腸内フローラと健康・美容の関係が注目されていますね。腸内フローラの菌の構成は人それぞれですが、その構成を食べる物によって変えることができます。
腸内細菌の中には、食べものを発酵分解する際に短鎖脂肪酸という成分を産生し、同じものを食べても太りにくいヤセ体質に関わる腸内細菌がいて、通称“ヤセ菌”と呼ばれています。増やすためには、ヤセ菌のエサとなる食べものを積極的に取り入れましょう!
■ヤセ菌のエサとなる「水溶性食物繊維」
食物繊維には、ボソボソとした筋っぽい不溶性食物繊維と、サラサラ、ネバネバした水溶性食物繊維があります。ヤセ菌のエサとなるのは、水溶性食物繊維です。
ヤセ菌やビフィズス菌が水溶性食物繊維を発酵分解する際に産生される「短鎖脂肪酸」には、総合的な肥満の予防効果が期待されています。
具体的には、脂肪細胞への脂肪の蓄積を抑える、食欲に関わるホルモンの分泌をコントロールする、満腹感を持続させる、交感神経を刺激して脂肪の燃焼をうながす、などの働きです。
水溶性食物繊維にはこの他にも、一緒に食べたものの糖や脂肪の吸収を穏やかにする働きもありますから、ダイエットを心がけている方には欠かせない成分です。
■ヤセ菌が増える!?水溶性食物繊維の多い食べもの5つ
(1)もち麦
TVでも話題のもち麦。もち麦には、白米の約20倍の食物繊維が含まれ、その6割が水溶性食物繊維です。白米に水溶性食物繊維はほとんど含まれていませんから、白米をもち麦に変えるだけで水溶性食物繊維をとることができます。
(2)海藻
海藻のネバネバ、トロトロも水溶性食物繊維です。メカブやモズク、ワカメなどの海藻を毎日の食生活に取り入れてみましょう!
(3)納豆
納豆のネバネバも水溶性食物繊維の仲間です。水溶性食物繊維だけでなく、納豆菌という有用菌も一緒にとることができますから、腸内環境美化には欠かせません。
(4)プルーン
フルーツは、水溶性食物繊維の多い食べものです。中でもドライプルーンは、身近なフルーツの中で一番多く水溶性食物繊維が含まれています。
プルーンは、身体に糖として吸収されやすいブドウ糖の少ないフルーツですから、糖質を気にすることなく食べることができます。そのままおやつに食べられるのもいいですね。
(5)ゴボウ
ゴボウは、筋っぽいので不溶性食物繊維の塊のように思えますが、水溶性食物繊維も多く含まれています。ゴボウサラダやきんぴら、お味噌汁などで、ゴボウを使ってみましょう!
ヤセ菌が産生する短鎖脂肪酸は、肥満の予防効果だけでなく腸のエネルギーとなり、腸のぜん動運動をうながし、スムーズな排出もサポートします。どれも身近な食材ですから、毎日続けてヤセ体質を目指したいですね。
(美養フードクリエイター 岩田まなみ)
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【参考】
※食物繊維はどのくらい!? – 大塚製薬
※健康用語の基礎知識 短鎖脂肪酸 – ヤクルト
※大麦の健康情報 – 大麦食品推進協議会
※プルーンの栄養価 – カリフォルニアプルーン協会
※NHKスペシャル取材班「やせる! 若返る! 病気を防ぐ! 腸内フローラ10の真実」(2015年)主婦と生活社