「体重を落としても、太ももやふくらはぎが痩せない」と悩んでいませんか? 実は、下半身が痩せるためには、体重を落とすだけでは上手くいかないことが多いのです。
女性の体型改善専門パーソナルトレーナーの筆者が、体重を落としても下半身が痩せない原因と、対策するためのストレッチを紹介します。
■下半身が痩せない原因は「内また」
内まただと太ももの筋肉が使われやすい
内またになると下半身が痩せない原因は、太ももの筋肉が使われやすくなるからです。日常生活動作で太ももの筋肉が発達し、ゴツッとした太ももに……。
「内また」は、太ももの骨が骨盤に対して内巻きになっている状態のことです。そして、そうなってしまう原因は、お尻の筋肉が弱くなっているから。
お尻の筋肉である大臀筋や中臀筋は、太ももの骨を外側に回旋させ、がに股方向に開かせる役割があります。正常であれば、他の筋肉とのバランスでちょうど良い位置に納まっているのですが、弱くなると、股関節を内巻きにさせる筋肉の力に負けて、内またになってしまいます。
お尻の筋肉、立ったり歩いたりするときに重要な役割をになっているのですが、弱くなって太ももが内またになると、使えなくなってしまうのです。
お尻が使えなくなったとき、代わりに使われるのが、太ももの筋肉である大腿四頭筋。股関節を曲げたり、膝を伸ばしたりする筋肉です。
大腿四頭筋が日常生活で使われる頻度が増加すると、この部分が発達。太ももがパンパンに張り、下半身が太って見えてしまうのです。
「大転子」が外に張り出し太く見える
内またになると、大転子(だいてんし)が外に張り出し、太く見えるようになってしまいます。
「大転子」とは、太ももの骨の最上部外側のこと。皮膚の上から触ることもできます。
この大転子ですが、内またになると構造上、外側に張り出してきます。そうなると正面から見たときに太ももが太く見えるようになってしまうのです。
■内またになる原因は「骨盤前傾」
内またになってしまう原因は、骨盤前傾になること。骨盤が前側に倒れることで太ももの骨が内巻きになってしまうのです。
骨盤前傾とは、股関節周りやお腹周りの筋肉が固くなったり弱くなったりすることで、骨盤が通常の位置よりも前側に倒れてしまう状態のことです。
体の構造上、骨盤と太ももの骨は連動しており、骨盤前傾になると太ももの骨は内側に入る力が働くのです。
太ももの骨が内側に入ると、お尻の筋肉が引っ張られて使えなくなってしまい、太ももの筋肉をより強く使うようになります。
そのため、太ももの筋肉が発達しやすくなり、下半身が痩せにくくなってしまうのです。
■骨盤前傾は股関節の筋肉が固くなることで起こる
骨盤前傾する原因の一つに、股関節の筋肉である腸腰筋が硬くなることがあります。
「腸腰筋」は、腰部・骨盤前面から太ももの骨に向かってくっついている筋肉。見た目にはみえない、体の奥底にあるインナーマッスルと呼ばれる筋肉です。
主な機能は、股関節を曲げて脚を上げたりすること。一方で、デスクワークが続くなどずっと股関節が曲がっている状態だと固くなってしまいます。
この筋肉を柔らかくすることが、骨盤前傾を改善するために効果的な方法です。
■下半身スッキリ!骨盤前傾を改善する腸腰筋のストレッチ
骨盤前傾を改善するための腸腰筋ストレッチを紹介します。
(1)マットなどの上に片膝立ちになり、足を前後に開きましょう。足幅は腰幅で、前脚はかなり前に大きく出しましょう。
(2)腹筋に力を入れて固くします。固くしたまま、鼻から息を吐きながら体を前にスライドさせます。そうすると、足の付け根にストレッチ感を感じるでしょう。
(3)鼻から呼吸を自然にゆっくりと行いながら、30秒間キープします。
(4)左右反対側も、同じように行いましょう。
注意点
体がグーッと反り返ってしまうのはNGです。そうなると、あまりストレッチ感が感じられません。体は反らせず垂直のまま、前へスライドさせていきましょう。
特に、デスクワークなど座りっぱなしの方が固くなりやすい腸腰筋。しっかりとほぐして骨盤前傾を改善し、スッキリとした下半身を手に入れましょう。
(パーソナルトレーナー 藤本 千晶)
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