「ナッツ」が美容や健康に良いことはよく知られていますよね。とはいえ、ひとくちに「ナッツ」と言っても、さまざまな種類があります。
痩せたいときには、どんな種類を選べばよいのでしょうか?
管理栄養士の筆者が、ダイエットに役立つナッツを3つご紹介します。
■ナッツがダイエットに向いている理由
ナッツはカロリーや脂質が多いにも関わらず、ダイエットに向いていると言われているのはなぜでしょうか。
美容や健康によい栄養素が豊富
ナッツに含まれる脂質は「一価不飽和脂肪酸」や「多価不飽和脂肪酸」という、身体に良い作用をもたらすものです。そのため、過剰に摂取しない限りは、太るデメリットよりも美容や健康面に良い影響を与えてくれます。
例えば、ナッツ類に多く含まれる「オレイン酸」という一価不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。また、多価不飽和脂肪酸も、血圧を下げたり悪玉コレステロールを減らしたりする働きをもちます。
これらをコントロールすることで、健康維持やダイエットに役立つというわけなのです。
食物繊維が豊富
ナッツは「食物繊維」が豊富であることも、ダイエットに向いている理由の1つです。食物繊維は、食後の血糖値上昇を抑えてインスリンの分泌を抑制する働きがあるため、脂肪がつきにくい身体へと導きます。
また、食物繊維には便秘解消効果も期待できるため、代謝の良い身体づくりにも役立ちます。
■痩せたいならコレ!ダイエット中におすすめのナッツ3選
(1)アーモンド
アーモンドには、100グラムあたり9.3グラムもの「不溶性食物繊維」が含まれています。不溶性食物繊維は、腸内で水を吸って膨らみ、腸を刺激することで腸の動きを活発にして、腸内環境を整える効果があります。
腸内環境が整うと、食べ物から摂取した栄養素の消化・吸収や、老廃物の排出がスムーズに行われるため、代謝が上がり痩せやすくなります。
また、アーモンドには「ビタミンB2」が多く含まれています。ビタミンB2は脂質の代謝を促す働きがあるため、脂質をエネルギーに効率良く変えることで、痩せ効果が期待できます。
美肌づくりに役立つ栄養素も
「ビタミンB2」は皮膚の機能を正常に保つ働きもあるため、美肌づくりにもおすすめです。
(2)くるみ
くるみは高い痩せ効果が期待できるナッツなので、常備しておくことをおすすめします。
くるみはナッツ類のなかで、オメガ3脂肪酸の一種である「αリノレン酸」を最も多く含みます。αリノレン酸は体内で「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」に変換され、血液をサラサラにする効果が期待できます。
また、血行を良くすることで代謝もアップし、痩せ効果が得られる食材といえるでしょう。
気になる骨の健康維持にも
米国人を対象にした研究で、「αリノレン酸が豊富な食事」と「リノール酸という“脂肪酸”が豊富な食事」を食べた場合、前者の方が骨の健康を維持できたのだそう。
40・50代女性は、女性ホルモンの分泌低下による「骨の健康」にも目を向ける必要があります。くるみは痩せ効果だけでなく骨の健康維持にも役立つため、特におすすめのナッツといえます。
(3)ピーナッツ
ピーナッツは「ビタミンB1」や「ビタミンB6」が豊富なナッツです。ビタミンB1は糖質の代謝を、ビタミンB6はタンパク質の代謝を促す働きがあるため、食べ物から摂取した栄養素を効率良くエネルギーに変えて、脂肪がつきにくい身体へと導きます。
ピーナッツは、薄皮ごと食べることがポイントです。料理にピーナッツを使う場合も、薄皮ごとを意識しましょう。薄皮の部分には、ポリフェノールの一種「レスベラトロール」が含まれています。
マウスでの実験ではありますが、レスベラトロールを添加したエサを食べることで、血糖コントロールや脂質代謝が改善されたということがわかっています。
美肌や美白にも役立つ
レスベラトロールは、肌のシワやたるみケアをはじめ、メラニン生成の抑制にも役立つため、美肌&美白効果も期待できます。
ダイエット中の間食にナッツを食べる方は多いと思いますが、サラダや肉炒めなどの料理にプラスしても、食感や風味が良くなります。ぜひ、ナッツを間食や食事に取り入れてみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※くるみのオメガ3脂肪酸 – カリフォルニア くるみ協会
※くるみ – わかさ生活
※栄養満点の落花生 – 全国落花生協会
※レスベラトロール – わかさ生活