良いため、ぜひ試してみてください。
(2)麹漬け
麹に含まれるコウジ菌は、ビタミンB1やビタミンB2、葉酸などのビタミンB群を産生し、酵母や乳酸菌にそれらの栄養素を供給しています。
ビタミンB群は糖質や脂質の代謝に関わる栄養素ですし、乳酸菌は腸内の環境を整える働きがあるため、代謝の良い体をつくるのに効果的です。
美肌&美白にも
また、麹に含まれる「コウジ酸」には、シミの原因となるメラニンの生成を抑える働きがあります。
さらに、老化の原因となる「糖化」を予防する効果もあるため、麹漬けを食べることは、ダイエットだけでなく肌を美しく保つのにも役立ちますよ。
麹漬けの作り方
麹漬けにしたい野菜をポリ袋に入れて、材料に対して10~15%の塩麹を加え、よく揉んでから、冷蔵庫に入れて30分ほど置いたら完成です。
(3)浅漬け
浅漬けは、「野菜を塩もみして漬けるだけ」というシンプルな漬物なので、野菜の栄養素をそのまま取り入れることができます。
また、低カロリー・低糖質である点も、ダイエットには嬉しいポイントかと思います。
浅漬けにする野菜も、白菜やきゅうり、茄子、キャベツなど、低カロリーで低糖質な野菜を選ぶと良いでしょう。
ダイエット中の間食に
ご飯のお供にも良いですが、小腹が空いたときに食べるのもおすすめですよ。
野菜の食感で満腹感を得やすいですし、野菜の食物繊維が食後の血糖値上昇を抑えてくれるため、ダイエット中の間食に向いています。
意外にもサラダとも相性が良いため、刻んでトッピングして食べても良いかと思います。
■ダイエット効果を高める!漬物におすすめの野菜
オクラ
オクラに含まれる水溶性食物繊維のペクチンは、食後の血糖値上昇を抑える働きがあります。
食後の血糖値上昇が緩やかになると、インスリンの分泌も押さえられるため、体に余分な脂肪がつきにくくなります。
ゴーヤ
ゴーヤに含まれる「モモルデシン」という成分は、体の細胞に糖の取り込みを促すことで、血糖値を下げる働きがあるのだそう。
ゴーヤの苦味が漬物のアクセントになるため、ぜひ試してみてください。
ミニトマト
ミニトマトには、血流を良くすることで代謝を上げる効果がある「リコピン」や、体脂肪を減らすのに役立つ「13-oxo-ODA」などの成分が含まれています。
ダイエットに役立つ成分が豊富なミニトマトも、漬物にすると一味違った美味しさを楽しむことができるため、おすすめですよ。
美容や健康に役立つ栄養素が豊富な漬物を、美味しく、効果的に食べられると良いですよね。いずれも手軽に自宅で作ることができる漬物ですので、ぜひ試してみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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・痩せたい40・50代が使ってはいけない食材3つ
【参考】
※フェルラ酸 – わかさの秘密
※米ぬか – わかさの秘密
※コウジ酸 – わかさの秘密
※ゴーヤ – わかさの秘密
※トマト – わかさの秘密
※板木利隆 監修『からだにおいしい野菜の便利帳』(2010年)高橋書店