冬になり、一層肌が乾燥しかねない「更年期」。
管理栄養士の筆者が、更年期世代の乾燥肌対策におすすめの食材をご紹介します。
■更年期と乾燥肌の関係
「女性ホルモン」は、肌の弾力や水分を保つ働きがあります。
なので、更年期で女性ホルモンの分泌量が急激に低下すると、肌が乾燥したり弾力がなくなったりする場合があります。
乾燥して弾力がない肌は年齢よりも老けて見えやすいため、スキンケアはもちろんのこと、毎日の食事からも乾燥肌対策を行っていきましょう。
■更年期の乾燥肌対策におすすめの食材3つ
(1)牛すじ
牛すじには「コラーゲン」が豊富に含まれているので、乾燥肌対策に役立ちます。コラーゲンを摂取して体内でコラーゲン合成が活発になると、肌に弾力やハリが生まれるのだそう。
これまで、コラーゲンを口から摂取しても肌には届かないといわれてきましたが、コラーゲンが分解されてできる「コラーゲンペプチド」は、肌の細胞にまで届くことが報告されました。
また、20歳以降は体内のコラーゲン量が減っていくことからも、食事から積極的にコラーゲンを摂取することが大切です。
ポイント
コラーゲンの合成には「ビタミンC」と「鉄」が必要であるため、これらを一緒に摂取すると効率良く乾燥肌対策ができるでしょう。
ビタミンCは赤ピーマンや芽キャベツ、ブロッコリーに多く、鉄はレバーやシジミに多く含まれているため、組み合わせて食べてみてください。
(2)サバ
サバには、体内で合成できない必須脂肪酸である「EPA(エイコサペンタエン酸)」や「DHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。
これらは血流を良くする効果が期待できるため、肌のターンオーバーを改善して乾燥肌対策に役立ちます。
また、EPAには炎症を抑える効果も期待できるため、肌のトラブル予防としても強い味方になってくれるでしょう。
さらに、EPAやDHAには、イライラを抑えて情緒を安定させる働きもあるのだそう。なので、サバは更年期のイライラにお悩みの方にもおすすめです。
ポイント
生のサバももちろん良いのですが、サバの缶詰にも豊富なEPAやDHAが含まれています。手軽に活用できるため、乾燥肌対策のために常備しておくと良いですね。
EPAやDHAは加熱調理の過程で流出しやすいため、味噌汁や炊き込みご飯など、成分を丸ごと摂取できる調理法でいただきましょう。
(3)みかん
みかんは、手軽に「βカロテン」を摂取できる食べ物です。
βカロテンは体内で「ビタミンA」に変換されるのですが、ビタミンAには肌の新陳代謝を高める働きや、肌にうるおいを与える働きがあるため、乾燥肌対策におすすめです。
ポイント
βカロテンは脂溶性ですので、脂質を含む牛乳やヨーグルトと組み合わせて食べると◎。
みかんには、βカロテン以外にも「ビタミンC」や「βクリプトキサンチン」などの美肌づくりに役立つ栄養素が含まれているため、乾燥肌以外の肌トラブルにもお悩みの方は積極的に摂ると良いでしょう。
更年期の乾燥肌にお悩みの方は、スキンケアで肌の外からのケアも行いながら、ご紹介した食べ物を意識して食事に取り入れてみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※乾燥が気になる更年期世代。正しい対策とケアで、トラブルを回避しよう! – 大正製薬
※コラーゲンペプチドが皮膚に届くことを確認 – ファンケル
※コラーゲンとは?効率的な摂取方法とコラーゲンが多い食品 – ネスレ日本