「私と同じぐらいの年齢のあの人、更年期のはずなのにどうしてあんなに元気なんだろう?」
そんなふうに思ったことはありませんか?
更年期症状は、ある一定の年齢になると誰でもあらわれる……というものではなく、症状が出やすい人もいれば、ほとんどあらわれないという人もいます。
今回は、横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師/臨床検査技師の木村英子さんに、更年期症状が出やすい人の特徴について教えていただきました。
更年期症状に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
■更年期症状が出やすい人がいるって本当?
更年期症状とは一般的に、下記のようなものを指します。
のぼせ、ほてり、冷え症、異常な発汗、めまい、抑うつ、イライラ、不眠、頭痛、肩こり、腰痛、など。
また、これらの更年期症状は、ある一定の年齢になったときに全員にあらわれるのではなく、個人差があります。
その人自身の性格や環境などにより、更年期症状の出やすさは異なるのです。
■更年期症状が出やすい「性格」とは
では、更年期症状が出やすいといわれるのはどのような性格の人なのでしょうか。以下にご紹介します。
真面目で神経質
真面目かつ神経質で、責任感が強い性格の人は、更年期症状が出やすい傾向にあります。
仕事でもプライベートでも真面目で、責任やプレッシャーに押しつぶされそうになっている人は、余計なストレスを抱え込みやすく、そういった心の問題が更年期症状を引き起こしている場合があるのです。
献身的
献身的で常に他人に気を遣いがちな人もまた、更年期症状が出やすいとされています。
他人のことを思いやるあまり、自分のことを後まわしにしたり我慢したりすることで、ストレスをため込みやすくなります。
完璧主義
そのほか、頑張り屋かつ完璧主義で、「〜するべき」「〜であるべき」といった形で自分を追い込んでしまう人もまた、更年期症状に陥りやすいとされています。
総じて、自分に厳しい人は余計なストレスをため込みやすく、更年期に悩まされるというパターンがあることがわかります。
■更年期症状が出やすい「環境」とは
性格だけではなくその人が身を置いている環境も、更年期症状が出やすい原因のひとつとなります。
職場の人間関係や夫婦仲にストレスがある
職場の人間関係や夫婦仲が良くないことにストレスを抱え、悩むことに多くのエネルギーを費やしているという人もまた、更年期症状が出やすいとされています。
「状況が良くないのは自分のせいだ」と思い込むことにより、更なるストレスを抱えやすくもあるため注意が必要です。
睡眠時間が短い生活が続いている
仕事や家事育児、または親の介護などで忙しく、睡眠時間が短くなっていませんか?
せわしなく働きすぎてろくに休むこともできず、ストレスがたまってしまうパターンもあります。特に、睡眠時間が減ると体調不良にも直結してしまうため、注意が必要です。
ライフイベントが重なっている
更年期は、子供の進学や受験や独立、夫や自分の定年、親の介護や死別など、自分や家族のことなどで、さまざまなライフイベントが多い時期です。
環境の変化についていけず、知らないうちにストレスがたまっていることもあるでしょう。
■更年期を前向きに乗り越える3つの方法
更年期とうまく付き合い、前向きに乗り越える方法をご紹介します。
リラックスできる時間をつくる
余計なストレスをため込まないように、リラックスできる時間を意識的につくることが重要です。
仕事や家事に追われて休む暇がないという人でも、ほんの10分立ち止まってお茶を淹れる、本を読む、昼寝をするなど、からだを休める習慣をつくることから初めてみてはいかがでしょうか。
生活習慣を見直す
良質な睡眠をとるためには、生活習慣から見直す必要があります。
寝る時間を明確に決めておき、その時間までには布団に入るようにしましょう。
また、眠る前にスマートフォンを使用すると、睡眠の質が低下してしまうため注意が必要です。
漢方薬を飲む
また、内側から更年期症状の改善を目指す場合は漢方薬の服用もおすすめです。
漢方薬は、更年期症状の原因となる、血流や自律神経、ホルモンバランスの乱れを整えることで、心身の不調の根本改善を目指します。
さらに、更年期によく起きるイライラや落ち込みなどの精神症状や腹痛や関節痛などの身体症状、ホットフラッシュやほてりなど、血管に関する症状にもアプローチすることができます。
自然由来の成分でできている漢方薬は、一般的に副作用が少ないといわれています。さらに西洋薬とは異なり、体質を根本的に改善する役割を担うというのも漢方薬の特徴です。
繰り返す更年期症状に困っているという人には、漢方薬を用いた治療がおすすめです。
毎日決められた量を服用するだけで良いため、激しい運動や厳しい食事制限などの手間がないという利点もあります。
更年期症状におすすめの漢方薬
加味逍遙散(かみしょうようさん)
更年期症状のうち、特に不安やイライラなどの精神症状やほてりを抑えるために用いられます。
加味帰脾湯(かみきひとう)
疲れや不安、不眠に用いられます。胃腸の機能を高めて、貧血、不眠、精神不安を改善する漢方薬です。
このように、漢方薬にはさまざまな種類があるため、どれを選んだら良いかわからないという人もいるのではないでしょうか。自分に合った漢方薬を選ばなければ、思ったような効果が得られないどころか、副作用が生じてしまう恐れがあります。
薬剤師やAIが自分に合った漢方薬を選んでくれるオンラインサービスもあるため、気になる方は試してみるのもいいでしょう
■ストレスを溜め込まず、前向きに更年期を乗り越えよう!
更年期を前向きに乗り越えるためには、ストレスをため込まない生活を送ることが重要です。
また内側からの改善を目指す人は、漢方薬の服用も検討してみましょう。
【監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生 プロフィール】
医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『病気が治る「脳」の健康法』『脳疲労に克つ』他。
【漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん プロフィール】
薬剤師/臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。
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