目元の印象は、顔全体の印象を左右します。特に目の下に現れる「クマ」は、年齢や疲れのサインとして老けた印象を与えがちです。
エステティシャン歴20年の筆者が、クマを薄くするために効果的なマッサージをご紹介します。
■クマの原因&セルフチェック方法
クマには「青クマ」「茶クマ」「黒クマ」などの種類があります。
それぞれの原因と対策は異なりますので、自分のクマのタイプを正しく把握することが大切です。
青クマ
青クマは、血行不良が主な原因であり、酸素供給が不足して目の下の血管が透けて見えることで発生すると考えられます。
遺伝的な要因や生活習慣の乱れが影響を与えることもあります。
また、水分不足や睡眠不足が続くと、目の周りの皮膚が薄くなり血管が透けやすくなる場合もあります。
セルフチェック方法
青クマかどうか判断するには、目の下を押してみてください。
目の下を軽く押して、クマの色が変わるかどうかを確認します。色が変わらない場合は、青クマではありません。
クマの色が変わる理由は、血管に圧力がかかって血流が変化するためです。
茶クマ
茶クマの主な原因として、紫外線や目の疲れ、かゆみなどが挙げられます。
紫外線はメラニン色素の生成を促進し、目の疲れやかゆみは、目の周りの皮膚に炎症を起こし、メラニン色素の沈着を招きます。
そのため、適切なUVケアや生活習慣が欠かせません。
また、「トラネキサム酸」や「ビタミンC誘導体」など、メラニンの生成を抑える成分が配合されたスキンケア製品を活用することもおすすめです。
セルフチェック方法
茶クマかどうか判断するには、目の下を引っ張ってみてください。
目の下を軽く引っ張って、皮膚の色を確認します。皮膚の色が均一な場合は、茶クマではありません。
皮膚の色が不均一な場合は、茶クマの可能性があります。それは、メラニン色素が皮膚の奥に沈着しているためです。
黒クマ
黒クマの主な原因として、加齢や遺伝、体質などが挙げられます。
加齢によって目の周りの皮膚がたるみ、目の下の凹みや膨らみが目立つことで黒クマとなる場合があります。
遺伝や体質は、目の下の骨格や脂肪の分布に影響します。目の下の骨が突出していたり、脂肪が多かったりすると、影ができやすくなるでしょう。
セルフチェック方法
黒クマかどうか判断するには、目の下の影を見てください。
目の下の影は光の角度や明るさによって変化するため、明るい場所や暗い場所で目の下の影が変わるかを確認します。
目の下の影が変わらない場合は、黒クマではありません。目の下の影が濃くなったり薄くなったりする場合は、黒クマの可能性があります。
目の下の影が変わる理由は、目の下の凹みや膨らみが光の反射に影響するためです。
■気になるクマに!おすすめマッサージ
クマ改善のためにおすすめのマッサージを3つご紹介します。マッサージの際は、クリームやオイルを使って摩擦を抑えながら行ってください。
(1)目の下を軽く叩く
目の下を軽く叩くことで、血行を促します。
人差し指と中指の先端で、目の下の内側から外側に向かって、やさしく叩いてください。このとき、目は閉じたまま行ってください。
これを10回繰り返します。
(2)目の下を指でなぞる
目の下を指でなぞることで、リンパの流れを促します。
中指と薬指の腹で、目の下の内側から外側に向かって、やさしくなぞってください。このとき、目は閉じたまま行ってください。
これを10回繰り返します。
(3)目の下を引っ張る
目の下を引っ張ることで、目の下のたるみをケアします。
人差し指と中指の先端で、目頭の下部分を軽くつまんでください。このとき、目は閉じたまま行ってください。
次に、つまんだ指をこめかみ側に向かって軽く引っ張ります。このとき、目の下の筋肉に抵抗を感じる程度の力加減で行ってください。
この状態を10秒間キープし、ゆっくり元に戻します。これを5回繰り返しましょう。
マッサージをする際の注意点
目の周りの皮膚は、顔の皮膚で最も薄くてデリケートな部分です。強い力でマッサージをすると逆効果になったり、皮膚にダメージを与えたりする場合があります。
そのため、弱い力でやさしくマッサージをすることが重要です。
また、目の下のクマは、乾燥によって悪化する場合もあります。
マッサージ前にすべりを良くするため保湿クリームやオイルなどを塗りますが、マッサージをした後も保湿することを忘れないようにしてください。
その際は、目元専用の美容液やクリーム、パックを活用することもおすすめです。
■日常生活で注意したいこと
しっかり睡眠時間をとる
マッサージだけでは、クマを完全に消すことはむずかしいです。クマの原因を招く生活習慣や体調を改善することも大切です。
特に、睡眠と栄養は、目の周りの血行や代謝に大きく影響を与えます。
睡眠不足は目の周りの血流悪化を招くため、クマの色が濃くなる場合があります。また、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」は、皮膚の修復や新陳代謝をサポートします。
そのため、毎日7時間以上の睡眠をとることが望ましいです。
バランス良く栄養を摂る
栄養不足は目の周りの皮膚の弾力やハリを低下させ、クマを目立たせる場合があります。また、栄養バランスの悪い食事は、血液の流れや酸素の運搬に悪影響を及ぼしかねません。
特にビタミンC、ビタミンE、ビタミンAは、血行促進やメラニンの排出を促す効果が期待できます。クマが気になる人は、これらの栄養素を含む食事を意識しましょう。
老け目を改善しクマを消すためには、正しいマッサージ法と適切なケアが重要です。シンプルなテクニックを日常に取り入れ、若々しい目元のキープに役立ててください。
美しい目元は自信をもたらし、顔全体の印象を明るくします。目元のケアを怠らず、健やかで輝く表情を手に入れましょう。
(エステティシャン・アロマ師 生出 和恵)
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