季節ごとの美味しさを楽しめる、旬のフルーツ。
生で食べるとフルーツ本来のみずみずしさを感じますが、秋冬に腸活や温活をする場合は、加熱して食べる「ホットフルーツ」もおすすめです。
インナービューティー料理研究家の筆者が、腸活・温活におすすめのフルーツと、その手軽な食べ方をご紹介します。
■秋冬は体を温めることが大切!
一気に寒さが加速するこの時期は、「冷え」が気になりますよね。“冷え性”といっても、指先などの末端が冷えやすい、お腹(内臓)が冷えやすいなど、人によってさまざまかと思います。
“冷えは万病のもと”とよく聞くように、身体が冷えた状態が続くと、消化不良や腸内環境の乱れを招きやすくなります。
さらに、代謝の低下や肌荒れ、自律神経・ホルモンバランスの乱れなどにもつながる場合があります。
そのため、特に秋冬は、毎日の食べ物で身体の内側から温めることがとても大切なのです。
■ホットフルーツのメリット
フルーツには、身体の機能を整え美肌作りをサポートする「ビタミン類」や「ミネラル類」が豊富ですが、加熱調理をすると、生食と比べると栄養価が激減するものもあります。
一方で、加熱することでその栄養価が高まるものもあります。
水溶性食物繊維の一種である「ペクチン」は、加熱調理することで分解されてゲル状になり、食材がやわらかくなるため、皮ごと食べやすくなり、腸活をサポートします。
また、フルーツは基本的に水分量が多いものがほとんど。みずみずしい分、秋冬には身体が冷えやすいというデメリットがありますが、加熱調理ならその点も安心です。
そのため、腸活や温活を目的とするならば、ホットフルーツがおすすめなのです。
■ホットフルーツの手軽な食べ方
バナナ
バナナは、加熱することで甘みが増すうえ、「フラクトオリゴ糖」が増え、腸内環境を整えてくれます。
スライスしてフライパンで焼き、メープルシロップやチョコペンなどでカスタマイズするだけでスペシャルなおやつに仕上がります。
パウンドケーキなどの焼き菓子や、パンの生地に混ぜ込んで焼くだけでもOKです。
リンゴ
焼きリンゴやアップルパイでも人気の、リンゴ。
筆者は、すりおろしたリンゴをバルサミコ酢と合わせて軽く煮詰めたソースを、魚や肉のグリルに合わせるのがお気に入りです。
リンゴは皮部分に「食物繊維」や「ポリフェノール類」が豊富なので、皮ごと薄くスライスしたりんごをさっとあぶって、ナッツやチーズ、はちみつなどと合わせて食べるのもおすすめです。
柿
柿は食物繊維が豊富なので、腸活におすすめです。
柿が大量に手に入ったときは、コンポートやジャムにすると甘みが増して美味しくなります。
生で食べるとカリッとした食感と自然な甘みが特徴的ですが、加熱すると全く別のフルーツのような甘みととろみを楽しめます。
ドライフルーツにしても美味しいですよ。
キウイフルーツ
キウイフルーツに豊富な「ビタミンE」は、加熱に強い脂溶性ビタミン。高い抗酸化作用で、エイジングケアにも欠かせない栄養素です。
ただし、「アクチジニン」などのたんぱく質分解酵素や「ビタミンC」は、加熱により失われてしまいます。ビタミンEや「食物繊維」の摂取目的なら、加熱調理をしても良いでしょう。
普段の食べ方に飽きてしまった時や、温活・腸活が気になる時は、ぜひ「ホットフルーツ」で食材の新しい美味しさを楽しんでみてくださいね。
(インナービューティー料理研究家 フードコーディネーター 國塩 亜矢子)
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【参考】
※吉田企世子・松田早苗/監修(2016年)『あたらしい栄養学』高橋書店※上西一弘/著(2016年)『栄養素の通になる』女子栄養大学出版部※板木利隆/監修(2008年)『からだにおいしい 野菜の便利帳』高橋書店※吉田企世子/監修(2016年)『旬の野菜の栄養辞典』エクスナレッジ※蒲池桂子/監修(2010年)『美肌美人栄養学』エクスナレッジ※三輪正幸/監修(2012年)『からだにおいしい フルーツの便利帳』高橋書店※森拓郎/著(2021)『きれいな人の老けない食べ方』SBクリエイティブ