見た目年齢をグッと引き上げる「首のシワ」。
目につきやすく、マスクなどでも隠せない部分なので、なんとかしたいですよね。
エステティシャンの資格を持つ筆者が、気になる首の老け印象の代表「シワ対策」をご紹介します。
■首の肌は他と違う?
首の肌は顔と違って、以下のような特徴があります。
・汗腺が多く汗をかきやすい
・皮脂腺が少なく油分が少ない
・顔に比べて皮膚が薄く刺激を受けやすい
・真皮層が薄くハリや弾力が失われやすい
首の肌は、汗の量が多いものの皮脂量が少なく、他の部位に比べて水分が蒸発しやすい環境にあります。
さらに顔と比較して皮膚そのものが薄く、肌ダメージや老化がおこりやすい部分でもあります。
美しく若々しい首元になるためには、顔と同じく、日々のお手入れがとても大切です。
■首のシワには種類がある?
ひとことで「首のシワ」といってもいくつか種類があり、原因もさまざまです。
代表的なシワを紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
(1)縦ジワ
あご下辺りから首の付け根に向けて、縦に細かく入るシワです。
原因は、あごから鎖骨にかけて縦方向に伸びている「広頚筋(こうけいきん)」の衰えで、年齢とともに目立ってくる代表的な首のシワです。
特に痩せている人に出やすい特徴があります。
(2)横ジワ
皮膚の折り目に沿って年輪のようにできるシワです。
このシワは40・50代だけでなく、どの年代でも起こりやすい首のシワです。
主な原因は2つあり、1つ目は乾燥や紫外線による肌ダメージにより、ハリのある肌に欠かせないコラーゲンやエラスチンが減少することです。
2つ目は、スマートフォンやパソコンによる下向きの姿勢や、枕が高すぎることによって、折り目がつくことです。
(3)小ジワ(ちりめんジワ)
目元や口元にできるような細かなシワが、首全体に細かく現れた状態です。
加齢や乾燥、蓄積された紫外線ダメージによって、肌の水分や弾力が失われることが原因です。
■老けた首元を改善!今日からできる対策5つ
「すでにシワができている」「今からお手入れしても遅いのでは?」と悩んでいる人も、諦める必要はありません。
今日からできる、簡単なお手入れを紹介しますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
(1)保湿
乾燥しやすい首元のお手入れの基本は、保湿です。
顔のスキンケアをする際に、一緒に首もお手入れすれば、わざわざ手間をかける必要もなく、毎日続けられるのでおすすめです。
「しっかりお手入れしたい」という人は、首の肌を考慮した専用のネッククリームなどもありますので、チェックしてみてくださいね。
ただしどのアイテムを使用する場合でも、首の皮膚はとても繊細なので、塗布する際に摩擦や圧はかけすぎないよう、軽くなでる程度の力加減で使いましょう。
(2)UVケアは首までしっかり
スキンケアの次に注意しておきたいのが、紫外線対策です。
首の皮膚は薄く繊細であるため、紫外線ダメージは顔以上に受けやすく、油断するとあっという間に老けた印象になります。
首元は皮膚の刺激を受けやすいため、摩擦が起こりにく滑らかなテクスチャーのものや、お風呂で落としやすい石けんで落ちるタイプなど、使い続けやすいものを使用するのがおすすめです。
(3)ストレッチ
広頚筋(こうけいきん)をはじめとした、首周りの筋肉をストレッチでほぐすのもおすすめです。
長時間同じ姿勢でスマートフォンやパソコンなどを操作していると、筋肉が凝り固まり、血行不良になってしまいます。
血行不良になると肌に必要な栄養が運ばれにくくなるため、シワや首の老化につながります。
特に時間の指定はありませんが、以下にご紹介するストレッチをそれぞれ5〜10秒ずつ程度を目安に、ほぐしてあげましょう。
右回り、つづいて左回りに、1周5秒ほどかけて、それぞれ3〜5回ほど回します。
次に左右に順に倒し、図のように手を乗せ、手の重みでゆっくりと首の側面を伸ばします。
続いて、鎖骨の下あたりを10秒ほどほぐしてから、胸に手を当ててゆっくりと上を向き、5〜10秒ほどかけてゆっくり伸ばします。
そのまま少し首を傾けて、左右の筋肉にもアプローチします。
(4)頭部マッサージ
首につながる部分のマッサージもしておきましょう。
首からフェイスラインにアプローチができる耳の後ろから側頭部にかけて、下から上に向かって軽く円を描くようにほぐします。(片側1分程度、左右順番に)
(5)姿勢の見直し
姿勢も首のシワに大きく関わります。
スマートフォンなどの使用により日頃から下を向く姿勢が多い人は、定期的に(3)のストレッチを取り入れるなど、同じ姿勢が続かないようにすることも大切です。
また枕が高く首が折れ曲がっている人は、首がまっすぐ伸びる程度の高さにするなど、調節するのがおすすめです。
人目に触れる範囲が広い首元の肌にハリとツヤがあると、若々しく輝いた印象を与えることができますので、ぜひこの機会に、首周りのお手入れを取り入れてみてくださいね。
(ヘルス&ビューティーコンシェルジュ 西川美佐子)
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【参考】
※頚部・デコルテの皮膚生理機能と形態特徴の加齢変化(PDF) – 日本香粧品学会
※『新エステティック学 技術編』日本エステティック協会※ABLC認定「ヘッドメディカリストアドバイザー検定」テキスト※『からだと耳のツボ療法 ニューハンドブック』星野忠宏 編著・長生出版(2001年)